>>1つずき

だが、人種差別が「教育により消える」というのは安易な思考なのだ。
進歩により社会的調和が訪れ、善良な人々が最後に勝利するーーそんな考えは確かに心地よいだろう。
だが、4chanの/pol/はそんな考えを全く否定している。/pol/のユーザーは、ネット上の膨大なテキストやソーシャルメディアに囲まれて大人になったユーザー達だ。
言葉のニュアンスに精通しており、技術的にも洗練されている。
彼等は社会から阻害されていると感じているが、ネット上では組織化されている。彼等の中には、白人至上主義者も多くいる。
そして、彼等はドナルド・トランプが大好きだ。彼等はドナルドへの愛情を、
「Make America Great Again(再びアメリカを偉大にする)」と描かれたトラッカー帽子を被ったアニメの女の子達の画像で表現する。

4chanのようなネットの「薄暗い隅っこ」は醜悪で恐ろしい場所なので、本来であれば、避けて通りたい。
しかし「何が起きているのか」を正しく理解するには、足を踏み込むしか無いだろう。ニューヨークタイムズマガジンは/pol/を名指しで
「ネットで最も先鋭化した、行動力のある差別主義者たちの集合場所」だと説明した。
ユーザー達のイデオロギーは「皮肉な事に、多様性に満ちたありとあやゆる差別主義と、新反動主義(※)」を原動力としており、
ここに「男らしさ」への確執も濃厚に絡んでいる。特に、Tayに関連した4chanのスレッドは信じられないような内容だ。
書き込みの感情の激しさは、実際の人生で経験したら耐えられないほど強烈なものだ。

※訳者メモ:「neo-reactionary」はネット上で生まれた反動主義。
女性や同性愛者の権利拡大、民主化、リベラル活動が「行き過ぎた」と考えている人々。新右翼とも呼ばれる。