>>96
>>87>>91も戦国が有利と言ってるのわけだが・・・
日本が戦場となるなら設楽ヶ原や関ヶ原といった凸凹や川、森林が邪魔する地形で戦闘をせざるを得ない確率は高いだろう。
ファランクスが不利な地形以外では隠れ遊びに徹するかもしれない。
信長が武田勝頼を設楽ヶ原に誘いこんだように、ナポレオンのグランダルメにロシア軍が決戦を避けたようにね。

ただ、遮蔽物のない平野でまともに会戦するとどう転ぶかわからないと思う。
日本の備はヨーロッパの大隊〜連隊規模の定数で、諸兵科をミックスした戦術単位。
それぞれの兵科の弱点をカバーするが、兵科あたりの効率の低下は間違いなく、中途半端といえる。
前の備が崩壊したら後ろの備が穴を埋め、また縦深3列の槍隊、加えて鉄砲、騎馬が縦深数十列というファランクスの相手をする。
これはある意味、構造的に戦力の逐次投入を行なっていることになるわけで、槍隊の戦闘持続力を著しく低下させている。
ファランクスという単調ゆえに凶悪な暴力に対抗するには、槍隊を再編成し厚みを増やす必要があるだろう。
近世までの戦闘では、単一兵科にしたほうがそれぞれの兵種の効率や衝力は高くなる。
日本は、数千の単一兵科の突撃への対応などまったく想定しておらず、正面衝力が脆弱なことが懸念される要素か。

ファランクスの正面衝力はすごい。
日本の槍隊は3列数十人程度を備ごとに分散配置していて、
常に突撃し続ける数十〜百数十列のファランクスに手も足も出ず突破されるだろう。
槍隊同士の戦闘では物理的な厚みに差がありすぎ、前備え数個は即座に蹴散らされる。
ランチェスターの集中効果の法則において、多少のテクノロジーの差があろうと槍同士の戦いで日本は一方的な損害を受けるだろう。
ただ、鉄砲によりファランクスの死傷者も続出する。
騎馬?備あたり数十騎程度では長槍の筵であるファランクスに意味をなさない。
数千単位の騎馬の集中運用をしていればかなり勝利は期待できるが、分散運用しているのが現実。

ファランクスの弱点は側背面。それを両翼の騎兵や軽歩兵でカバーするわけだが、
ヘレニズム騎兵では横備を崩せるとは思えない。ファランクスの両翼は危機に陥ると思う。
が、ヘレニズムの戦術は極めて洗練されている。斜線陣形で攻めてくるだろうが、これが厄介。
例えば右翼を分厚くして、右翼を先頭に斜めに進む。これによって局所的優位を作りだし、
左翼が戦場に到達するまでに右翼は敵左翼を撃破、包囲もしくは突破している算段だ。
同時に騎兵が大きく迂回し側背を衝く動きを見せる。敵が対応するため翼部と中央に距離が開く。その隙間に突入・包囲を行う。

日本側の勝利条件は簡単、槍隊と騎馬隊の集中運用・もしくはファランクスが能力を発揮できない地形での戦闘、これだけでいい。
槍が崩れなければ鉄砲は白兵戦の恐怖を心配せずに射撃でき、身を守るすべのないファランクスは悲惨なことになるだろう。
騎馬隊が集団機動で敵の側背を衝けばヘレニズム騎兵では対抗できない。ただ、ファランクスは後方守備に予備隊を残しているが。
しかし日本において騎馬隊の大規模機動戦術は極めて稀と思われる。現代人の指揮官でも連れてこないことには・・・
日本はテクノロジーで優れていながら、(単一兵科の大集団を相手にするには)運用法に問題があると思う。
備は機動性に優れるので、歩兵による機動戦でも対抗できるかもしれないが。