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ロリショタバトルロワイアル24

■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
0001創る名無しに見る名無し2009/06/14(日) 18:17:16ID:lSvAgYo/
本性を晒け出せ!
衝動をぶち撒けろ!
欲望を解き放て!
情熱を、燃やせ!



ここは真性の漢共(女性可)が集まり、
ジャンルを問わないロリショタキャラでバトルロワイアルを行う、
あまりにもCOOLなスレです。
紳士淑女の心を忘れず冷静に逝きましょう。

前スレ
ロリショタバトルロワイアル23
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1230413656/

テンプレ、過去ログは>>2-5辺に
ロリショタロワ避難所(したらば)
ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/12693/
LSロワお絵描き掲示板
ttp://oekaki2.basso.to/user11/hisou/
LSロワお絵かき掲示板2
ttp://bbs2.oebit.jp/LoliSyotaRowa/
まとめwiki
ttp://www25.atwiki.jp/loli-syota-rowa
0572死者を求めて ◇S4WDIYQkX.2010/02/19(金) 02:58:08ID:9SVaCZf8
一つ目はカードである。
効果はそのままカードに表記されていた。
リリスは首を傾げながら、それを使ってみた。
現れたのはリリスと同族にも思える、小悪魔の幻影だ。
幻影の小悪魔はリリスにパチリとウインクした。
それを見た瞬間、リリスの内から鮮烈な感覚が弾けた。

「ん……っ」

それは恐らく我を忘れる程の快感だったのだろう。
滂沱の涙を流し、噎び泣き、喘ぎ、体液を噴出させる程に強い快感だったはずだ。
麻薬の様に根深く心の中枢まで犯し尽くす、魔性の快楽であったはずだ。
ウインクを受けた者が人であれば、だが。

リリスは快感に身を震わせながらも、膝を崩す事も思考を鈍らせる事も無かった。
リリスは夢魔なのだから。
彼女に取って快感を得る行為は栄養の摂取に伴なう物であり、要するに味か食感のような物だ。
精気を伴わない中身の無い快感なんてノンカロリーで虚しいだけだった。
味はするのに何も食べた気がしない、ガムみたいな物である。
(『小悪魔のウインク』、かあ。どう使えばいいんだろ。
 何度でも出てきてくれるっていうけど、自分に使っても意味は無いよね。
 ……敵に使えば良いのかな?)
使えなくもないだろう。
カードを発動させてからウインクまでにタイムラグは有るけれど、
その間だってリリスが動けないわけではない。
ソウルフラッシュを遅く撃つように使えば、強力な牽制技として戦術に組み込めるはずだった。
しかし。
(でもこの位じゃ牽制にもならないよね)
すぐに、落胆と共にカードを仕舞い込んでしまった。

リリスが自分に使ってみた感想は『ちょっと驚く程度で大した物でもない』という所だ。
人間であれば完全に翻弄し動きも思考も止める事が出来るだろう事に気づかない。

増してやこの世界は外見判別で子供を集められた場所であり、
この感覚は肉体が成熟してからでなければ本来甘受できない感覚であり、
即ち幼くして苦難の人生を歩んだ者も、未成熟な肉体で永遠を生きる者さえも耐性の無い、
ほぼ全ての者にとって痛みの様に耐える事すら出来ない未体験の激感であった事に気づける筈もない。

小悪魔のウインクはハズレとして仕舞い込まれた。


もう一つは、黒鉄の銃だった。
替えの弾装やら何やらまで付いている。
早速壁に向けて引き金を引いてみた。
弾丸は入っているみたいなのに、何も起きない。

「……って、またおもちゃなの?」
この島に降り立った直後の繰り返しだ。
安全装置が掛かったままである事に気づかない。
リリスは落胆とともに黒鉄の銃をランドセルに仕舞い込み────。





(……待って)

その手を、止めた。
思考を、止めなかった。
0573死者を求めて ◇S4WDIYQkX.2010/02/19(金) 02:58:50ID:9SVaCZf8
グリーンを撃ち殺したように、この島にはちゃんと本物の銃も支給されている。
きっと、たくさん。
それなのに二度に渡っておもちゃの銃を引くなんて事、ありえるだろうか?

リリスは諦めずに銃の細部を観察し始めた。
引き金やグリップ、銃口。
銃口の中のライフリングに、グリップの細工、引き金の色つやまで。
……すぐに、重心の横についた小さな可動部に気がついた。

安全装置を外して、引き金を引いた。
銃弾はあっさりと射出され、壁を穿った。

「そっか、そういう事だったんだ」

きっとあの時も、同じ事だったのだろう。
ささやかな達成感と共に引き金を引く。
引き金を引く。
引き金を引く。
五発、六発、七発。

十一発、十二発、十三発。

カチリという音が弾切れを報せた。

「……あれ、これだけ?」

最初に入っていた弾倉はもう無くなってしまった。
十三発。
それがこの銃に入れておける弾数だった。
替えの弾倉は二つ有ったが、それ以前の問題にも気づいてしまう。
リリスは試射をした壁を見て、がっくりと項垂れた。
(うぅ、銃って打てば当たるものじゃなかったんだ)

標的を見つめる視力も反動に負けない握力も十分だったはずなのだが、当たり具合はイマイチだ。
この数mの距離で動かない相手の体の何処かになら当たったといえなくもないが、
自分と同じ位の速さで動いてる相手にならこの距離ですら当たらない。
文字通り零距離で撃ち込まなければ当たらないだろう。
第一零距離なら普通に翼で斬った方が威力抜群だ。
人の達人はこれを遠くの相手に当てられるのだという。
そう思うと感嘆すら感じてしまう。
人間って凄い。

「リリス、コレモ」
「へ?」
QBがもう三発、弾丸を差し出してきた。
どうやらランドセルの中にバラで入っていたらしい。
違和感があった。

(なんで他の弾倉と別になってるんだろう?)

