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唯「天上のノモス!」

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0001以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/18(金) 01:22:55.73ID:7A3qvQVI0
ノモス(νόμος,nomos)→一定の集団(集合)における秩序、
           およびその秩序が保たれている状態。


−2009年 12月16日 琴吹邸

唯「重いよぉ〜」

律「もっと腰を入れろ腰をっ!!はっ!」
0122以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/18(金) 23:24:46.73ID:puF+8G04O
津軽だと
0123以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/18(金) 23:31:25.72ID:7A3qvQVI0
『動物はその体格が大きくなるほどに、多くの栄養を必要とし、
 不要とされたより多くの排泄物を体外に捨て去る。』

『同じように、あの子の一族の富を糧に生きるものも多いけれど、
 その分だけ、あの子の一族に起因する悪のために苦しむ者達も多い。』

『人間は汚れている、と考えたモノから目をそらそうとする。
 これを虐待し、遠く離れたままにしておこうとするの。』

『あなたの生きるこの時代は、人間の歴史のなかで
 最も、それが極大化している時代よ。』

『さて。』

『…今日はここまで。』
0124以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/18(金) 23:39:10.53ID:7A3qvQVI0
『ゆい、よくよく考えなさい。』

唯「…」

唯は黙ったまま。

『ふふ…大丈夫よ、ゆい。あなたは、結晶のような意志を持ち
 その意志のもと、透徹した直感を持っているのだから。』
0125以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/18(金) 23:46:16.33ID:7A3qvQVI0
そう言い終えると精霊は樹の中へとかえっていった。

精霊が描いた軌跡の残り香を見つめる唯。

唯「わたしも、たくさんの人を、苦しめてきた…のかな…」

そう独り言つ。

京都の冬はまだまだずっと、寒くなるはず。
0126以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/18(金) 23:54:37.85ID:7A3qvQVI0
翌日 12月18日 19時 琴吹家食堂

一同は食堂に会して夕食を摂っている。
今回は紬の父も同席している。

律(しかしまあ、親子で立派な眉毛ですこと…)

律は盗み見るように、琴吹父と琴吹娘の額あたりを見比べる。
紬の父も、それはそれは太い眉毛(ただし毛色は黒色だが)を持っている。
まるで、ぶっとく海苔を切り取って貼り付けたかのよう。
0127以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 00:01:52.29ID:7A3qvQVI0
紬父「ん?田井中くん、やはり私の眉毛が気になるかな?」

律(しまった…!)

律「え、あ、ああ、いやぁ…ハハハハハハ…」

笑ってごまかそうとする律。

梓(これだから…)

ため息をつく梓。
0128以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 00:09:19.52ID:CeVfSM5f0
紬父「まあ、琴吹家と言えば眉毛!と言われるくらいだからね。」

紬父「着脱可能だと誤解されることもあるぐらいなんだよ?」

紬母「まあ、あなたったら♪」

紬の父は、にこやかに笑いながらそう言う。
やはり彼もどことなく、紬と同じ優しい雰囲気を漂わせている。

唯「あの、ムギちゃんのお父さん…」

唯が唐突に口を開く。
0129以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 00:17:25.32ID:CeVfSM5f0
紬父「うん?なにかな、平沢くん?」

紬の父は、唯に顔を向ける。

唯は上座に座る紬の父の斜め左奥、
紬や律とテーブルを挟んで対面する形に座っている。
唯の両隣には憂と梓がいる。

唯「あの、聞きたいことがあるんです、けど…」

紬父「言ってみなさい、平沢くん。」

優しく微笑みかける紬の父。
0130以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 00:25:31.72ID:CeVfSM5f0
唯「ムギちゃんのお父さんが、会社の社員の人たちの幸せのために、
  心がけていることって、何なんですか?」

律(ん?唯らしからぬ真面目な…)

律は訝しげに唯を見やる。

紬父「ふむ…」

視線を天上に吊るされたシャンデリア状の照明に向け、
数秒、何事かへと考えを向ける、紬の父。
0131以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 00:28:48.97ID:Uui4qy2v0
支援
0132以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 00:35:48.54ID:CeVfSM5f0
紬父「たくさんあり過ぎるけれど…」

