戦国ちょっと悪い話25
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0503人間七七四年
2011/04/03(日) 22:05:41.84ID:JE/8rt2b肥前有馬氏の家臣に、林田作之右衛門という、いかにも手際のよい者がいた。
ある時、この林田が鷹狩に出ているところに、人を殺して有馬家より退転する途中の者に出会した。
彼は林田を追っ手だと思い刀を抜き
「幸い良き相手である!さあ、勝負つかまつろう!」
と叫んだ。
ところが林田、驚くこともなく手元に鷹を据えたままこの男に
「人を殺し退く者というのは、何としてでも無事に立ち退くことが目的のはずだ。
そんな勘違いしたことを言わずに、さあ、早く逃げなされ。
何の関係もない私が、どうしてあなたの相手をせねばならないのか?」
これにこの男もそうかと思い、そこから去ろうと振り向いた、その時
林田作之右衛門、後ろから一刀のもとに討ち捨てた。
又ある時、家中の走衆(徒士組:下士官に当たる)の中に罪を得て追っ手がかかり、それから逃げる
者があった。と、その彼が逃げるところに林田作之右衛門が行き当たった(よくこういう目に合う人である)。
彼は当然林田を追っ手と見て斬りかかる。だが林田、彼ではなくその後ろの方に向かって叫んだ
「やあ追っ手の衆よ!侍を鉄砲で撃つなど、して良いことではないぞ!」
自分が鉄砲で狙われている!?この走衆の男、驚いて後ろを振り返った、そこで
林田作之右衛門、抜討にこの男を斬り倒した。
後に林田は、これらの事件のことを聞かれこう答えたという
「だいたいの場合人と言うものは、ああやって討つものよ。」
この人がというよりこの時代、騙し後ろから斬りつけてもオッケーだったらしい事がよく解るお話
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