その6
(東洋経済)

「100日後に死ぬワニ」最終回が猛批判された訳
https://toyokeizai.net/articles/-/338828

批判の多くは、インターネット上のコンテンツにおける、いわゆる「嫌儲(人が金儲けすること自体を嫌う心理的反発やクリエイターがインターネット上にコンテンツを提供し、
その対価を得ることに対する心理的反発を表すインターネットスラング)」に根ざしている。

また、こういった批判に対し、「作者がコンテンツの対価として金銭を得ることの、何が問題なのか」「作品を楽しんだ対価として、そのコストを払うのは当たり前」といった声も多く上がっている。

こうして、感動と、その余韻が流れるはずのツイッターは、一部で荒れることとなり、「いきものがかり」のメンバーである水野良樹氏が、
作者のきくちゆうき氏との対談動画をツイッター上で配信し、経緯を説明することとなった。

(中略)

今回、最も懸念されるのは、今後『100日後に死ぬワニ』と同様に、SNSなどのインターネット上から、何らかの形でマンガや映像などのコンテンツが発信され、それが口コミで人気を獲得し、
多くの人たちの目に触れるようになった時に「どうせ、これも“仕込み”でしょ?」といった形で、揶揄されやすい前例を作ってしまったことだ。

クリエイターがコンテンツを制作し、それをSNSなどインターネットを通じて、何らかの形で世に出して広め、さらに、それをビジネスとして収益化させるということは、至極当然であり、それは否定されてはならない。

もし、それを否定するような流れができれば、クリエイターが、インターネット上で自らのコンテンツを収益化させづらくなる空気が生まれてしまうことも考えられる。

作者はワニの死を通して「何があるかわからない中で、限りある時間を大切にしてほしい」というメッセージを伝えたかったと語っている。

だが、マーケターにとっては、それだけではなく「UGC(User Generated Contents = 企業ではなくユーザーによって生み出されたコンテンツの総称)の収益化」というテーマを考える上で、今回の騒動は一石を投じるものとなったはずだ。