神戸の実業家松方幸次郎(まつかた・こうじろう)(1866〜1950年)による美術収集品を紹介する「松方コレクション展」(神戸新聞社など主催)が17日、神戸市立博物館(同市中央区京町)で開幕し、初日から多くの美術ファンらが訪れた。

 川崎造船所(現川崎重工業)や神戸新聞社の初代社長を務めた松方は、大正から昭和初期にかけ、パリやロンドンで大量の西洋絵画や彫刻、家具、浮世絵などを買い付け。同展にはその一部約120点が並ぶ。

 現在、パリ・オルセー美術館が所蔵するロートレックの名作「庭に座る女」の前では立ち止まってじっくりと鑑賞する人が多く、神戸市西区の女性(65)は「以前、パリで見たことがあるが、松方コレクションとは知らなかったので驚いた」と話していた。

 午後には同博物館内で、同展を統括した岡泰正(やすまさ)・同市立小磯記念美術館長が講演。松方が収集品を基に美術館建設を構想していたことについて「日本人の教養を底上げしようとの社会教育的な視点があった」などと解説した。

 11月27日まで。月曜(祝日の場合は翌火曜)休館。一般1500円。

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