また別の例では、耳掻きを皆さん買ったことがあると思いますが、
その耳掻きのパッケージに「あひる毛使用」と書いてあります。
「あひるの毛を使っているからどうなんだ?」「他にどんな毛があるんだ?」と
多くの人が感じるはずです。前例のほうきの話と同様で、メーカーは専門家だから、
あひる毛が高級で耳を傷つけず、耐久性に優れていると知っているかも知れませんが、
買う側は何も知らないのです。これは、商品へのこだわりがお客にはほとんど
伝わっていないという、売る側と買う側のコミュニケーションギャップです。

今の商品にいいところが100あるとすると、「売れない商品」はその20しか
伝わっていないことが多いのです。残りのよいところをお客に引き出せば、
お客は動くのです。商品に対するこだわりは大切ですが、商品にこだわりすぎると
大きな落とし穴にはまります。商品に対するこだわりと、お客さまを集めることを
ゴッチャにしてはいけません。

「いい商品」と集客力との間には、明確な相関関係はありません。しかし、
「いい商品」であることをお客に伝える能力と、集客力との間には、
明確な相関関係があるのです。もう一度、その商品のこだわりが、
お客に伝わっているのか考えてみましよう。