86 :無名武将@お腹せっぷく :2006/09/18(月) 12:36:11
>>84
そういう点から考えて、明に最も打撃を与えるには、
鎮江から揚州にかけての線を占領し、長江と大運河の連絡を寸断するのが最適なんじゃないかと思う。

明に限らず中国の歴代政権は、経済面で江南の豊かさに頼っている。
唐が、安史の乱で首都を占領されながらも滅亡を免れたのは、江南を確保していたからと言われているし。
その観点から考えれば、北京と江南を結ぶ大運河の寸断は、明にとって死活問題となるはず。

最大の税収源地域である蘇州や杭州との連絡を遮断されるのに加え、
揚州もまた塩の集積地であり、重要な塩税収入の源。
元朝末期に張士誠が反乱を起こしてこの地域を占領した時には、
それよりはるかに規模の大きかった河南の紅巾の乱に対して動きが鈍かった元朝も、
即座に丞相自ら率いる大軍を送って討伐に乗り出している。
その理由は、元朝の最大の収入源が塩税であり、これらの地域が塩の集積地であったから。


87 :無名武将@お腹せっぷく :2006/09/18(月) 14:59:13
問題は、鎮江や瓜州、揚州といった地域が、長江を河口から200キロ以上も遡った地点にあること。
これらの地域を占領するには、長江を遡って内陸奥深くに侵入しなければならない。そこまで到達できるかどうか。
更に、仮に占領に成功したとしても、次はその占領状態を維持し続けなければならない。
補給線を構築するのが絶望的に難しいし、下手をすれば敵中に孤立してしまう。
明にしても、属国の朝鮮とは違い、生命線とでも呼ぶべき地域を占領されれば、
それこそ総力を挙げて奪回に乗り出して来るに違いない。