
警察庁 取り調べ技術の教本作成
えん罪などを生む不適切な取り調べが問題となる一方で取り調べの経験が豊富な警察官が大量に退職するなか、警察庁は、取り調べの技術を体系的にまとめた教本を初めて作成し、警察学校などで活用することになりました。
警察の取り調べを巡っては、いわゆる団塊の世代の大量退職で若手を指導する人材が不足しているうえ、えん罪などを生む不適切な取り調べも問題になっており、技術をどう受け継ぐかが課題となっています。
こうしたなか、警察庁は心理学の手法を取り入れて、取り調べの技術を体系的にまとめた教本を初めて作成しました。
この中では、取り調べの過程を準備、導入、聴取、確認の4つの段階に分け、容疑者などとの関係を築く会話の仕方や、できるだけ多くの情報を引き出すための質問の仕方などが紹介されています。
また、うその自白が生まれるメカニズムや、威圧的な取り調べが与える悪影響といった取り調べの注意点にも触れています。
取り調べの技術は、これまで主にベテランから若手の警察官に経験を通して伝えられてきましたが、こうした教本はありませんでした。
警察庁は「技術の伝承の機会が減っている分、教本で取り調べの基本を体系的に身につけてもらうことで能力の底上げを図りたい」としています。
教本は来年度から全国の警察学校などで活用されます
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121213/k10014157231000.html