BSDは、全体としてみれば質は低下している。しかし、「BSDは素晴らしい」
「BSDは堅牢」「BSDさえあれば安心」と思っている人は、少なくない。
まだBSDには権威が残っている。その権威が低下していることを、BSDerは嘆いているのだろう。

整理すると、今は、「質が低下しているのに、BSDの価値や権威を否定せず、
むしろBSDへの回帰を訴えている」という状態である。
BSDは大衆化している。すぐれたものばかりであるわけではない。
でも、BSDの嘘を見抜ける人は、あまりいない。正確に言うと、嘘を見抜こうとしない。

単純に「BSD離れ」を批判しているだけではいけない。
その批判は、逆に、「BSDさえ使っていれば大丈夫。BSDは正しい」
という間違った考えを、世間に広めてしまう可能性がある。

だから、「BSD離れはコンピュータをダメにする」という批判こそが、
コンピュータをダメにするかもしれないのだ。

必要なのは、「BSDを捨てる」ことでもなく、「BSDと友達になる」ことでもない。
BSDと一歩距離をおいて、BSDと付き合うことだ。その方法を教えるのは誰だっけ?

嘘を嘘と見抜ける人じゃないと、ネットの利用は難しい。BSDだってもう同じレベルだ。