これだけは抑えておきたい!古典SFスレッド
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0260天文学者
2005/04/13(水) 21:10:55SF界の大御所、ポール・アンダースンである。
個人的には竜頭蛇尾な凡作が多いと思うのだけど、この人のSFに対する情熱や貢献
を認めないわけにはいきません。そういう意味でも大好きな作家の一人。
本書は、時間警察という概念を初めて形にしたSFである。
ウェルズが“タイムマシン”を発表し、アンダースンが“タイムパトロール”を提唱
したおかげで、時間SFの設定は粗方固められてしまったかのように思える。
そういう意味では歴史的な作品なのである、エポックなのである。
作中のパラドックスが今一だったりするのも、優しくスルーするべきであろう。
何と言っても始祖なのだから。SFファンの半分は思いやりで出来ている(違)。
時間SFの醍醐味である“歴史のif”や“歴史上の有名人物との交流”もバッチリ
網羅されている・・・と思いきや、第一作の登場人物がいきなりアレ、アレ過ぎ!
アドルトン?チャリングクロス?・・・そう、言わずと知れたあの諮問探偵なんである。
いいの?っていうか、歴史上の人物じゃないじゃん!?
アンダースンのシャーロキアンぶりは有名だけど、まさかこのシリーズの第一作が、
いわゆる『語られなかった事件』の一エピソードになっているとはねぇ。
広角的に見ると、コナン・ドイルがいなければ、タイムパトロールも存在していなか
ったのかもしれない。凄い時空の相関関係・・・。
本国ではシリーズ化されるほど人気で、現在四作品が発表されているらしい。
だのになぜか翻訳されているのは、一冊目の本書と、四冊目の『タイム・パトロール
時間線の迷路』だけなのだ。
題材が題材だけに、まさか何かのパラドックスでも生じているのか。
・・・んなわきゃないか。とりあえず何も考えずに楽しむべき一冊なのであります。
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