前田慶次、悪い商人に騙される。

京の町をウインドショッピングしていた慶次、ある商店の軒先に鐙(あぶみ)が一つぶら下がっていた。
珍しいデザインが目を引き、購入しようとしたが、対の片方は無く、これ一つだと言われた。
しかたなく諦めてしばらく歩いていくと、ある店頭に先ほどの片割れと思われる同じデザインの鐙が置いてあった。
慶次は。左右も確かめず、ただちに購入し、先ほどの店に戻って、もう一つを買い揃えようとした。
店の主人は「あなた様が行かれた後、売れてしまいました」と言う。
慶次は非常に残念がりながらも、しかたないと帰っていった。

実は店の主は急ぎ先回りをして、支店に並べておいたのだった。