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サクセスストーリー、続ける覚悟 シンドゥ・プサルラ 東京五輪

2016年のリオデジャネイロ五輪女子シングルスで、銀メダルに輝いた。母国は沸き、自治体から土地を贈られたり、地元のバドミントン協会から高級外車をプレゼントされたりした。大手企業も次々とスポンサーについた。

 米経済誌フォーブスが公表した18年の「世界で最も稼ぐ女性アスリート」では、年間850万ドル(約9億3千万円)で7位にランクイン。上位10人中8人をテニス選手が占めるなか、バドミントン選手でただ一人、名を刻んだ。

 バレーボール選手だった両親を持ち、身長はバドミントン選手としては大柄な179センチ。長い手足をいかしたパワフルなショットや広い守備範囲が持ち味だ。

 かつての欠点は、スタミナが切れると集中力が続かなくなるところだった。17年の世界選手権決勝では奥原希望(太陽ホールディングス)に粘られ、1時間50分に及ぶ試合を落とした。

 それでも19年の世界選手権決勝では奥原を破って初優勝。「奥原とはいつも長い試合になる。負けないように我慢強くなった」と精神面の成長を口にする。

 奥原や山口茜(再春館製薬所)とは大会で何度も顔を合わせてきた。国際大会で東京を訪れることもしばしば。報道陣から好きな和食を聞かれ、「CoCo壱番屋のチキンカレー」と笑顔で答えていた。

 彼女にとって19年以来となる東京での試合が五輪の大舞台だ。リオ五輪の決勝で敗れたカロリナ・マリン(スペイン)がケガで不参加となり、インドの女性選手として初の金メダルの可能性は膨らんでいる。「期待されていることはわかっている」。26歳が見据えるのは頂点だけだ。