戦国ちょっといい話33
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0831人間七七四年
2012/08/05(日) 02:01:39.01ID:8pfN3Wrj天草島原の乱が籠城した老若男女の殲滅をもって終結して数か月後、三代将軍家光の御前に罷り出た
立花飛騨守宗茂が、討伐軍の司令官として誹謗中傷の嵐にさらされていた松平伊豆守を救ったという
逸話は有名だが、もう一つの逸話はあまり知られていない。
「飛騨守、そちは伊豆の神髄は、その知恵に非ずというのだな」
「御意、伊豆殿の心魂は突き詰めれば、本田佐渡殿と同じ、上様一人への忠の一字に尽きもうす。
忠を貫くためには、いかなる泥をも被ることを厭わない覚悟は見事というほかありません」
「・・・・・・あいわかった。以後、伊豆のことをとやかく言う者がいても、余は聞き流すぞ」
家光が知恵伊豆こと松平伊豆守の安堵を請け負ったことを確かめると飛騨守は、言葉を継いだ。
「このたびの乱を切支丹一揆と言う者があると思いますが虚言ござる」
「なに!首謀者は天草四郎という小僧を担ぎ上げた切支丹たちではないというのか?」
「首謀者は切支丹ですが、しょせん切支丹は、一揆の神輿にすぎません。それを見越して、切支丹から
一揆の衆を内応させようとした手を尽くしたのが伊豆守殿でござる」
「???」
腑に落ちかねるといった家光の顔をまっすぐに見つめながら飛騨守は、話し始めた。
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