1581年、宇喜多直家は病に倒れた。
自分の死んだ後が不安になった直家は家臣たちを呼んで

「わしが死んだら、お前は殉死してくれるか?」

と尋ねた。
家臣たちはそろって「御恩がありますから、殿に続きます。」と答えるので
直家は機嫌がよくなった。
そして戸川秀安にも同じ質問をすると

「私に殉死は無理です。
家臣は合戦で人を殺したので殿を地獄に連れていくことでしょう。
僧侶ならそんなこともないし、殿から私たちの十倍は尊敬されて
いますから適任でしょうな。」

と皮肉った。
この言葉が堪えたのか直家は「わしがどうかしていた。」と反省したのだった。