視線を唯へもどし、真面目な、しかし柔らかな目持ちで答える。

紬父「そのうちで最も大切だと私が考えることは…」

紬父「私が判断と決定う場合に、最高度の内容と速さを持って、
   この二つを行うこと、かな。」

紬父「これが、リスクを回避する上で最も重要なこと、
   と考えているね。」
0133以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 00:49:04.57ID:CeVfSM5f0
唯「…」

実を言うと、紬の父の回答は、唯にはよく理解できなかった。
『状況判断と命令』の重要性を、まだ年若い唯は、
現実味を持って捉えることができないのだ。

紬父「例えばだ、ある人が心臓発作で倒れたとしよう。」

唯がうまく反芻できていないことを悟り、紬の父はこう続ける。
0134以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 00:58:55.86ID:CeVfSM5f0
紬父「そして救急車を呼び、救急隊員が来るまで応急手当を行って
   その患者を病院まで搬送する。」

紬父「脳内出血や心臓発作から生還する可能性は、
   時間との格闘だ、ということはわかるね。」

コクリ、と唯は首肯する。

紬父「それに、応急処置や救急隊員の処置が不味いものであった場合にも、
   あたりまえだが、患者の命はそれだけ危険にさらされる。」

紬父「企業を運営管理することも、これと同じ、ということになるね。」

唯「あ、そっか…」

唯は合点がいったようで、ふんふん、と頭を少し揺らす。
0135以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 01:06:15.52ID:CeVfSM5f0
そのとき−

コンコン。

食堂の扉がノックされる音がする。
扉の脇に控えていたメイドがゆっくりと扉を開ける。

「失礼します。」

スーツ姿の女性が入室してくる。
すらりとした長身、肌は白く細かく、長い銀髪を有している。
黒ふちの細長い眼鏡をかけ、
片手にブリーフケースのようなものを持つ。
二十代、ということはわかるが、正確な年齢の推定は難しい。
0136以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 01:08:26.66ID:HoC6ZvDcO
支援
0137以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 01:15:07.71ID:CeVfSM5f0
唯(すっごいキレーな人…)

銀髪の女性の容姿に、うっとりとする唯。
となりの憂のほうから、ギチギチギチ、
と歯軋りする音が聞こえる。

律(ムギよ、随分とまー美人なおねーさんだな…)

律が隣の紬にそう囁く。

紬(でしょう?『白銀(しろがね) ありす』さんって、あの若さで
 お父さん直属の秘書室長をなさっているの。)

律(ありす??変な名前ぇ。)
0138以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 01:30:15.32ID:CeVfSM5f0
梓(おっきなおっぱい…)

梓は、スカッスカッ、と自分の胸の前で両手を動かす、

銀髪の女性は、紬の父の側面に立ち何事かを報告している。

紬父「了解した、食事が終わり次第向おう。」

報告が終わると、銀髪の女性は紬の母と紬のほうへ一礼する。

その直後、銀髪の女性が面をあげたとき、
唯の視線と女性のそれが交差した。

ほんの一瞬、女性の、薄紫の瞳が唯の瞳を射る。

唯「??」

そして、何事も無かったように、女性は扉へと向かい
食堂から退出していった。
0139以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 01:43:23.76ID:CeVfSM5f0
18日の夜は、あの精霊は唯の前に姿を現さなかった。
そして日が替わる。

12月19日9時 和の家 玄関

和「いらっしゃい、あがってちょうだい。」

唯「お邪魔しまーす。」

律(いやぁ、今朝までムギんちだったからカルチャーショックだわ。)

律は和の家を見つつ、そう思う。
0140以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 01:51:06.99ID:CeVfSM5f0
梓「唯先輩のおうちからホントに近いところにあるんですね。」

和「そうね、スープの冷めない距離ってやつかしら。」

律「つまり、それだけ色々と唯に
  迷惑をかけられて来たわけだな、和は。」

唯「りっちゃんひっどーい!!」

律「ザリガニ事件聞いた時はさすがに引いたぞ…」

唯「あ、あれはぁぁ…///」
0141以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 01:59:22.85ID:CeVfSM5f0
和「あのザリガニたちには悪いことしたわね…
  唯、後でお墓参りしなさいよ。」

唯「はーい…」

梓「お墓??」

憂「結局全部死んじゃって、和さんの家の裏手に埋めてあげたの。」

和「故381匹のためのザリガニ塚よ。」

律「そ、そいつはまた…」
0142以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 02:11:19.62ID:CeVfSM5f0
−和の部屋−