よくよく見ればその弾丸は材質も違うようで、何かが奇妙だった。
得体の知れない強烈な力を秘めている気がした。
礼を言いつつ弾丸を受け取ると、その内の一発だけを銃に篭める。
壁を、撃ってみた。
引き金を引いた。
その瞬間。

予想だにしない閃光と轟音が鳴り響いた。
0574創る名無しに見る名無し2010/02/19(金) 02:59:53ID:QIyyyE+P
0575死者を求めて ◇S4WDIYQkX.2010/02/19(金) 03:00:15ID:9SVaCZf8

思わず上げた悲鳴が爆音に掻き消される。
全身が後方へと押し流される。
銃が、ものすごい力でリリスの体を押して来ているのだ。
さっき撃った時にも有った反動だと理解し、その桁違いの出力に当惑し、必死に床を踏み締めた。
耐えられなかった。
ふっと。
体が浮く。
跳ね飛ばされ反対側の壁に叩きつけられる。
銃を押さえ込みながら、強引に羽と足で着“壁”する。
肌が粟立つ奇妙な感覚が全身を襲う。
視界を塗り潰す閃光はしかしほんの一瞬で途絶えて。

ぽっかり穴の空いた向かいの壁を目にした。

「………………なにこれ?」

リリスが握る銃の名はブラックバレル・レプリカという。
とある世界における魔術教会三大部門の一つ、アトラス院に封印されし七大兵器の一つ、
ブラックバレル──のレプリカである。
ブラックバレルとは“天寿”の概念武装であり、対象の寿命に比例した毒素を発揮する。
即ちブラックバレルから放たれた弾丸は吸血鬼など不老の存在に絶大な破壊力を発揮するのだ。

しかし所詮はレプリカでもある。
レプリカから放たれる銃弾は確かに“天寿”の特性を備えていたし、
吸血鬼にも通用する有効な武器ではあったが、そこまででしかなかった。
吸血鬼にもダメージを与えられるが必殺には程遠い、その程度の武器だった。

だが、その威力では足りない怪物に対した所有者、シオンという娘は一つの工夫を付け足した。
彼女を怪物から庇って散った友人の武器、別の概念武装の欠片を銃弾に加工したのだ。
吸血鬼に対する純粋な滅びの概念武装、正式外典「ガマリエル」の欠片。
模造品と、欠片。

その二つを組み合わせた威力が本来の物に匹敵するかは判らない。
いや、恐らくは到底届くまい。
それでもこの融合により、ブラックバレル・レプリカは強大な出力を発揮出来るようになった。
弾丸ではなく極太のビームと化したその銃撃は、物理的な破壊力だけでも相当な物だ。
地面を撃てば人が埋まるほどの穴が開く。
特性が牙を剥く吸血鬼ならば、直撃して耐えられる者など数える程だった。
……逆に言うならば、数える程には居るのであるが。

「えーっと……大当たりなんだよね、これ」
リリスは唖然となりながら呟いた。
残り二発しか無いとはいえ、この銃弾をこの銃から撃てば物凄い破壊力を発揮出来るらしい。
そう認識しながらも自信なさげに呟くのは、やはり当てる自信が無いからである。

本来の所有者シオンは強靱で細い糸、エーテライトを使い自身の体を固定する事で横に撃っていた。
そうでなければ相手を上空に弾きあげ、反動を地面へ逃がせるようにして真上に向けて撃っていた。
シオンとてただの人ではなく、肉体は半ば程度に吸血鬼化していたのだが、
それでもそこまでしなければ撃てないほど反動が凄まじいのだ。

半分どころか完全に人外であるリリスは、当然の事ながらシオンより遥かに固く銃把を握れる。
しかしリリスには銃を撃った経験がまるで無い。
反動をどう逃がせば良いのかすら判らない。
これでは反動に吹き飛ばされるのも当然だと言える。
今さっきのは咄嗟の事だったにせよ、構えて撃っても抑えきれるものだろうか。

些か戸惑いつつも、リリスはブラックバレル・レプリカを仕舞い込んだ。
強力な武器には違いないが、文字通りの切り札なのだ。
何時どんなタイミングでどう使えば良いのかを考えあぐねていた。
0576死者を求めて ◇S4WDIYQkX.2010/02/19(金) 03:00:59ID:9SVaCZf8
落ち着こうと一息を吐いて、それから。
リリスはQBに質問を投げかけた。

「ところでさ、QBを倒すなんて一体誰がやったの?」
「レミリア」
「へぇ、どんな奴?」
「ジェダサマ、ヴァンパイアッテイッテタ」
QBはリリスの問いに躊躇う様子も無く答えた。

それはそうだ。
QBにとってこれは、話して良いと言われたリリスとの会話の延長にすぎない。
ご褒美を消費までしないと与えていけない情報とは認識していなかった。
リリスはこれを見込んで取引で情報を求めようとしなかったのだ。
ジェダが『会話を許した』リリスだけに生まれた特例であった。

「ああ、ヴァンパイアって事は夜は強くなるんだ。どこでやられたの?」
「ホクトウノマチ」
そしてやはり北東の町。
どうやら北東の町では本当に様々な事が起きたらしい。

「それならやっぱり北東は手伝えないね。あたしはそいつが近づいてきてもわかんないし」
北東の町でなく神社を手伝うと言っておいて良かった。
それから、今のは先にQBが何処でやられたか聞くべきだったのだと気づく。

(焦っちゃダメだよね。順番を考えなきゃ)

リリスの思考は未だ拙い。
理詰めで積み重ねる思考には未熟なのだ。
時折驚くほどの閃きを見せたかと思えば、元のままの愚かしさも見せる。
不安定な閃き。
不完全だからこそ成長し続ける者。
今のリリスはそんな存在だ。

