戦国ちょっといい話35
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0978人間七七四年
2013/01/04(金) 20:24:47.64ID:u8zH4ZKp「兵法とは武家の法である。
将の位にある者はとりわけこの法を行い、
士卒の位にある者もこれを学びゆくべきだ。
今の世に、兵法の道を確かにわきまえた武士を見ることは少ない。
道の顕れをわかりやすい例であげるなら、
仏法として人間を救済する道。
儒道として文を糾す道。
医者として諸病を治す道。
或いは歌道者なら和歌の道を習い伝え、
また或いは、数奇者、武芸者、その他の芸能まで、
それぞれが思い思いに稽古し、
好みにより、縁により、嗜んでいるものだ。
しかし兵法の道を好む人は世に少ない。
武士は文武両道と言って、二つの道を嗜む。
これ武士の道也。
たとえ生まれつき武士道に関することが不得意だとしても、
武士としてある以上は、己の分際程には兵法を努力するべきである。
今、心ある武士の大半の思うところを推測してみるに、
武士とは死ぬ道を覚悟することと考えているくらいであろう。
死する道という事だけならば、なにも武士だからということはない。
出家だろうが、女だろうが、百姓已下すべて、
義を思い、恥を知る者ならば、
死するところを思いきることは職分に差別なくあるのだ。
武士の兵法の道とは、何事においても人に勝る所を本として、
一対一の斬り合いに勝ち、或いは多数の戦に勝ち、
主君のため、我が身のため、名を上げ身を立てようと思う。
これが成るかは兵法の徳をもってなり。
また、世の中には、兵法の道を習っても、
実戦には役立たないと言う武士もいる。
このタイプに私が言えることは、
それならば何時にても役に立つような稽古を考え、
万事に至り、役に立つ教え方を考案すべきであろう。
是兵法の実の道也」 【五輪書】
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