戦国ちょっと悪い話27
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0788人間七七四年
2011/09/08(木) 21:10:13.98ID:lK534Zs3輝元に実子が生まれると家督相続を固辞した。
自ら身を引いたというと何やらカッコイイけれども、
実はこれ、養子入り当初からの織り込み済みのコトだった。
「輝元様に実子が生まれたら相続権を放棄します」って内容の起請文を提出している。
提出させられた、と表現した方がいいかもしれない。
しかしその代わり、かなり広い領地(毛利氏領国の約四分の一)を分知してもらう約束だった。
この約束は豊臣秀吉の肝入りなのでかなり重い意味を持つ。
輝元に実子・松寿丸(後の秀就)が生まれたのは1595年、
その二年後に隆景および元清、三年後に秀吉が没した。
そろそろ後継問題もケジメをつけなきゃいけなくなった輝元は……
輝元「あのね、秀元にこんなにあげると、本家が立ち行かないんだお
秀元にあげる約束だった山陰にはもともと吉川一門を配置してるし、
朝鮮から戻って日も浅い今、所領替すると家中が大混乱だお」
秀元「太閤とのお約束を違えるおつもりですか!?」
輝元「死んだ太閤も、毛利家全体のためなら許してくれるお、まけてくれお」
秀元「…………」
輝元「安国寺も元康叔父上(相談役)も賛成してくれてるお!」
秀元「……仕方、ありませんね(ギリッ」
輝元「ありがとう、ありがとう(号泣)!感謝してるお!!!」
まだ年若く後ろ盾の実父もすでに亡くしていた秀元が抵抗できるはずもなく、
結果的に四万石ほどまけさせられた。
お家騒動にもならず円満に(?)事が片付いたいい話かとも思ったけど、
やっぱり泣き寝入りした秀元がかわいそうなので悪い話に。
すぐに関ヶ原で大減封くらう羽目になるしな。
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