「でもよくQBを倒せたね、そいつ。QBって制限も無くていつも通りなんでしょ?」
いつも通り、という言葉にQBは少し頭を傾げた。
当然だろう。
もし制限が掛かっていたとしてもQBは気づかないだろう。
リリスは聞き方を変えた。
「ねえ、そいつはどんな力を使うの?」
「ケンヲモッテタ。ツエヲモッテタ」
「……それだけ?」
「ソレダケ」
なんとも身も蓋もない返答であった。

QBにしてみればやはり当たり前の話なのだ。
QBよりはかなり遅いが相当な速さで空中戦が出来る事など自分と比較して特筆する事でも無いし、
腹に大きな風穴を空けても戦い続けた事だってダークストーカーなら驚く程でもない。
魔法を使った事も、その位は『よくある魔性の力』の一種でしかない。
QBの目からすればレミリアこそ普通の敵であり、特筆すべき事など何も無かった。
逆に言えば満月の夜に辛うじてとはいえ、普通に敵しえたレミリアが異常なのだ。

リリスはうーんと考えてその意味を解釈する。
具体的にどう強くて、どんな戦い方をしてQBを倒したのかは想像の外だ。
だから本質的な部分だけを探し出す。

(えーっと、つまり実力でQBを倒したって事なのかなあ?)

レミリアは単純に強いのだと判断する。
ならばどうすれば良いかは明白だ。
0577死者を求めて ◇S4WDIYQkX.2010/02/19(金) 03:01:42ID:9SVaCZf8
それはブラックバレルを当てれば良いとかそういうものではない。
QBに勝った程なら、必殺の一撃も避けるなり弾くなりしてしまうだろう。
単純に強いとはそういう事だ。
考えるべきはどう攻撃を当てどう攻撃を凌ぐか、即ちどう戦うかなのだ。
リリスが出した結論は。

(それじゃ、からめ手を考えれば良い……んだよね?)

肉体的に脆弱でありながらリリスを篭絡したグリーンやニアのような力である。

夢魔としてのトリッキーな強さを手に入れる。
これまでは感覚で行ってきた戦いをもう一段階進化させる。
リリスが掴むべきはそんな強さなのだろう。
(うう、むずかしそう。ほんとにあたしにできるかな)
不安になる。
少し、身震いする。
だけど腕に嵌めた首輪がしゃらんと鳴って。
想いを、思い出した。

(違う、できるかじゃない。やらなきゃいけないんだ)

この想いの答えに辿り着く為には、それしかない。
哀しみがリリスの意思を支えてくれる。
優勝して、神体の中のグリーンと言葉を交わしたい。
その答えが失恋だったとしても、その答えを受け止めたい。

想いが、思考を磨き上げていく。

(そもそもあたしにニアと同じ、戦う前に勝つなんてこと出来るわけがない。
 真似するだけで同じになれるわけがないもん。
 けどあたしには正面からでも戦える力がある。
 だから多分、ほんの少し有利に戦えるようにすれば十分なんだ。
 隙を作ったり、相手の切り札を出させないだけで。
 グリーンの指示を受けていた時みたいに、あたしの力をぜんぶ出せるようにするだけで。
 今はまだどうすればそんな風に出来るかも判らないけど、でも)

指針は、定まった。
どんな未来を目指せば良いかの指針は。

「……リリス?」
「ううん、なんでもない。
 QBは一回中身を補充してきた方が良いと思うよ。
 殆ど入って無いランドセルをあげても可哀想でしょ?」
もしかすると次をリリスが引く可能性も有るのだし。
「神社に埋められてる……古手梨花だっけ。そっちを確認したらまたちょうだいね」
QBがコクリコクリと頷く。
リリスはなんとなしに、呟いた。

「それにしてもこのご褒美っていうの、便利だよね。
 ジェダ様の言うとおりいっぱい殺せば強くなれて、もっと殺せるんだから。
 だからジェダ様も認めたのかな? あ、考えたのは別の子だっけ?」
「………………」

QBはその話には興味が無い。
ご褒美ランドセルの中身を補充するにしてもそのままにしても、その後は北東の街だ。
そこへ飛んで行き、言われた死体を捜す事しか目的には無い。
話を訊いて良いと言われたリリス以外の子供は、ご褒美を要求されなければ関係の無い存在だ。
だから何の義理も無くて。
0578死者を求めて ◇S4WDIYQkX.2010/02/19(金) 03:02:25ID:9SVaCZf8
「そう、あいつ。太った、白い男の子…………そうか、あの時に見てたんだ……。
 グリーンを殺したあいつ、今頃、どこに居るんだろ」
「ソコ」
あっさり答えた。

「……え?」

誰よりもリリスが唖然となった。
QBは、壁を指差している。
隣の部屋とを隔てる、壁。
誰も居ない壁際……いや、壁に空いた穴。
バレルレプリカによる空いた、隣の部屋に繋がる穴。
その穴の向こうから、ビクッと気配が漏れた。

カサカサと走り去る音が響く。
リリスはハッとなり部屋の壁に突撃し、その勢いのまま隣室へと転がり込んだ。
その部屋の、窓際には。

グリーンが撃たれた時、顔だけで振り向いた時に見た。
最初の会場でご褒美の交渉を求めた時に見た。

肉まんみたいな少年の姿があった。

「ま、待て、暴力はいけないぞ、暴力は」
あたふたと慌てた様子で変な挙動を見せる。
だらだら脂汗を流しながら、自分は無力と言うかのように両手を上げる。
「話しあおうじゃないか。暴力はんたーいっ!」
怯えて、命乞いをする、無様で小さくて太った肉の塊。
それはとてもみっともないちっぽけな姿で。

どうしてだろう。
リリスの胸の奥からは吹き出す感情は、憎しみではなかった。

グリーンの姿が脳裏を過ぎる。
それはどれも、宝石みたいにきらきらと輝く思い出だった。
綺麗な事ばかりじゃない、ニアと会ってからは何かすれ違いも有ったはずだ。
豚にされた時のグリーンは、大好きな事は変わらないけど言葉をかけてくれなくて苦しくなった。
なのに、そんな光景は一つも浮かばなかった。

胸の奥から浮かぶグリーンの姿はどれも、輝いていた。
頭脳明晰で、リリスには思いつきもしない発想をくれて、
彼の言うとおりにしている間は全てが上手く行っていた。

力じゃまるで大した事無いのに、すごい人だった。

それが、目の前の肉まんみたいな子供に殺された。
そいつの撃ったらしい銃弾でグリーンは死んだ。
あっさりと。
ほんとうに、すごい人だったのに。
ずっと離れたくないって思えた人なのに。

抱き締めたいってだけじゃなくて、抱き締めて欲しいって思った人なのに。

こんな奴に殺された。

期待外れ?

