
「私の家、あそこなんですが……。これじゃあ帰れないですね」(近隣の主婦)
2月2日に行われた安倍晋三首相(64)による「キャッシュレス体験」は、まさに大名行列だった。
この日、安倍首相は、普及し始めている電子決済を体験するために戸越銀座商店街(品川区)を訪れていた。自身のボディガードや経産省の役人など、
総勢20人以上のお供を従えて商店街を練り歩いたが、首相の安全を確保するために、周辺には規制線が張られ、所轄の警察官まで動員された。
冒頭の主婦と同様、首相のおかげで道が通れない通行人たちは跡を絶たず。安倍首相の視察は完全に「近所迷惑」となっていた。
政治アナリストの伊藤惇夫氏が言う。
「視察とは名ばかりの、パフォーマンスに過ぎません。消費増税への抵抗感を緩和したい政権としては、キャッシュレス決済によるポイント還元をPRしたいんでしょう。
ただ、厚労省による統計不正問題が発覚し、実質賃金が実はマイナスだったことも判明。すでに『この状況でホントに増税するのか』という議論が出始めているなかでのこの視察ですからね。今回のパフォーマンスに意味があったとは、到底思えません」
商店街内の魚屋を視察している際には、通行人から、
「アベ、やめろー」
との怒号が飛ぶ場面もあったが、安倍首相は完全無視。コンビニなどを回った後、花屋で昭恵夫人に贈るための花束を買って視察を終えた。
視察後、安倍首相は、
「少し緊張したが、簡単だった」
と、得意顔で感想を述べていたが、首相の知らないところでは、こんなハプニングもあったという。
「実は、花屋での会計が間違っていたんです。実際は4000円を超えていたのに、安倍首相は3326円しか払っていない。花屋の店主は会計後に間違いに気づきましたが、
満足気に店を出た安倍首相には何も言えず……。金額を間違ったことに、首相自身はいまも気づいていません」(商店街の住民)
近隣住民に迷惑をかけただけでなく、オマケまでしてもらった安倍首相。背景にあるのは長期政権による慢心か。
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