律「…てわけ。」

和「そう、そんなことがあったの…」

紬の家での、唯と紬の禅問答のことを、和に教える律。

和「まあ、昔から唯には,譲れないこだわりのようなものがあって…」

和「それが原因で、周りを巻き込んでの大騒動も何度か経験したけれど…」
0143以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 02:19:23.19ID:Uui4qy2v0
結局これなんの話なの・・・
0144以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 02:22:15.86ID:CeVfSM5f0
和「それも唯の一部だから、」

和「唯には、そのこだわりを捨てて欲しくないわ。」

唯「和ちゃん…」

梓(軽音部の人たちとの絆とは、また違った…)

憂(和さんには、敵わないな…)
0145以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 03:06:26.69ID:Uui4qy2v0
支援ねたか
0146以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 03:15:55.70ID:OpgdMB/5O
目的は何なんだ?
0147以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 04:03:32.71ID:lWDymd3N0
堀江さんで地味に吹いた
0148以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 05:09:09.82ID:lWDymd3N0
堀江保守
0149以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 06:25:19.06ID:lWDymd3N0
堀江
0150以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 08:49:16.71ID:DLmdKvOlO
ゆいー
0151以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 09:49:56.80ID:HoC6ZvDcO
終着点が良く分からんけど面白い保守
0152以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 10:31:08.36ID:Uui4qy2v0
支援
0153以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 10:44:48.10ID:CeVfSM5f0
すまねかった、ねまった
0154以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 10:51:19.87ID:CeVfSM5f0
12日19日 深夜 真鍋家裏手 "ザリガニ塚"前

真鍋家の裏手、同家に面した道路からは全く見えないところに
"ザリガニ"塚はあった。
見た目はまさに『金魚のお墓』のそれ。
こんもりとした小丘の上に漬物石のようなものが置かれていた。
ここに381匹の遺体が眠る。

ザリガニのお墓の前に立つ唯。
パジャマ姿にカーディガンを羽織っただけ。
見た目からして非常に寒そうだ。
0155以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 10:58:48.47ID:CeVfSM5f0
目前の墓もまた、己の悪の結実である−

『これが沼海老のお墓?』

あの精霊の声だ。
いつのまにか唯のすぐ横、肩ぐらいの高さをふよふよ、と浮遊している。

唯「沼海老??ザリガニだよ?」

唯もこの奇妙な存在にすっかり慣れてしまったようだ。

『ようするに湖沼に生息する海老の一種でしょう??』
0156以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 11:05:54.12ID:CeVfSM5f0
唯「あ、そうか…」

『まあ、いいわ。』

『あなたたちアジアの人たちは殺生を、
 ヨーロッパの人間とは別の形で忌むものね。』

『アジア人は怖れから、ヨーロッパ人は仮象の愛から。』

『一般化し過ぎかもしれないけれど…』
0157以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 11:11:24.64ID:CeVfSM5f0
『ゆい、≪カルマ≫って知っている?』

『カルマ??』

首をひねる唯。

『生き物の行為は、その生き物自身のうちに蓄積されて、
 物事の原因の一つになり、その人の来世や子孫に
 様々な影響を与える。』

『簡単に言えばそんなところかしら。』

『ずっと昔、インドで発明された考え方よ。』
0158以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 11:18:18.85ID:CeVfSM5f0
『因果応報ないし因報果報っていう言葉は
 聞いたことがあるでしょう?』

唯「うん。」

『因果応報もカルマの存在が、
 そのプロセスのうちにある、と考えられてきたのだわ。』

『でも、可笑しなものね。カルマをそういった原因として見ても、
 人間は、自分にこびりついたカルマを全て認識することなど
 できないはずでしょうに。』

唯「?」

唯は再び首をかしげる。
0159以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 11:29:40.89ID:CeVfSM5f0
『原因があるから結果が生まれる。
 ある結果には必ずそれに応じた原因がある。』

『原因論とか因果論とかもいわれる、古くからある考え方。』

『たとえば、ゆい、あなたのご両親がいるから、
 あなたは今、生きている。そうよね?』

唯「あたりまえ、だよね?」

『ええ、そうよ。』
0160以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 11:35:02.71ID:CeVfSM5f0
『カルマも、人間の身に生じる結果の一原因、ということ。』

