原状回復訴え抗議 碑文削除問題で民団中国地方協

 鳥取県琴浦町が日韓友好交流公園「風の丘」の説明碑から「東海(トンヘ)」を削除した問題で二十七日、
中国五県の民団幹部が同町役場を訪れ、山下一郎副町長と福本宗敏議長に抗議文を手渡した。
原状回復を訴える民団側に対し、町は日本文のみに「日本海」を明記する最終案で押し通す方針を示している。

 各県の地方本部団長ら二十三人が町役場を訪れ、民団中国地方協議会の権五源(クォン・オーウォン)会長が山下副町長に抗議文を提出した。

 抗議文では、「呼称問題は日韓両国の懸案事項だが、地域交流の場に持ち込むのはなじまない」とし、
「『日本海』と『東海』の併記が日韓友好交流公園にふさわしい表記で、原状回復とより高い日韓交流の共通認識を共有する善後策を講じてほしい」と要望した。

 このあと意見交換会を開き、町側は、昨年の九月に鳥取市の市民や団体から「東海」表記について指摘があり、
田中満雄町長ら四人が協議して「日本海で十分」と判断し、削除した経過を説明した。

 民団からは「当初の行為(東海の削除)が軽率だったと言うなら、なぜ再々修正案を出すのか。削除行為と同じだ」
「右翼団体のプレッシャーで削ったのか」「議会ともう一度討論を」「呼称の問題ではない。国際交流を阻害してしまった」と厳しい抗議や質問が相次いだ。

 これに対し、山下副町長は「学校や保育園もあり、町民の不安や懸念が継続されてはならない。
(右翼団体に)屈するということはしないが、町の主役は町民であり、町民に影響が出ることは考えないといけない」と答えるにとどめた。

 意見交換を終え、山下副町長は「町として試行錯誤し、苦しみながら検討した結果なので理解をお願いしたい。議会も了承しているので、町としての方針は変えない」と話した。

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山下副町長に抗議文を手渡す権会長(右)=27日、琴浦町役場