これは北海道のある路線の踏み切りで起きたことだ。
ある冬の寒い日、雪の降り積もる道を家へと急ぐ高校生ぐらいの少女の姿があった。
もう少し、あの踏み切りさえ渡れば暖かい家にたどり着ける。
それなのに無常にも彼女の目の前で警報機が鳴りだし、遮断機がゆっくりと下がりはじめた。
少女は家に早く帰りたい一心で警報機を無視し、半ばまで下がっていた遮断機をくぐり抜けると急いで踏み切りを渡ろうとした。
ところが、彼女は踏み切りの真ん中で雪に足をとられて転倒してしまったのだ。
なんとか起き上がろうともがいている彼女の目に、ゆっくりと踏み切りに進入してくる電車の姿が浮かび上がった…

「危ない!」
運転士が慌ててブレーキを踏む。
しかし、もう遅い。
路面が凍りかけていたことも手伝い、電車は踏み切りをはるかに超えてから停止した。
車掌と運転士は電車から飛び降りてすぐに踏切まで引き返す。
だが、そこにあったのは衝突の衝撃により無残にも上半身と下半身が切断され、離れ離れに転がった少女の死体であった。
「これは酷い・・・」