『そして、ある人間が持っているカルマのうち、そのほとんどは
 その人間に知られていない、と考えられるわ。』

『例えば、もし前世があるとするならば…
 ゆい、あなたは前世のことを覚えている?』

唯「ぜーんぜん。本当にあるのかなあ…」

『さあ、それは私にもわからないのだわ。』
0161以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 11:41:00.81ID:CeVfSM5f0
『そして、あなたのご先祖様たち、彼らが生まれてから死ぬまで
 何をおこなってきたか、を全て把握することはできないでしょう?』

唯「昔のことなんて、わかるはずないんじゃない?」

『そう、そのとおりね。だから…』

『沼海老を381匹死なせるよりも、もっと残酷なこと、
 あなたが残酷と考えるようなね、
 そのようなことを、あなたのご先祖様が行っていたかもしれない。』

唯「…」

唯は嫌な予感がした。
0162以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 11:48:09.70ID:CeVfSM5f0
『まあ、カルマも人間が考えだしたものだから。
 信じる信じないも、参考にするしないも、あなたの勝手。』

『私が今したお話は、その381匹の沼海老を思うあなたへの手向け。』
 
『…そしてこれから、あなたが知るであろう悪に備えるための、前準備。』

『今日はここまで。』

『明日もこの時間、ここに来なさい。』

『そして、人間の絆についてのお話をしましょう。』
0163以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 11:56:10.04ID:CeVfSM5f0
そう言い終えると、紅い光球は上昇し、どこぞへと飛んでいった。

唯「…」

唯「ブルッ…」

精霊が消えると、はじめて、外気の冷たさを覚える唯。

唯「気がつかなかったけど、精霊さんといっしょだと
  ぜんぜん寒くなかったんだなぁ…」
0164以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 12:01:45.84ID:CeVfSM5f0
唯「…」

再び唯の胸奥に、さきほど感じた不安感、の名残が意識される。

唯「そういえば、なん、なんだろう…?」

この不安感がはっきりとした形をとるのは
もう少し先のことになるはず。
0165以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 12:11:56.43ID:CeVfSM5f0
翌12月20日 正午過ぎ

唯と律は和とともに、アルバムをらしきものを眺めている。

律「へー、和はこのころはまだ眼鏡をかけてなかったんだな。
  コンタクトにはしないんか?」

和「眼鏡のほうが色々と便利なのよ。
  コンタクトは手間がかかるし、安全性にも問題があるわ。」

唯「だいじょぶだいじょぶ!
  和ちゃんは眼鏡かけても、コンタクトでも
  どっちにしろすっごい美人さんだから!」
0166以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 12:21:22.04ID:CeVfSM5f0
和「唯ったら…はぁ…」

憂「2ab…+(a-…」

梓(先輩達、和先輩の家に来てから、ぜんぜん勉強してない…)

梓「ふぅ…」

和(梓、呆れてるわね…)

和(まあ、澪がスパルタでやるだろうから、
  明日まではいわば中休みよ…)
0167以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 12:27:41.80ID:CeVfSM5f0
律「ん…?」

律が何事かに気づく。

律「唯と和が移っている写真にはどれにもこれにも
  な、ぜ、か…憂ちゃんも写ってるよな?」 

憂「ピクッ…」

和「律、正確にはそうじゃないわ。
  唯の写っている写真には必ず、よ。」
0168以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 12:31:12.68ID:Qvay/UC/0
神学上の話に詳しいのはわかるが、読者を無視しすぎワロタ。
0169以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 12:32:16.11ID:CeVfSM5f0
憂「汗…」

律「おいおい…これなんて調理実習の写真だよな、
  奥の窓側、見切れてるポニーテール後姿…」

唯「あっ、ホントだ!」

和「今まで気付かなかったわ…」

憂「だ、だって…」

憂がはじめて口をひらく。
0170以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 12:39:17.72ID:CeVfSM5f0
憂「お姉ちゃんが怪我したり火傷したりしないか、心配で…」

唯「うい…」

和「憂、このときの授業、さぼったの?」

憂「は、はぃ…保健室に行くって言って…」

梓「唯先輩と憂は、昔からずっとそんな感じなんですか?」

和「ええ。物心ついた時から今の今までね…」
0171以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 12:44:37.65ID:CeVfSM5f0
和「でも、まあ、姉妹中が悪いよりは、よっぽどね。」

