日本の動物園ではアジアゾウの雌を1頭だけで飼育している例が多い。そして、その個体の多くで高齢化が進んでいる。

原因として、まずゾウのような巨大な動物を複数飼育すると、巨大な飼育施設が必要になることと、
気性の荒い雄のゾウは飼育管理が難しいために敬遠され、動物園での繁殖がほとんどないことがある。

結果として日本の動物園では、高齢の雌のアジアゾウを1頭だけで飼育しているだけの施設が多く、
繁殖の成功例も非常に少ないことから、若い個体が少ない。
また、本来群れ生活を営むゾウを単独で飼育すること自体が強い孤独を感じさせ、虐待に当たるとも指摘されている。

更にアジアゾウは野生で生息数が減少して絶滅の危機にあり、
ワシントン条約等でも輸入が規制されているので、新規の導入は年々難しくなり続けている。
既存の飼育個体も高齢化が進んで、寿命を迎えるのは時間の問題となっている。
このままでは日本の動物園からゾウがいなくなる日がやってくる。

最悪の事態を防ぐためにも、また種の保存、動物福祉の観点からもできるだけ群れでの飼育を実現し、
積極的に繁殖を進めるべきである。
具体的には群れ飼育ができる施設をいくつか選定し、単独飼育されている個体をそこに集めることが考えられる。

ただ、この群れ飼育を実現した場合、多くの動物園では人気者になっているゾウを手放すという判断を迫られることになる。