いくら立地が大変で金が無いからと言って、当初の寿命を勝手に50年とか60年に延長するのは電力のご都合主義だ。そんなことをやられたら、国内に古い原発が増えすぎて事故を起こす要因にならないか。経済減速優先の方策は絶対に許してはいけない。

朝日新聞記事 転載
美浜原発1号機、運転期間50年に延長へ 関電が方針
 来年で運転開始から30年を迎える美浜原発1号機(福井県美浜町)の運転期間をさらに20年延長し、50年とする方針を関西電力が固めたことが6日、明らかになった。関電は「機器の保全や検査を十分に行えば安全に運転を継続することは可能」として、総合的な保全計画をつくったうえで、まず次の10年間の運転継続方針を近く福井県に伝える。その後の10年間については、10年に1度の大規模な定期検査(定期安全レビュー)を経たうえで、さらに10年間運転を継続する考えだ。
 原発の寿命は一般的に30―40年とされる。国内では来年から再来年にかけて、美浜1号機のほか、いずれも沸騰水型炉(BWR)の日本原子力発電の敦賀原発1号機(福井県敦賀市)、東京電力の福島第1原発1号機(福島県大熊町)が相次いで運転開始から30年を迎える。通産省・資源エネルギー庁は今年2月、点検や検査の充実を前提に、「60年間は運転継続が可能」とする報告書をまとめた。これが、関電が運転延長の方針を固めた追い風になったとみられる。

 また来年3月の大口電力の小売り自由化を控えてコストの削減が課題となっているうえ、茨城県東海村の臨界事故の影響で原子力発電に対する風当たりがいっそう強まり、新規立地が困難な状況となっている。このため、既存の原発の延命を図るほうが得策と判断した。(03:12)