長篠の合戦に限らず忘れてはならないのは「当事者が知り得ない情報は計算に入れない」ということ。
長篠にいる武田軍には織田徳川軍の全貌が掴めない。判らないんだ。そして三善康長相手に信長は十万の軍を使ってる訳だけどどう考えても十万をフルに使ったとは思わないだろう。つまり幾らかの予備戦力が予想される。
そうなると信長が長篠に連れてきたのは元気たっぷりの連中で疲れてる連中は後から来てる可能性が高い。そうなると退却戦は絶望的に不利になる。

ちなみに甲陽軍鑑には色々なバージョンがあるけど、馬場が長篠城を攻めると言った理由は「千人死ぬからそうしたら退こう」というもの。反論は「味方が一騎失うと敵の千騎が勢いづくという。千人も殺してどうするのか」というもの。まぁ妥当な批判だろう。
長篠城を力攻めにするとその瞬間に織田徳川軍が突っ込んでくる。おそらく2時間くらいしかない。2週間かけて落とせない城を2時間で落とすなんて無理過ぎる。