会談30分、二階氏に地方対策託した首相 コロナ対応「声を聞いて」
8/26(木) 10:51
https://news.yahoo.co.jp/articles/3a8d760cea7c7daaa441733261812dcad9b02a92

自民党総裁再選への意欲を既に表明している菅義偉首相は
25日午前、自民党の二階俊博幹事長と党本部で会談し、
「9月17日告示、29日投開票」が見込まれる総裁選を「粛々とやってほしい」と伝えた。
再選に向け、自身の求心力低下の要因となっている新型コロナウイルス対応に関し、
党の地方組織から意見聴取することを二階氏に託した。

二階氏との約30分の会談を終え、官邸に戻った首相は記者団に対し
「コロナの感染拡大が続く中、病床確保が極めて大事だ。
政府と党が協力して病床確保に努めようという話をした」
と述べるにとどめた。

関係者によると、首相は、政府のコロナ対応が国民の理解を得られておらず、
内閣支持率の低迷や横浜市長選など各種選挙での不振を招いているとの指摘を踏まえ、
「地方の声を聞いてほしい」と依頼した。
自身が率いる派閥を挙げて引き続き首相を支えていくとする二階氏は
「分かった。やろう」と応じ、党の都道府県連に協力を求める考えを示したという。

昨秋の総裁選と同様、二階氏をはじめ、安倍晋三前首相や麻生太郎副総理兼財務相ら
党内の実力者から支持を取り付け、早々に勝負の大勢を決したい首相にとっては、
地方での浸透が課題となる。

今回の総裁選では党員・党友投票が実施され、選挙戦となれば、
国会議員票と同数の党員・党友票383票を合わせた計766票で競う。
全都道府県連に3票ずつだった前回の141票から地方票の重みは3倍近くに増し、
これが首相に背を向けて他の候補に向かうような流れになれば、
世論に敏感な国会議員票の行方も危うい。

会談で地方票のつなぎとめへ布石を打った形の首相に、二階氏は周囲を通じ
「幹事長が『頑張れ』というのは当然だ」とエールを送った。
一方、党内には若手・中堅を中心に
「首相の下で衆院選を迎えるのは自殺行為だ」といった厳しい評価もある。
領袖(りょうしゅう)クラスが支持を表明しても、安泰とはならない懸念が首相周辺に満ちる。

26日には二階派が会合を開くほか、麻生派も幹部が集まって今後の対応を協議する方針。

(河合仁志)