政宗の母保春院が仙台に引き取られ、亡くなってしばらくした後に
嫁いだ頃よりの母付きの侍女が国元にあった政宗に挨拶に来て
「御曹司におかれては相も変らずご健勝で何より」と述べた
今や幕府にも一目置かれる大藩の藩主であり子や孫も大勢いる政宗も
かつてを知る老女にとっては未だにおぼっちゃん扱いである
そこで昔を懐かしんでつい気が緩んだのか
「いやあ、俺は父ちゃんには良い思い出ばかりだが
母ちゃんのことはぶっちゃけ恨んでるんだよね」などとついこぼしてしまった
政宗に関する逸話や書簡は数多く残されているが、こんな些細な愚痴まで
後世に残ってしまっているちょっとバツの悪い話