この城は奈良県御所市にあります。
保存状態もよく、瓢箪型をした台地上に築かれた城で、
縄張りも土塁や城道で区画された住宅地という感じがします。
周りは空堀に囲まれているものの、城という感じがしません。

山を登っていくと突然、整然と区画された城域に突入します。
城の中心に幅7〜8メートルほどの道が東西に走り、東端は虎口でしょう。
登り道は果たしてあるのでしょうか?植林された山肌を直登しましたが、
それほどの高さではありません。しかしきつかったです。

この城の城主は佐味氏とされますが、永禄10年(1567)に、
根来衆と畠山氏がこの城に攻めた記録が『多聞院日記』にあり、
当時、畠山氏と根来衆は松永久秀と組んで三好三人衆と対立していたことから、
三好三人衆と組んでいた筒井方の城であると推定が出来ます。
当時、松永方は苦境でしたからその救援に向かった畠山氏と根来衆は
この城により食いとめられたのです。

交通は、近鉄御所駅などから出ているバスで風の森下車、
徒歩で西にある高鴨神社を目指してください。
そのさらに西にある下の写真のように見える山が佐味城です。
(2003 12/22現在)

さて、2回目の探訪でほぼ全体を把握でき、図を完成させました。
本当にこれだけしっかり遺構が残っているのに全く整備もされずに
残されているのはある意味、皮肉なものです。
発掘をしてみると何かしら必ず発見されると思います。御所市さん、頼みます!
まぁこのまま放置するのも味がある城跡のままでいいかもしれません。
しかしかなりの大規模な土木工事をしたものです。堀も深く、土塁だらけ。
根拠はありませんが、城として利用する前にお寺とか何かあったのかなあ、と思います。