御館の乱・甲越同盟の締結に際して、『甲陽軍鑑』によれば上杉景勝から勝頼側近の長坂光堅・
跡部勝資に黄金が渡され、『甲陽軍鑑』ではこれを賄賂であったとしています。上杉方から
黄金が贈られたことは文書上からも確認されているのですが、宛名の「跡部」は勝資ではなく
勘定奉行の跡部勝忠であり、丸島和洋氏は『甲陽軍鑑』の記すような賄賂ではなく、これは
甲越同盟の婚姻に際した結納金であり、大名間外交の正式な贈答であったとしています。