和「唯を甘やかすのを今の三分の一ぐらいにすれば、
  ちょうど良い按配になるかもしれないわ。」

憂「で、できるかぎり善処します…」

唯「むむぅ…」

律(多分無理だろ…)
0172以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 12:49:24.84ID:CeVfSM5f0
そして−

再び紅い光との邂逅。

『ゆい、あなたたち姉妹は…』

『本当に仲が良いのね。』

唯「へへ…///」

『羨ましいわ…』

精霊の声音が少し暗くなる。
0173以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 12:59:16.62ID:CeVfSM5f0
『愛、というものに一括りされること。』

『これは人間の生が充実するために、
 甚大な割合を占めるのと同時に…』

『これほどまた、当てにならないものもない、
 と考えられてきたわ。』

『人間と人間を結びつける紐帯。』

『同朋意識、家族愛、友情、友愛、忠義、性愛…』

『もっと数多くあり、もっと細かくも分類できるけれど…』
0174以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 13:09:05.13ID:CeVfSM5f0
『感情と強く結びついているこれらは、
 悪を減少させもし、増大させもする。』

『鞴(ふいご)から送られる風が、
 良き鋼と悪き鋼の母であるように、ね。』

『そのため人間は、指導的な原理、
 人間の性質の中でも、最も高尚かつ有意とされる原理を作り出したわ。』

『それはまずは知性としてあらわれ、それは理性として分たれ、
 能動的な、人間が持つ他の性質を統御するものとされた。』
0175以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 13:15:36.61ID:CeVfSM5f0
『ある人間は、感情と理性の関係やバランスを微妙さを説いた。』

『ある人間は、理性の原理の元に壮大な≪倫理の宮殿≫を作り上げた。』

『ある人間は、人間の歴史の背後に理性を見、
 つまり物事の形成の根源であると考えた。』

『そして、多く、神との関係で語られてきた。』
0176以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 13:23:00.37ID:CeVfSM5f0
『絆を作り上げるものと、これをコントロールするもの。』

『人間の絆は深妙なバランス、均衡のもとにあるわ。』

『町々を潤す大河は、町々を滅ぼす龍にもなりかねない。』

『だけれど、心のうちに、愛する人との間に、
 それを持っていたい、と願うもの。』
0177以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 13:25:36.46ID:CeVfSM5f0
『ゆい、良い絆を求めなさい。』

唯「よいきずな?」

『ええ。』

『あなたは良い絆に恵まれすぎているから。』

『それが当たり前のことになっている。』
0178以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 13:29:33.32ID:CeVfSM5f0
『けれど、あなたほど良い絆を持っている人は、そう、いないわ。』

『だからこそ、意識して良い絆を求めなさい。』

『それが、悪を抑える近道の一つになるの。』

唯「…」

自分は、恵まれているのだろうか?
0179以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 13:32:17.87ID:CeVfSM5f0
『さて、次からは本題に入るわ。』

『悪の繁殖、悪を抑えること、そしてー』

『天上のノモスについて。』

『だからこそ、今は眠り、今日の疲れを癒しなさい。』

『≪眠りこそ最大の癒し≫だから。』
0180以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 13:39:12.64ID:CeVfSM5f0
結局、和のもとでの三日間は、ほとんど碌に、
勉強に対して費やされなかった。

そして−

12月22日 秋山家居間

澪「Our nation is at war, against a far-reaching
  network of violence and hatred!」

律「ア、アウア ネーション アト ワー アゲンスト…」

澪「声が小さいっ!」

唯「ひぃぃぃ…」
0181以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 13:45:12.27ID:CeVfSM5f0
律(舌が痛てぇ…)

澪「次、唯!訳してみろ!」

唯「わたしたちのネーションは戦争です、
  ヴァイオレンスとヘイトレッドのファーリーチングなつながりに対して…」

澪「ぜんぜっん駄目だっ!」

澪「いいか、この箇所はだな、
  オバマ大統領の国際的テロに対する…」
0182以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 13:52:06.35ID:CeVfSM5f0
澪「まるまるうまうま…
  あーだこうだあーだこうだ…」

唯「うぅぅぅ…」

律(これは時間がかかりそうだ…)

律「ん?あれは…」

居間の一角に目を向ける律。

一方の梓は、

梓(澪先輩は恋愛と仕事にのめり込みすぎて
  破滅するタイプかも。)

などと思っている。
0183以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 13:53:58.17ID:CeVfSM5f0
床屋さいってくるはんで、

