皇位は、万世一系の天皇の御位であり、たゞ一すぢの天ッ日嗣である。
  皇位は、皇祖の神裔にましまし、皇祖皇宗の肇め給うた国を承け継ぎ、
  これを安国と平らけくしろしめすことを大御業とせさせ給ふ「すめらぎ」の御位であり、
  皇祖と御一体となつてその大御心を今に顕し、国を栄えしめ民を慈しみ給ふ天皇の御地位である。
  臣民は、現御神にまします天皇を仰ぐことに於て同時に皇祖皇宗を拝し、
  その御恵の下に我が国の臣民となるのである。かくの如く皇位は尊厳極まりなき高御座であり、
  永遠に揺ぎなき国の大本である。
    高御座に即き給ふ天皇が、万世一系の皇統より出でさせ給ふことは肇国の大本であり、
  神勅に明示し給ふところである。即ち天照大神の御子孫が代々この御位に即かせ給ふことは、
  永久に渝ることのない大義である。

皇統の祖たる皇祖を天照大神と考えるのなら、男系女系などという概念は全く意味がなくなるから、
皇祖が天照大神であるか神武天皇であるかは極めて重要な問題となる。
文部省に依頼されて教育勅語の解説を書いた井上哲次郎は、天照大神が皇祖であるとした。
http://kindai.ndl.go.jp/scrpt/jgmWeb.dll?ImageOut?p=38/40004338/00000/0007.dir/04-0/838-721/a-1672-1440.jpg
これに対して井上毅は、
「勅語ニハ敬天尊神等ノ語ヲ避ケサルヘカラス
何トナレハ此等ノ語ハ忽チ宗旨上ノ争端ヲ引キ起スノ種子トナルヘシ」
「肇国ノ基礎ヲ叙ルニハ皇祖トハ神武天皇ヲ称ヘ
皇宗トハ歴代ノ帝王ヲ称ヘ奉ルモノトシテ解セサルヘカラス」
と述べ、宗教的な論争を巻き起こすような神代の事跡を排して、
便宜上、神武天皇が皇祖だということにした。
しかし神道的に見れば皇祖は明らかに井上哲次郎が書いたように天照大神であり、
文部省編纂の「国体の本義」でも皇祖は天照大神だとしている。
従って「万世一系の皇統」とは「即ち天照大神の御子孫」のことであって、
敬宮様の御子様も当然に「天照大神の御子孫」たる正統な皇位継承者となる。