戦国ちょっと悪い話26
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0229人間七七四年
2011/05/18(水) 00:07:21.83ID:frFeDv+Yさてさて大阪冬の陣。伊達政宗は大阪城の外格を打ち破ろうと思い、物に慣れた侍六・七騎を率いて
攻め口を探しているうち、城の直ぐ近くにまで出てしまった。
しかしその付近の大阪方は、どうも政宗なんかに関わりたくないと思っていたのか、伊達一行を見ても
見て見ぬふりをしていた。
と、ここで政宗、(よせばいいのに)馬の鞍の上に立ち上がって大声で城方に叫んだことには
「どうして城内の奴らは鉄砲を撃ってこないんだ!?玉薬が尽きたのか?それならわしが
(そこに弾丸を打ち込むという意味で)取らしてやろうぞ!」
この露骨極まる挑発に、城内から鉄砲が二発撃たれた。
が、その弾は政宗の頭上遥かを飛んでいく。これに政宗カラカラと笑い
「飛んでいる鳥などには、ああやって空に向かって討つものだ!
よいか?目の下にいる敵には手股を上げ、筒先を下げて撃つのだ…」
この言葉が終わる前に、今度は城方より鉄砲十挺程がつるべ撃ちをした!
しかしこれも政宗には当たらない。だが、後陣に控えていた伊達家の老武者の、右頬から左の耳の付け根に
弾丸が貫いた!彼は馬からどうと倒れ落ちる。
これに政宗
「…!
はっはっは、お前たちは器用だな。今教えたら直ぐに腕が上達しおった!稽古に神変あり(稽古によって
腕が格段に上達する)とはこの事だな!」
と威勢のいいことを言い、その場に留まるようなふりをしながら(たぶん馬の鞍に立ったまま)ズリズリと下がり、
ついにそこから退いたと言う。
これを見た人々
「あら不思議の政宗や、只今の鉄砲が一つだけの目に当たったならば、この重要な戦の前に
もうお目にかかることはなくなったのに」
と、笑ったそうである。
大阪冬の陣の始め、カッコつけようとした政宗のカッコ悪い逸話である。
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