どうして?

目の前の奴がどんな奴でも関係無いはずなのに。
0579死者を求めて ◇S4WDIYQkX.2010/02/19(金) 03:03:09ID:9SVaCZf8
コイツは、グリーンを殺した奴だ。
それだけが判ればリリスにとって関係無い話のはずなのに。

どうしてこんなに。

憎いのでも殺したいのでもなく。


ただただ腹が立つのか。


「わああああああああああああああああああああああああああっ」

気づけばリリスは、喉の奥から絶叫を上げて突撃していた。
そして刃に変えた翼を力いっぱい振り抜いた。
作戦も予測も無くて、ただ純粋に力強くて速い攻撃だった。

それよりも肉まんが窓から体を踊らせる方が早かった。


「え?」

肉まんは飛べる能力が有った様子も無く、落ちて行った。
リリスは理解できずにただただ困惑を浮かべて。



ガシャンと、下の方から響いた音を耳にする。


よく見れば、窓際にはロープが括りつけられていた。
慌てて下を覗き込むと、下の方の部屋の窓が割れていた。
どうやらそこから別の部屋に移ったらしい。
更にそっちの方でドタドタと騒がしい音が聞こえてきた。

肉まんはみっともなく逃げていく。

なるほど、それは賢い選択なのだろう。
逃げる算段もそれなりに立てているのだろう。
だけどリリスにはどうしてか、追いかけるつもりにすらなれなかった。
だって。

(……いいや、あんな奴)

どうしてか、そんな想いが込み上げてしまったから。


あんな奴がグリーンを殺した事は絶対に許せないけれど、
それを追い掛け回して殺すことに必死になる自分を想像したら、なんだか。

くだらないと思えてしまった。

湧き上がった熱情も見る見るうちに褪めていく。
それよりも行動すべきなのだろうと思考する。
あんな奴に構うよりも行動して、グリーンの魂に一秒でも早く辿り着くべきだろう。
その為にみんな殺していけば良いだけだと、そう思う。
最早リリスの眼中には太った少年の事など無くて、腕に飾った二つの首輪だけが映っていた。

目尻が濡れていた。
0580死者を求めて ◇S4WDIYQkX.2010/02/19(金) 03:03:51ID:9SVaCZf8
(……早く、会いたい)

いつの間にか傍に居たQBが、ポツリと言った。

「リリスハ、フルデリカヲサガス」
「…………うん。そうだよ」

それだけを確認すると、QBはそっけなく飛び去った。
QBにはリリスが涙を零す理由も、それがどういう意味なのか理解する知能も無い。
リリスが約束を守ってくれるならそれだけで十分だった。

リリスにも自分がどうして泣いているのか判らなかった。
だけどリリスには一つだけ理解出来る知能があった。
この涙はグリーンを想っているからなのだろう、と。

(行こう)

想いを確かめようと、前に進み始めた。
行動を再開した。
QBから非正規のご褒美も正規のご褒美も貰って、もっともっと強くなるために。

振り返らず進んでいこう。
改めて、強く思った。

【C-6/ラブホテル/2日目/黎明】
【リリス@ヴァンパイアセイヴァー】
[状態]:右足と左腕にレーザー痕。顔に酷い腫れ。全身打撲。(以上全て応急手当済み)
     疲労(小)。全身に軽度の火傷。額に浅い切り傷。背中に打撲。
     微かな哀しみとすっきりと澄み渡った決意。『考え』る事に目覚めた。
[装備]:首輪×2(グリーンとニアのもの。腕輪のように両腕に通している)
[道具]:基本支給品二式(ランドセルは男物)、眠り火×8@落第忍者乱太郎、魔女の媚薬@H×H、
    メタちゃん(メタモン)@ポケットモンスターSPECIAL、きせかえカメラ(充電済)@ドラえもん
    モンスターボール@ポケットモンスターSPECIAL 、小悪魔のウインク@H×H、
    ブラックバレル・レプリカ(13/13)@メルティブラッド(予備弾倉×1、ガマリエル弾×2)
[思考]:力を付けなきゃ。もっと強くならなきゃ。
第一行動方針:神社に向かい埋葬されているはずの古手梨花の死体を捜す。
第二行動方針:Q-Beeに協力。その恩賞として色々得る。
基本行動方針:優勝して、グリーンの魂ともう一度語り合う。もう「遊び」に夢中になったりはしない。
[備考]:
荷物の中の『魔女の媚薬@H×H』には説明書がついていません。
Q-Beeからジェダに命じられた任務の内容を聞きました。

【Q−Bee@ヴァンパイアハンター】
[状態]:健康、疲労(中)
[装備]:不明(なし?)
[道具]:ご褒美ランドセル(不明支給品0〜1(ただし補給する?))
[思考]:テツダイ……
第一行動方針:北東市街地の死体を捜しに行く。
第二行動方針:ジェダの指令をこなす
第三行動方針:(……ゴハン)
基本行動方針:本能に逆らえる範囲内で、ジェダの指令を忠実にこなす
[備考]:野上葵、ニア、グリーンの死体の存在を確認しました。
    ジェダには内緒で少しの間休憩をとりました。
    キルアの殺害者を弥彦に偽装する事にしました。
0581創る名無しに見る名無し2010/02/19(金) 03:04:39ID:QIyyyE+P
0582死者を求めて ◇S4WDIYQkX.2010/02/19(金) 03:05:05ID:9SVaCZf8
肉まんことパタリロは息を潜めて、リリスとQBが飛び去って行くのを見送った。
ふむと首を傾げ、考え込む。
予測した内容は、当たったような当たらなかったようなびみょーな結果になった。

