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訪日外国人の増加とともに被害が急増している南京虫。部屋の隅などで繁殖する(一般社団法人大阪府ペストコントロール協会提供)
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訪日外国人の増加とともに被害が急増している南京虫。最近は殺虫剤が効きにくい「スーパー南京虫」が横行している(一般社団法人大阪府ペストコントロール協会提供)
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春節休暇で続々と来日した外国人観光客。ひょっとしたら、南京虫を連れているのかもしれない=関西国際空港
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外国人観光客でにぎわう関西国際空港。もしかしたら、南京虫もやってきているのかも…
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 昭和50年前後に制圧されたはずの南京虫(なんきんむし)=トコジラミ=が、大発生の兆しを見せている。しかも、市販の殺虫剤が効きにくい「スーパー南京虫」というからタチが悪い。
大阪や東京などの都市部を中心に民家や宿泊施設で被害が確認されており、被害に遭った宿泊客が施設を相手に訴訟を起こすケースも。
南京虫は中国南部などにも多く分布し、訪日外国人の増加とリンクして相談件数が増えていることから、関連を指摘する専門家もいる。「爆買い特需」にわく宿泊業界は、とんだ“置き土産”に戦々恐々だ。(吉村剛史)

訪日外国人の増加に伴って…

 戦後の生活環境の改善などに伴って、日本や先進諸国では40年ほど前にほぼ制圧されたはずの南京虫。いったい、なぜこんなに増殖しているのか−。

 「訪日外国人の増加に比例して、再び国内で南京虫に関する相談件数が増えてきた」

 大阪府の担当職員はこう分析し、警戒感を強める。

 ここ数年、府下の保健所に南京虫に関する相談が増加している。平成18年度はわずか10件だったが、24年度に158件に増加。26年度にはさらに増えて267件にまでなっている。

 こうした傾向は、大阪だけでなく、東京をはじめとした全国に広がっている。

 最近、増殖が確認されている南京虫は市販のピレスロイド系殺虫剤に対する耐性がつき、「スーパー南京虫」とも呼ばれる。
殺虫剤メーカーの大日本除虫菊(大阪市)の広報担当者は「薬剤抵抗性種(スーパー南京虫)を駆除するには、高熱蒸気などを利用するか、業者専用の有機リン系の殺虫剤を使うのが効果的な方法」と説明する。

 政府観光局によると、円安やビザ発給要件の緩和などにより、25年に初めて訪日外国人が1千万人を突破。27年には2千万人にも迫る勢いを見せたが、それに伴って南京虫の相談件数も飛躍的に増加している。

 特に中国からの訪日客は昨年、国・地域別で1位となり、「爆買いマネー」が飛び交った時期とも符号する。ある専門家は「あくまでも推論だが、中国からの訪日観光客や往来の増加との関連を疑う声もあるほどだ」と指摘する。

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>>2以降に続く)