戦国時代と聞けば、思い浮かぶのは
下克上の世の中、戦火に包まれた日本列島、
秩序は麻のように乱れ、街道には屍が累々としている。

ところがそうしたイメージにもかかわらず、
農業生産高は増え、商工業が勃興し、貿易が盛んになり
100年足らずの内に人口は2倍に増加したこの時代。
同じ戦乱の時代でも、ドイツの30年戦争では人口は半減、
中国の動乱期には人口が10分の1になったといわれる(諸説あり)
えらい違いである。

当時の宣教師達の記録には、勤勉で誇り高く礼儀正しい日本人像、
犯罪も少なく極めて秩序だった社会の様相が描かれているが
戦乱の激しさや、日本の軍隊の強さを訴えたものはほとんどない。
(悪意を持った宣教師が残忍な国民だと書き送った例はある)

世界的な視野からすれば、戦国期程度の動乱はむしろ常態であり、
特筆すべきものではないのかもしれない。
では、「戦国時代」とは何だったのか?
「戦国時代」という呼称は適切なのだろうか?