量的に、あと少しで終わり
0184以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 14:25:16.51ID:HoC6ZvDcO
あげ
0185以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 14:51:30.26ID:DLmdKvOlO
あげ
0186以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 15:25:06.71ID:lWDymd3N0
天井の野茂ッス
0187以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 16:10:21.68ID:lWDymd3N0
堀江野茂ッス
0188以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 16:12:18.54ID:kDSuwlYcO
津軽弁wwwwwww青森かwwwwwwwww
0189以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 16:19:45.35ID:DLmdKvOlO
あたなや
0190以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 16:55:33.88ID:CeVfSM5f0
律「ゆい、ゆい!」

唯「なあにぃ?」

律「上野介覚悟ぉぉぉぉ!!」

律は抜き身の細長い剣を両手に持ち、唯に飛びかかるようにポーズをとる。
どこから持ち出してきたのだろうか?

唯「内匠頭殿ッ!乱心めされたかあー!」

律「てぃや… 澪「おい。」
0191以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 17:02:44.36ID:CeVfSM5f0
澪から桁外れのプレッシャーを感じる。

澪「ひいお祖父ちゃんの指揮刀で遊ぶなって…」

澪「昔から言ってるだろぅ!!」

ゴツン!

律の脳天に拳骨がおちる。

律「いだっ!!…いだひぃ…」
0192以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 17:09:51.05ID:CeVfSM5f0
澪「まったく…お前は本当に…」

律から指揮刀、つまりサーベルを取り上げ、
近くに落ちていた鞘に刀身を収める。

サーベルは全長90cmくらいだ。
柄には金メッキがかけられており、何かの花を模した意匠が施されている。
鞘は鉄製の簡素なもの。

澪「本当に罰あたりな…」

澪はサーベルを両手で水平に持つと、居間の隅の、違い棚にある木箱中に収める。
0193以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 17:15:31.65ID:CeVfSM5f0
律「だってよぉ…澪が勉強勉強… 澪「私はお前たち二人のことを思  
  ってそうしてるんだ!!」

澪「いいか、バラク(オバマ大統領のことらしい)はな、
  ハワイ時代に少しグレかかった事があったらしい。
  だけれど、彼はそれを乗り越え、真面目に日々…」

唯「澪ちゃん、澪ちゃん。」

澪「ん?なんだ、唯??」
0194以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 17:18:28.09ID:CeVfSM5f0
唯「澪ちゃんのひいお祖父さんってさ、軍人さんだったの」

澪「あ、ああ、そうだぞ。」

律「こいつんちは先祖代々軍人家系だぜ。
  だからこんなに凶暴に育…」

ゴチンッ!!

律に再び鉄拳が降り注ぐ。

律「ひいぃぃ…」

澪「たく、本当に…」
0195以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 17:25:30.34ID:CeVfSM5f0
梓「なんか、かっこよさげですね…」

澪「かっこいい、か。でも、お祖父ちゃんやパパの話では、
  色々と大変なことがあったらしいよ。」

唯「大変なこと??」

澪「具体的にどういうことがあったのかは知らないけど…」

澪「指揮官に任された権限は、大変大きなものだから、
  小さな間違いすら、『致命的な惨事』を引き起こすもとになるんだって。」

唯は紬の父親の話を思い出す。
0196以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 17:29:32.37ID:CeVfSM5f0
澪「それに、ひいお祖父ちゃんは生きて帰ってこれたけれど、
  そうじゃなかった方々もたくさんいらっしゃるから…」

澪はそう言うと、いつになく真剣な顔になる。
澪の表情に見惚れてしまう律と梓。

梓(…////)

律(はっ…いかんいかん…クールにクールに…)
0197以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 17:36:09.52ID:CeVfSM5f0
律「と、純和風少女っぽい澪もクリスマスは祝うんだよなぁ。」

澪「わっ、悪かったな…////」

澪「っと、もうこんな時間か。とりあえずお風呂を沸かすから、順番に入ってくれ。」

律「一緒に…入る…////?」

澪「ばっ…!?そういうのをやめろって言ってるんだ!!」

唯は呟く。

唯「クリスマス…」

紬の家の、クリスマスツリーの装飾はすでに完成している。
しかし、あの木は、『生命の樹』という不可思議な…
0198以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 17:47:05.67ID:CeVfSM5f0
『ふふ…。ゆい、来たわね。』

