【既出】の戦国ちょっといい話・悪い話を話そう
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0783人間七七四年
2014/11/08(土) 14:00:22.42ID:q9TRtVai>ある日高橋紹運が戦評定のため戸次道雪の陣営に趣き、評議が終わって酒宴となったころ、どこからとも無く
>真っ白なる鷹が飛んできて、庭前の松の梢に止まった。
>近習の若侍たちはこれを見て「何としてもあれを捕えよう!」と立ち騒いだが、どうにも方法が見つからず
>手を出しかねていた。これを見ていた道雪は
>「誰か、鷹の事に心得のあるものはいないのか?」
>と尋ねると、早良善内という老人が立ち上がり、厨房の方に走っていくと鳥の肉を一片ばかり取って帰ってきた。
>そして庭上に降り立ち、肉を振って静かに鷹を呼ぶ。
>と、鷹は肉をめがけて飛び降りてきた。善内、これを巧みに捕らえ拳に据えて、そのまま道雪の御前に出て、
>「これは天晴、逸品の鷹でございます!そのうえ白鷹といえば、別して賞翫される特別なもの。
>これがただいま、庭の松に止まったというのは、目出度き瑞祥に違いありません!」
>そう、大声を響かせた。
>道雪はこれを大いに喜び、善内に褒美を与え、そのままその鷹の管理を任せた。
>ところが、である。この鷹はそれから2,3日過ぎて、何の病気も怪我もなかったというのに死んでしまった。
>後になって人々は、『あれは道雪の卒去の前兆であったのだ』と、噂し合ったそうである。
(伝習館文庫柳河藩政資料)
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