>>315
会社に忠誠を尽くすことと給料がたくさんほしいと考えることは矛盾しないだろ?

蔵入地は公衆電話ボックスみたいに大名領の中にポツンポツンと配置されていたんだ。
蔵入地自体が中央政権による各地の領主への内政干渉の道具だし、司法権も異なるから清朝の租界みたいに治安上の潜在的脅威になりえる。

そして、中央権力が弱体なら自家を取り潰す力も低いということ。
秀吉が福島加藤らを寵愛したからといって秀頼が福島らを寵愛する保証がどこにある?

そして室町幕府の足利家御料地なんて推定30万石しかなかったぞ。(ここから朝廷も養う必要がある)
朝貢貿易一回で数年分の収入が入ったという→財政基盤がすごい脆弱なことがわかる。
豊臣中央が貧乏でもそれほど違和感がなかった可能性もある。

もっと言えば慶長の朝鮮出兵で西日本の諸侯の財政は困窮していた。
当時としては現実的な懸念として、いつ報復として明や朝鮮が攻めてくるかわからないのもある。
周辺の大名だっていつ惣無事令を無視した戦争を始めるかわかったもんじゃない。
上杉征伐だって上杉が惣無事令違反をするんじゃないかという東北諸侯の不安に答えた側面もある。
だから軍拡をしたいと考えるさ。そして当然領地が必要だ。

もっと言うと室町幕府の守護大名から守護代や国人たちが大名の座を奪えた理由として守護たちが京都に住んでいて領国への土着性を失ったというのがある。
しかし、豊臣政権の大名は大阪や伏見に住むことが要求される。まあ不安だろうね。現に家康が諸侯の帰国を許可したら毛利や上杉を含めてみんな帰国した。
下剋上を防ぐには家臣団に加増を断続的におこない忠誠心をつなぎとめる必要がある。


つまり、恩顧を含む大名たちにとっては(自分と一族の命を懸けて)何が何でも領地をふやさないといけない。
蔵入地の勝手な配分を黙認したからといっても不忠と言うのはかわいそうなんじゃないかなあ。
というか加増禁止や私婚禁止という秀吉の遺言がちょっと実現可能性が低すぎるんじゃない?(この時期の豊臣はダメなところばかりに目が行ってしまう)