CO2濃度、過去200万年で最高水準
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 2009年6月に発表された研究によると、先史時代の単細胞プランクトンに含まれる化学物質を
調べたところ、過去200万年間で、大気中のCO2濃度が現在ほど上昇した時代はなかったことが
判明したという。

 大気中の二酸化炭素濃度が急上昇すると地球温暖化が起こる。これは多くの気象学者たちの共通した
見解だ。では実際のところ、気温はどの程度まで上昇し、気候パターンはどのような変化を見せるの
だろうか。それを予測するには、過去、同じようにCO2濃度が急上昇した時期を特定し、
当時と今とを比較調査してみる必要があるかもしれない。

 しかし実際にはそれは非常に難しいようだ。新たな研究によれば、地球の歴史を200万年以上
さかのぼってみても、これほどまでCO2濃度が上昇した時代はないというのである。

 温室効果ガスであるCO2は自然発生するが、自動車や発電所で化石燃料が燃やされた場合でも
大気中に放出される。

 カリフォルニア州にあるローレンス・バークレー国立研究所で地球科学研究の指揮を執る
ドン・デパオロ氏は、第三者の視点で次のように解説する。「地質学的記録からは過去のCO2濃度を
知ることはできないため、CO2が地球の地表温度に与える影響についてはよくわかっていない」。

 現在の地球温暖化予測のほとんどは、比較的近い時代の一連の氷河期中におけるCO2濃度と気温変動に
関するデータが元になっている。例えば氷床ボーリングでコア(氷柱)を掘削し、中に含まれている
化学物質を年代順に調べると、CO2濃度の変動を5年間隔で確認することができる。
ただし現在のところ、氷床コアは約80万年前の年代まで掘削されているに過ぎない。