直江の天正小判の話が掲載されているのは『会津陣物語』だ。
この書物自体が、上杉にとって、政宗と戦えたということがいかに
名誉なことだったかが全編に渡って記されている。

この本の中で、直江の人物像が描かれている。人に決して頭を下げる
をよしとしない人物だったとある。それが登城中で、幕府の要人とす
れ違おうともスタイルは同じ。
政宗が座興の席で出した小判を直江は扇で受け取り、このような卑賤
なものは直接手では触れないと語っている。
対抗意識なのかどうかは不明だが、変わった人物だったことは確かだろう。