深夜、秋山家の居間。澪が曽祖父の指揮刀を収めた違い棚の前。
紅い光球が浮かんでいた。その輝きで、部屋の中を仄かに照らす。

『あの黒髪の子の家は代々、高位の軍人の家みたいね。』

唯「うん、そうみたい。ムギちゃんちもそうだったけど、
  ウチみたいなフツーの家とは大違いだね。」

『そんなことはないわ。あなたのご先祖様にも何人か軍人がいたわよ。
 下士官や兵卒だったようだけれど。』
0199以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 17:53:27.13ID:CeVfSM5f0
唯「え?」

『その人間の魂の、いろ・かたちを見れば…数代前の先祖達が
 どのような人物だったかくらいは読み取れるもの。』

『だから、これから話すことのために、
 あなたのご先祖を例にとらせてもらうわね。』

『ふぅ…』

精霊は一息つく。

『あの黒髪の子の先祖の中には、少なくとも、ここ百年五十年、
 人を殺めた人間はいないわ。』

『士官、つまり将校の職務は基本的に、
 実際の戦闘を行うことではなく、その指揮と上位指揮官の補佐。』
0200以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 18:01:02.57ID:CeVfSM5f0
『そして…よく聞きなさい。』

『ゆい、あなたの曽祖父の一人は、兵卒及び下士官として、
 約四十人ほどの人間の命を奪ったわ。』

『そのうちの半数はその武器で、もう半数は敵艦を撃沈させたことによるもの。』

唯「え…」

唯の両目が驚きで見開かれる。

唯「うそ…」

唯は曽祖父四人全員と面識はなく、どのような人物だったかも全く知らない。
だから、このうちの誰のことについて言われているのかすら、わからない。
0201以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 18:08:32.82ID:CeVfSM5f0
『国や民族のための殺人は、古来から、名誉なことだと考えられてきたけれど…』

『しかし、殺人であることに変わりはないわ。』

『これをどう考えるかはあなた次第。』

『だけれど、国と呼ばれるもの、企業と呼ばれるもの、
 教団と呼ばれるもの…もっと数多くあるわ。』

『つまり共同体と呼ばれるものは、その構成員に対して、
 ある一定の価値を持つことを要求し、
 それを拒否するものには、ひどいときには無理にこれを強制する。』
0202以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 18:18:58.02ID:CeVfSM5f0
『私は前に言ったわね、個人の目的が集団の目的に束ねられるとき、
 そのときに起こる悪のことを。』

『個人の目的が集団の目的の一束とされるのは、
 それが良きことを生み出すから。』

『その一方で、人間は悪や不幸、つまり厭わしいものと
 無関係ではありえない。』

唯は虚空を見つめたまま。
0203以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 18:21:00.48ID:CeVfSM5f0
『そして…』

『悪を抑制する方法は、≪否定≫であったわ。ずっと、ずっと…ね。』

『進歩や啓蒙は、いわば、否定のもとの飛躍。』

『素晴らしい腕持つ匠が、木片を削り取ることによって
 神々の像を生み出すように、ね。』

『しかし、これは邪魔な者の排除にも至りえる。』

『これを十全に認識しなかったために、前世紀の多くの指導者が
 恐ろしい悲惨を作り出してしまった。』
0204以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 18:26:04.67ID:lWDymd3N0
支援。
なんか話が難しくってよく分からないけど見てる
0205以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 18:29:53.14ID:Uui4qy2v0
難しい以前に元ネタなんだよ、それくらい言ってくれてもいいんじゃないかと
0206以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 18:32:05.08ID:CeVfSM5f0
『大地のノモスには限界がある。』

『ここ数百年来、人間は、大地のノモスを精緻してきたわ。』

『法、及びそれに定められた制度という一種の機械の精密化のこと。
 そして、それらを受け入れえる人間を作り出すこと。』

唯「…」

唯は言葉を発せぬまま。

『ゆい、あなたが、曽祖父の行為を受け止めることは必要かもしれないけれど、
 そのために、あなたが罰をうける必要性は全くないわ。』

『明日、≪天空のノモス≫について教えましょう。』

『そして≪生命の実≫をその手に取るかどうか…』

『ゆい、あなたが決めなさい。』
0207以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 18:32:07.95ID:HoC6ZvDcO
センターレベルでしか倫理の勉強してなかったけど一応理解出来る支援
0208以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 18:33:39.45ID:8H5e/BLM0
ノモス センター メガテン
0209以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 18:38:25.23ID:CeVfSM5f0
か、ちゃ…

