Apple WatchはなぜiWatchではなかったのか?
http://blogos.com/article/94172/
BLOGOS 栗原潔 2014年09月10日 10:45


ようやく「かつてiWatchと呼ばれたスマートウォッチ」であるApple Watchが発
表になりましたね。

http://www.techvisor.jp/blog/wp-content/uploads/2014/09/image_thumb.png
(出典:Appleウェブサイト)

機能面は別として、工業デザイン面で言うと、Appleの特許公報で開示されてい
たベルトも含めた全面フレキシブル・ディスプレイというデザイン(本ブログ
の関連過去記事)や今年1月に公開されたTodd Hamilton氏による勝手予想デザ
イン(下写真)等で期待値が上がりまくっていたためちょっと残念な感じでした。

http://toddham.com/blog/wp-content/uploads/2014/01/iwatch_hires.png

さらに言えば、丸形文字盤や曲面ディスプレイを採用しているAndroid系のスマ
ートウォッチと比較しても工業デザインとしては一歩後退している感じがします。

まあ、実物を見て、使ってみると印象も変わるのかもしれませんが。

もうひとつの意外な点は、名称が今まで当然と考えられていたiWatchではなか
ったことです。iWatch商標についてはジャマイカに先に出願しておいて出願日
を密かに確保しておいてからパリ条約優先権を使った各国に出願するという裏
技(本ブログ関連過去記事)を使って、日本を含むいくつかの国で既に登録で
きていたにもかかわらずです。

http://www.techvisor.jp/blog/wp-content/uploads/2014/09/image1.png
http://www.techvisor.jp/blog/wp-content/uploads/2014/09/image2.png
↑日本の商標登録公報(第5680592号)

おそらく大きな理由のひとつとしては、Swatch社が所有するiSwatchという商
標との類似性があるでしょう。この点をSwatch社は既に警告していました
(Bloombergの関連記事)。また、中国で出しまくられている抜け駆け出願の
問題もあるかもしれません(本ブログ関連過去記事)。経営判断としては妥当
なのかもしれません。

とは言え、これは個人の勝手な憶測なんですが、もしジョブズがまだ生きてい
たら、どんなに金とリソースを使ってでもiWatchの名称を貫いたんじゃないか
と思います(それ以前に、ジョブズがまだ生きていたら、この製品を出すこと
自体を許可しなかったかもしれません)。