パタリロの予測は、リリスがジェダの手を離れているのではないかという物だ。
リリスがあの青年、グリーン(とリリスが言っていた)に重大な内情なりを話してしまい、
それによりジェダはリリス達に刺客を差し向け、
人目に付かせずそれを果たす為に雨を降らせたのではないか、という推測である。

最初、QBがその場所に居た事は予想を裏付ける物に思えた。
ジェダから放たれたQBがリリスを殺しに来たのだと。
しかしどうも様子がおかしい。
リリスはQBに死体捜しを手伝うからご褒美をなどと言っていた。
グリーンは既に死んでいたというのだ。

いち早くジェダに始末された後という可能性も有りえたが、それにしたってQBは何をしに来たのだろう。
大体もしそうならQBが死体を捜す理由が無い。

(戸棚に隠されたお菓子をこっそりと食べてもばれなければOK、というのは合ってたみたいだが)

QBもリリスを始末しようという様子では無かった。
むしろリリスに秘密裏の任務を申し付けに来たように思える。
残念ながら部屋の壁がいやんばかんを漏らさない防音壁であるせいで最初の方は
パタリロの耳を持ってしても聞き取りにくかったのだが、QBがリリスに何か用が有って来て、
リリスはその代わりにご褒美を要求したようだ、という所までは把握出来た。
具体的に誰の死体を捜しているのかも。

(しかし死体捜しとはけったいだなあ。
 野上葵とニアと太刀川ミミが最優先で、
 他にグリーン、ヴィクトリア、古手梨花、ククリ、金糸雀も見つけないといけないというが。
 なんでそんなにあくせく死体を捜しているんだ?)

まさか死亡確認を目視で行っていたのだろうか。
QBはご褒美を配達に飛び回っているわけだし有り得るのかもしれないが。
とりあえず、死体はほぼ聞き覚えが無い者ばかりだ。
もしかするとグリーンは自分の仕業かもしれないが、他は一体なんなのか。

(何がなんだかさっぱりだが、どうやら重要な死体みたいだな)

例えばQBの先回りをして死体を調べたりすれば何か判るだろうか。
だがQBは物凄い速さで飛んで行ってしまった。
あれの先回りを出来るとは思えない。
どうにかならない物か。

もう一つ奇妙なのは、追いかけられなかった事だ。

途中で銃を撃たれた時はあわや気づかれたのかと慌てたし、
髪の先っちょを焼き焦がしてぶっぱなされたなんだかよく判らない砲撃には死んだかと思ったが、
その後に追撃もなく、本当にただの試し撃ちで気づかれなかったのかと胸をなでおろしたものの……
そんなワケは無く、やっぱり気づかれていたらしい。
0583死者を求めて ◇S4WDIYQkX.2010/02/19(金) 03:05:53ID:9SVaCZf8
にも関わらずQBもリリスも話が一段落するまで動かなかった。
リリスは穴を抜けて襲って来たが、攻撃は真っ直で甘かったし、追っても来なかった。
もしもパタリロがグリーンを殺したというのなら、リリスにとって仇である筈なのだが。

(元々グリーンって奴とは仲が悪かったのかな?
 そういえばあの時も口ゲンカをしていた気がする。
 ジェダに言われたら普通に切り捨てられる程度の奴だったとか。
 しかしそれにしたって聞かせてくれた理由がよくわからん。
 もしかしてジェダの奴、配下にも裏切られてるんじゃなかろーな?)

故意に聞かせてくれたとすればそう考える事もできる。
QBやリリスは先程の情報をパタリロに漏らす事で何かを狙っているのだと。
バレたら不味いからそれなりに殺そうとはするだろうけど、本気ではない。
既にジェダを見限っていて、この殺し合いを破綻させようとしているのだ。
穴を空けたのも話がよく聞こえるようにというまごころだ。
割と筋が通る気もしてきた。

「もしそうだとしたら、期待に答えてやらんとな」
やはり先ほど聞かされた情報から何かを読み取らなければならない。

考え中。


考え中。



考え中………………。




「って、どんな奴かもわからん死体をどう考えろとゆーんだ!!」

わかるわけがない。
パタリロは死んだ者達がどんな事をして何時何処で誰にどんな風に殺されかかも知らないのだ。
これでは考察の立てようも無い。
とにかく情報を集めなければにっちもさっちも行かないのだ。

「追いかけるのも手か」
QBの向かった北東市街地はともかく、リリスの向かった中央部なら行けなくもない。
どうせ間に合わないだろうが、痕跡を調べるなり出来るコトも有るだろう。
ただし目撃情報を聞くのは難しいが。
参加者の殆どに警戒されているという条件が厳しい。
信頼してもらうための土産話も殆ど無い。
だって土産話になる考察をする為の情報が集まらないんだもの。
0584創る名無しに見る名無し2010/02/19(金) 03:08:11ID:QIyyyE+P
如何せん、何を考えるにも情報が足りなすぎる。
その上に仲間が居ないのだ。
マー詰んでるね。
モー詰んでます。

「くそー、ほんとなんて事をしてしまったんだぼくはー!?」

どったんばったん思い悩むパタリロ。
最初の会場であんなに堂々と取引をしてしまった事による孤立無援が痛すぎる。
この状態で出来る情報収集なんて盗み聞きくらいのもんだ。
ほんとにもうどうしてくれようこの事態。