澪「ん?」

ドアの開く音で澪は目を覚ます。

唯が部屋に戻ってくるのが、うっすらとわかる。

澪「唯、トイレ…か?」

唯「…」

唯は答えない。
0210以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 18:41:21.33ID:CeVfSM5f0
唯はそのまま、澪のベッドの横にしかれた布団に
頭まですっぽりと包まってしまう。

澪「唯?」

唯は答えない。
0211以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 18:42:47.39ID:+K0r2ebL0
澪の先祖は秋山繋がりか

なんか澪ちゃんだと髪型古風だからそれっぽさがある
0212以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 18:47:26.68ID:CeVfSM5f0
翌日の唯も口数は少ないままだった。

澪が律にそのことについて漏らす。

律「ここ一週間ぐらい、
  様子がおかしいといえばそうだったような…」

澪「悩み、かな?」

律「かもな…」

律「よし!」
0213以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 18:56:24.19ID:CeVfSM5f0
唯は秋山家の縁側で、ぼーっと空を眺めている。

唯「ふぅ…」

律「よっこらしょっと、な。」

唯の横に腰を下ろす律。

律「唯よ…」

律が突然、そう切り出す。

律「オトコか?」

唯「…」

唯「え…?」
0214以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 18:58:28.24ID:CeVfSM5f0
律「成績か?友達か?ギターの技量のことか?」

唯「えっとね…話がよくわかんない…」

律「あーー!!もうっ!!」

律「最近お前がおかしいから、それについて心配してんだよ!!」

ぶっちゃける律。
0215以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 19:05:09.97ID:CeVfSM5f0
唯「!!」

唯「そっか…」

唯は律に顔を向ける。

唯「わたし、自分ことばっかり考えてたね。」

律「は、はい??」

唯「うん。」

律「唯さん??」

唯「うん、うん。」

律「…」
0216以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 19:11:14.92ID:CeVfSM5f0
そして、日は落ち宵闇の中−

唯「天上のノモス−」

唯「教えてくれる…?」

『ええ、そのつもりよ。』

『…聞きなさい。』
0217以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 19:15:08.65ID:CeVfSM5f0
『明後日はクリスマス。イエスの誕生日とされた日。』

『≪救世主の心持つ皇帝≫という造語があるわ。』

『地上の神、とでも言えばよいのかしら。つまり…』

『人間の進歩ないし進化をいっそう進めることによって、
 人間の社会がましなものになる、ということだけれど…』

『これがもし実現するというのなら、いったいどのくらいの人間が
 そのための人柱にならなければならないんでしょう?』
0218以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 19:18:44.99ID:HoC6ZvDcO
支援
0219以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 19:22:01.04ID:CeVfSM5f0
『≪天上のノモス≫は、大地からの飛翔では無いし、
 また、大地を這うことが悪しきことでもない。』

『≪天上のノモス≫は、数数多(あまた)における調和。
 天上の音楽のこと。』

『楽器を演奏するあなたならわかるでしょう?
 多くの音源と声音が一つの楽曲を形作る。』

『ある楽器とある楽器の音と音の結びつき。
 あるフレーズと別のフレーズの結びつき。』

『変奏、変調さえも楽曲の調和の材料となる。』
0220以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 19:28:13.08ID:+K0r2ebL0
これって元ネタメガテンなの?
0221以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 19:30:36.77ID:CeVfSM5f0
『狂おしいほどの生の追求によっても、理性の冷徹な支配によっても、
 悪は克服されない。
 悪を迷信としたり、認識的な間違いとしたりすることは
 結局、遠近法的な逃避でしかない。』

『ゆい、ムーサとなり調和のために尽くしてごらんなさい。』

唯「私に、できるかな…」

『難しいことではないわ。あなたの人生の実現のうちで調和を進めなさい。
 何事においても最大の困難は、継続することにまつわる困難よ。』

『自然が隠れることを好み永遠に流転するけれど…』

『調和もまた、永遠に自然の諸物を他の諸物と結びつけることでしょう。』
0222以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2009/12/19(土) 19:32:33.75ID:Uui4qy2v0
>>220作者何も言わないしわかんね
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