女性セブン1月5日発売号からスタートした柴門ふみさんの描き下ろし連載漫画『恋する母たち』。そのあらすじは…。

 石渡杏(45才)は学生時代の先輩・慎吾(47才)と恋愛結婚。長男にも恵まれて、幸せな家庭生活を送っていた。だが、結婚8年目のある日、夫・慎吾が突然、ほかの女性と駆け落ち。杏は、その駆け落ちした女性の夫・斉木(40才)と2度の肉体関係を持ってしまう。それから10年が経った今も、夫は依然行方不明のまま。一方、高校生になった息子は、エリート男子高校に進学した。杏は、その保護者会で、蒲原まり(42才)と知り合って、いきなり「親友になろう」と言われる──。

 今回は、そんな『恋母』の読者でもあり、NHK連続テレビ小説『あさが来た』などを手掛けた脚本家の大森美香さんと柴門ふみさんとの対談が実現した。

大森:娘が今度、小学校にあがるんです。公立か私立かで迷ってます。

柴門:うちは、迷うことなく子供を公立に入れました。公立小学校でよかった。私が仕事で迎えに行けないときに、近所のママ友が迎えに行ってくれたり、いろいろ助けてもらいました。

大森:地区が同じというだけでもいいですよね。

柴門:おうちに預かってもらって迎えに行くこともありました。そうした利点があるんですよね、公立は。私立だと、友達の家に電車に乗って行かなきゃいけない。

大森:そういう世界観になっちゃいますよね。

柴門:そのまま中学校も公立でよかったんですが、中学校が荒れてる時代だったんです。親が「弘兼」という名前で本名なんで目立つんです。そのころ、お父さんが、テレビでコメンテーターをしてたこともあって(笑い)。それで、中学受験をさせて、私立になりました。小学校までは、和気あいあいとやってたんですけど、中学から不思議な世界でしたよ(笑い)。

大森:何で“不思議な世界”なんですか?

柴門:『恋母』でいうと、杏やまり以外のお母さんたちが登場してくるからです(笑い)。高校を卒業するまでは、大変でした。いろいろ、ほんとに。これは私の友達の話ですが、その人の子供が超名門私立中に行ったんです。ママ友と「ランチをしましょう」という話になって、その店のランチ代の平均が4500円だったんです。

大森:すごいリアルな話。

柴門:友達の給料じゃ、とても無理だったんです。お母さんは大変ですよね。ランチに行かないと、残ったママ友たちが「もうあの人を誘うのはやめましょう」と…。

大森:「来なくていいよね」ってなりますよね。「あの人はちょっと違うわよね」って。

柴門:「サラリーマンのご家庭みたいだから、やっぱり無理よね」みたいな話になっちゃうんですよね。そんなようなことが私の場合もたくさんあったんです。十何年以上かかって、そのママたちとの関係がいろいろ淘とう汰たされて、いろんなことを冷静に眺められるようになって、ようやく描けるようになったんですよ。それまでは、やっぱり、ちょっとまだ…。消化できなかったですね。いろいろありました(笑い)。

大森:なるほど。消化するまでは時間がかかりそうだ、確かに。

柴門:受験が絡むと大変ですよ、ほんとに。『東京ラブストーリー』を描いた1980年代後半は、恋愛にエネルギーの100%をぶつける女性が割といたんですよ。今はそれが、仕事の方に向いてるというのをすごく感じます。

大森:恋愛には消極的ですよね。もうひとりでいる方が楽というか…。40代の友達でまだ独身の子はたくさんいますけど、だいぶそういう積極性みたいなものはなくなったという気がします。

柴門:恋愛に積極的なアラフォーの女性もいっぱいいるんです。だけど、なかなか知り合う男性がいない。

大森:魅力的な美人な子が結構、独身で彼氏もいないんですよね。それでいて、不倫は多いらしいですね。

柴門:不倫は多いです(笑い)。

大森:すごい多いらしい。とても興味深いですよね。

※女性セブン2017年3月30日・4月6日号

http://news.livedoor.com/article/detail/12809327/