「……待てよ? そういえばあいつ、グリーンを殺したのはぼくだって言ってたな」

ふとリリスの言葉を思い出す。
やっぱり間違いなくあの時の銃撃でグリーンは死んだのだ。
とすればグリーンの死体はあの辺りに有る筈だ。
もしかしたら建物の中に運び込まれたかもしれないが、血まみれビショ濡れ汚れ有りの死体である。
道路の痕跡は綺麗さっぱり洗い流されても、建物の入り口を見れば濡れた物を引きずった跡が残る。
周囲の建物を虱潰しに見ていくのは相当面倒くさいが、見つけられなくもないだろう。
埋められていたら厄介だが、とりあえずは考えないでおく。
たぶん、大丈夫のはずだ。
古手梨花は神社に埋められているってわざわざ言っていたし、グリーンの方は埋まってないだろう。

グリーンの死体を見れば、どうしてQBがそれらの死体を確認していたのか、
どうしてわざわざ死亡確認をしていたのか判るかもしれない。

「よし、善は急げだ。早速捜しに行こう」

カサカサと音を立てて走り出す。
未だ止む気配の無い雨の下、パタリロは死体を捜しに駆け出した。

【C-6/市街地/2日目/黎明】
【パタリロ=ド=マリネール8世@パタリロ!】
[状態]:頭にたんこぶ、ずぶ濡れ
[装備]:S&W M29(残弾4/6発)@BLACK LAGOON、 ヘルメスドライブ@武装錬金(破損中・核鉄状態、使用登録者アリサ)
[道具]:支給品一式(食料なし)、44マグナム予備弾17発(ローダー付き)
    せんべい、お茶菓子、コーヒー豆、がらくたがいくつか
    ミニ八卦炉@東方Project、クロウカード『翔』@カードキャプターさくら、
    エーテライト×2@MELTY BLOOD、はやての左腕
[思考]:それにしてもひどい雨だ。
第一行動方針:グリーンの死体を捜索する。
第二行動方針:首輪の調達。藤木あたりが候補。
第三行動方針:調達した首輪を調べたい。道具や設備も確保したい。
第四行動方針:他にも対主催として有用な情報を得て、自分を信用してもらう材料とする。
第五行動方針:弥彦と千秋にはあう確率は低いと判断。でもできれば再開したい
第六行動方針:仲間集めは、慎重にしたほうがいいかな……
第七行動方針:暇ができたらはやての腕を埋葬してやる。
基本行動方針:好戦的な相手には応戦する。自分を騙そうとする相手には容赦しない。
最終行動方針:ジェダを倒してお宝ガッポリ。その後に時間移動で事件を根本から解決する。
[備考]
自分が受けている能力制限の範囲について大体理解しています。
弥彦を完全には信用していません。簡単に情報交換済みです。
よつばと藤木の死の真相について大雑把にですが勘付いて、千秋を少し疑っています。
キルアとエヴァが少なくとも今の自分にとっては危険人物であると判断しました。どちらも、名前は知りません。
自分が誰からも警戒されている存在だと、改めて把握しました。
リリスとQ-Beeが内心ではジェダを裏切りわざと会話を聞かせたのだと考えています。
0585死者を求めて ◇S4WDIYQkX.2010/02/19(金) 03:09:52ID:QIyyyE+P
【小悪魔のウインク@HUNTER×HUNTER】
「このウインクを受けた者は、この世のものとは思えないほどの絶頂感を味わうことができる。
 何度でも現れてウインクしてくれるが、中毒に注意。」(カード原文より)

グリードアイランドのカード。
現れてウインクをしてくれる小悪魔に実体は無い物とする。


【ブラックバレル・レプリカ@メルティブラッド】
魔術協会三大部門の一つであるアトラス院に展示される七大兵器の一つであるブラックバレル、の模造品。
“天寿”の概念武装であり、その生命の寿命に比例した毒素(攻撃力)を発揮する。
ただし通常弾では吸血鬼にも一応通用する程度の模様。
外見は自動拳銃で、通常弾(十三発)のカートリッジ三本と、
対吸血鬼の純粋な滅びの概念武装である槍鍵ガマリエルの破片から作られた特殊弾三発が付属する。
特殊弾の射撃は銃弾ではなく太いビーム砲撃と化す。

本来の所有者シオンは横に撃つ時エーテライトで固定して撃っており、
基本的には相手を跳ね上げて真上に撃つ事から、強烈な反動があるようだ。
ただしシオンの身体能力は、元が運動不足で、半吸血鬼化して多少は人外という微妙な程度。
0586死者を求めて ◇S4WDIYQkX.2010/02/19(金) 03:11:50ID:9SVaCZf8
代理投下終了
規制されたから途中から携帯で
0587創る名無しに見る名無し2010/02/19(金) 03:31:59ID:QIyyyE+P
あと感想も
やっぱパタリロいいな
ニケが死んだ今、このロワで唯一の清涼剤と言えるかもしれない
参加者のほとんどに警戒されてて、いつ死んでもおかしくないのが怖いけどw
リリスもパタリロも当面の行動方針が定まったようだし、これからに期待
0588創る名無しに見る名無し2010/02/19(金) 11:55:37ID:EKm1oTrq
投下乙です
リリスとパタリロはこれからどうなるかほんと怖いなあ。
リリス→本調子 パタ→迷推理
で怖さの方向性は真逆だけども……。
0589創る名無しに見る名無し2010/02/19(金) 13:12:17ID:T5lGdmE1
投下&代理投下乙!
何というか、リリスが段々といい女になっていくなあ。
悲しみを乗り越えて前進する様はマーダーなのに、どこか主人公っぽい。
そしてパタリロは相変わらずぼっち過ぎるwww
0590創る名無しに見る名無し2010/02/20(土) 01:11:54ID:GywN/q4d
「あいつ、今頃、どこに居るんだろ」
「ソコ」

