今回の件で Sun が M$ の軍門の下ったと見なされる背景として

・ Sun の経営が苦しい時に M$ から巨額の資金が支払われる。
・ Sun が今まで盛んに攻撃していた相手である M$ と、一転して提携する。

ということがあるだろう。しかし、そもそもなぜ裁判になっていたかといえば

・ 独禁法及び特許問題で Sun が M$ を提訴していたから。

に他ならない。その意味では、業界内での両者の力関係はともかく、
司法的側面では M$ に弱みがあったのは間違いない。いくら怪物のような
M$ といえど、司法を敵に回してまでやっていけるわけじゃないだろう。
独占企業としての振る舞いも度を過ぎれば、最悪のケースとして
AT&T のように分割・弱体化という末路が待っているかも知れないのだから。

従って、いくら巨額の資金を M$ からもらったといっても、
それは司法的には Sun の方に分があった故の結果であって、
M$ に対して負い目を負わなければならないということではないだろう。

しかるに、今後 Sun が M$ に金魚の糞のようについていく存在になるか、
また今回発表された提携が順調に進むのは、は疑問がある。
曲がりなりにもこれまで「反 M$」ということでやってきたのに、
いきなりその相手と提携するというのは、Sun 社内でも抵抗感は
少なくないのではないか。提携を現場レベルで具体化する段階になったら、
様々な軋轢が生じることも想像に難くない。かつて、Sun が Intel と
提携して IA-64 上に Solaris をポートすることにしたものの、
結局ご破算になった、ということもある。

ということで、結論的には、M$ 仕様の Java が出てくるという以外は、
今回の件が大きな変化をもたらすかは疑問がある。