なんだこのシュールな会話www
0591創る名無しに見る名無し2010/02/20(土) 01:34:11ID:7AzVaD/r
最近Q-Beeもメインで活躍するようになってきたし、Q-Beeの追跡表も用意すべきかな
それならついでにジェダもやっといた方がいいと思うんだけど
0592創る名無しに見る名無し2010/02/20(土) 14:35:13ID:GywN/q4d
必要がない気もするけど。
時系列バラバラであちこちに宅配にいってるし、気にしない方がいい。
0593創る名無しに見る名無し2010/02/21(日) 01:40:10ID:szKRZ6Rv
あって困るもんではないからな
0594創る名無しに見る名無し2010/02/24(水) 11:10:33ID:9wLL65Cs
予約来てるな
0595創る名無しに見る名無し2010/02/24(水) 21:56:39ID:5j1jAVGb
2つもきたのかー
0596創る名無しに見る名無し2010/02/25(木) 01:30:56ID:tkH+aD7o
城の情報交換と、パタリロが仲間と再会かー。
パタリロの進行方向的に弥彦が南西市街に帰ってくるんかな?
0597 ◆S4WDIYQkX. 2010/02/26(金) 05:22:00ID:bXQHNs0H
投下を開始します。
0598優しい微笑みを浮かべて ◆S4WDIYQkX. 2010/02/26(金) 05:24:38ID:bXQHNs0H
「雛ちゃんを知ってるの!?」

待った、と思った。
その発言と共に起きて来た木之本桜を見て、最も思考したのはベルカナだった。
彼女は桜が雛苺を『雛ちゃん』と親しげに呼んだ事に対して、警戒心を抱いたのだ。
ベルカナがこれと思考する時、その思考速度は超人的な物だといえる。
それは人より深く考えられるとかそういう意味とは少し違う。
知性という意味でも極めて明晰な知性を持つが、人間離れした程でもない。
観察し、知識と照らし合わせ、分析し、結果を推測する。
そういった普通なら時間の掛かる思考が早いのである。
常人が長時間掛かる程の緻密な作戦を、数瞬の猶予しか許されない遭遇戦で実行する。
それこそがベルカナの持つ武器である。

(どうしてそういうニュアンスで雛苺を呼びますの?
 梨々による所、雛苺は彼女に残酷な行為を強いた危険人物です。
 そして梨々による所、木之本桜はそういった行為に激しい苦痛を感じる人物の筈です。
 桜がおかしいのか、梨々の情報がおかしいのか、あるいは数時間で何かが有ったのか。
 どういう事か彼女から聞き出すのが最も効果的ですが、一つ障害が有ります)

問題はシャナの存在だ。
引き下がりはしたものの、先ほどはイヴを殺すと主張していた彼女の、所謂……正義感が厄介だ。
もし彼女が雛苺に対して敵意を抱いていた場合、雛苺を擁護するのは危険だろう。
木之本桜がおかしくなっていて危険人物である雛苺を擁護しているのだとすれば、
桜を護るなど百害有って一利無しだが、死んだ梨々の事を想うと見捨てるには早すぎる。
梨々は、ベルカナの仲間だったのだから。

「とりあえずシーツでも纏いなさい、さくら」
「え? ……きゃあああぁっ!? な、なんで裸なの!?」
「服が濡れていたからです。服はそこに干してありますが、まだ乾いてないと思いますわ」
「はうぅ、わかりましたぁ……」

着替えを始めた桜を尻目に思考を継続する。
幸い、シャナも理が有れば引き下がる人物のようだ。
ベルカナは丁寧に言葉を選びながら探りを入れた。

「ええ、木之本桜さん。意識を失っていたから、紹介もまだですわね。
 私はベルカナ・ライザナーザ。
 梨々=ハミルトンと仲間に協力し、あなたを救出すべく行動していました」
「梨々、ちゃん……? 梨々ちゃんが生きてたの!? きゃっ」
「ああ、ほら、服を着ながら慌てるからです」
ベルカナは慌てて桜を助け起こす。
同時に、少女の一言に篭められたあまりにも真摯な愛おしさだけで迷いは雲散していた。

彼女は、梨々の友人だ。

どんな理由が有ろうとも、梨々の友である事だけは間違いない。
桜が自らの感情まで全て演じてみせる名優という可能性はさて置く事にした。
仲間の友人であるというならば、護らなければならない。
その人物に伴う危険性など後の話だ。

「どういう事? 説明しなさい」
「ええ。雛苺という人形は初め夕方の森に出現した危険人物です。
 そこで彼女、木之本桜を拉致して殺人を強要しました。
 彼女の仲間だった梨々=ハミルトンもその時に殺されかけています。
 つまりは私達の、敵です」
「待って、待ってベルカナさん!」

シャナの問いにベルカナが答え、桜が異を呈した。
0599優しい微笑みを浮かべて ◆S4WDIYQkX. 2010/02/26(金) 05:26:27ID:bXQHNs0H
木之本桜にとって交わされる言葉は冷たい刃のようだった。
そこに交わされる言葉の殆どは、厳然たる事実だ。
むしろ事実はそれ以上の物とすら言えるだろう。

雛苺は多くの命を奪った殺人鬼である。

その事は桜だって判っている。
語られた以上の罪を木之本桜は目撃し、体験してきた。
あれだけの罪を誰が赦せるというのだろう。
弱さから罪に走った雛苺には罪を背負う事すらできはしない。
雛苺は罪を振り返る事もない極悪人としてこの島に立っている。
だけど、それでも。
雛苺の瞳に湛えられた恐怖と悲しみは。

彼女が漏らした悲痛な訴えは真実の叫びだったと信じたい。

(たすけたい。絶対だいじょうぶだよって信じさせてあげたい)

この島で雛苺は罪を振り返れないかもしれない。
絶対に赦されない事をしたという、その重みを受け止められないかもしれない。
今は。
でも何時か。
今日は無理だろう。
明日でも無理かもしれない。
でもずっと一緒に居てあげて、雛苺の心が落ち着きを取り戻せたら。

その日が来たら、一つ一つ清算していこう。
全ての罪を。
全ての過ちを。
例えどれだけ掛かったって、何時の日か。
だから桜は、思うのだ。

「その通りだけど、でも違う。違うの!
 雛ちゃんはただ寂しくて、一人になるのを怖がっていただけなの。
 それで本当にひどい事を何度もしてしまった。
 それはほんとう。
 でも、これ以上はさせないから。
 わたしが一緒に居れば、大丈夫だから。
 雛ちゃんにはもう、人殺しなんて絶対にさせない!」

彼女に救いと、時間をあげて、と。
悪意と殺意が支配するこんな残酷な島の時間じゃなくて、
誰かと心を通わせて、なんて事も無い、だけど掛け替えの無い温かな時間を。
立ち上がるのに少し時間が掛かってしまうのは、決していけない事じゃないと思うから。

しかしベルカナは、首を振った。

(どうして?)
桜はベルカナの瞳を見た。
何かしら強い感情を湛えた、冷たい瞳を。
ベルカナは告げた。
「私は咎人の罪を裁きなどしません。私達の敵で無いならば。
 全てはあなた次第です。
 もしもあなたが本当に雛苺を御す事が出来て、
 かつ雛苺について最も渦中にいるあなたがあれを赦す事が出来るなら」
「赦……す…………?」
桜が先ほど訴えた言葉では、まだ不足なのだろうか。
戸惑う桜にベルカナは教えた。
雛苺が絡む更なる罪を。
0600優しい微笑みを浮かべて ◆S4WDIYQkX. 2010/02/26(金) 05:29:01ID:bXQHNs0H
「雛苺に操られるあなたに殴り殺されかけても。
 あなたを救う為に、勇敢にもかつて敵だった者達に助力を求め、
 私達と共にあなたの為に戦った梨々=ハミルトンが。
 少し前の雛苺が乱入した戦いで戦死していると聞いても、同じ事を言えますか?」

「…………え……?」

頭をハンマーで殴られたようだった。
ついさっき、梨々は生きていたと聞いた。
どうして今この場に居ないのかは判らなかったけれど、すぐに聞こうと思っていた。
何度も謝って、何度もお礼を言って、仲直りしたいと思っていた。

雛苺によって死んだと思っていた梨々は、生きていた。
ずっとずっと、桜の為に戦い続けていた。
そして雛苺が乱入した戦いによって、梨々は命を落とした。

雛苺は木之本桜の親友の梨々=ハミルトンを、二度殺した。

「あなたは雛苺を御せてなどいない」

ベルカナの言葉は鋭く、冷たく、熾烈だった。
同時に、優しかった。

「もしかするとあなたは、それでも雛苺を赦せるのかもしれませんわね。
 私達よりずっと多くを奪われたあなたが雛苺を赦すなら、私も彼女を赦しましょう」
そしてベルカナの言うとおり。

木之本桜はそれでも雛苺を、赦せてしまう。

何時の日か償って欲しいと思いながら、それでも慈悲の心が上回る。
桜が傷つけ、救おうとし、逆に桜を救ったプレセアが殺されたというのに。
この島で信じられた数少ない親友の梨々=ハミルトンを二度殺されたというのに。
桜の手を見ず知らずの罪も無い少年の血で汚させたというのに。
大切な人達を何人も殺されて、桜の身も心も鋭い茨で引き裂いてきたというのに。
それでも桜は、雛苺を可哀相だと思ってしまう。

桜にはきっと、誰かを恨み憎む事なんてできないのだろう。

「ですが、雛苺が更なる罪を重ねる事は許せません。
 あなたに彼女を御す事が出来るかどうか。
 私達にとって重要な事はそれだけです」
ベルカナは会話を断ち切るように、告げた。
全ては桜次第だとそう言って。

「待ちなさい。それで結局、雛苺は何処へ行ったの?」
シャナが言葉を差し込んだ。
次は彼女との会話が待っていた。
ベルカナは答える。
「その時に襲撃してきた別口の誰かが連れ去りました。
 少女のようでしたが、守りの外套で全身を包んでいましたから顔も名前も不明です。
 何か支給品で転移したようですから、何処へ消えたかは判りませんわ」
「そう。それじゃ」
「お待ちなさい、こちらが話すだけでは堪りませんわ。
 そちらからも聞きたい事は幾つかあります。せめて友好的人物と危険な人物について」
シャナは、答えた。
0601優しい微笑みを浮かべて ◆S4WDIYQkX. 2010/02/26(金) 05:31:44ID:bXQHNs0H
「友好的な人物は犬上小太郎、犬の耳が生えた少年。強いけど、力を消耗してる。
 吉永双葉、少年みたいな少女。インデックスに預けた。
 妙な短剣を持っていなければ、三宮紫穂。変な服装。双葉と一緒。
 野比のび太。気弱そうな眼鏡の少年。
 高町なのは。精神が摩耗してるけど理性的で、行動自体は感情的な少女。
 インデックス。スケスケの服を着た銀髪碧眼の少女。北西の森周辺に居る。
 ヴィータ。赤い髪を三つ編みお下げにした少女。インデックスの仲間。
 明神弥彦。時代がかった和服でツンツン髪の剣術少年。不殺主義。
 キルア。姿も不明な仇を捜して南の市街地から中央部に向かってた。
 ここまでインデックス以外は見た目十歳かそこら。
 あと私は直接会ってないけど、アラストールがコキュートスから見たのが何人か。
 神社にエヴァンジェリン、ニケ、リンク、古手梨花というインデックスの仲間が居るみたい。
 全員外見は小学生も下の方くらいだけど、概ね戦えるそうよ。
 ここからは危険人物。名も知らない銀髪の少女。
 インデックスとの見分け方はよく笑うのと、明らかに邪悪で、胸部に穴が空いた喪服みたいなドレス。
 キルアに殺害されたらしいのに生きていたから、似た奴が居るのかも。
 リリス。南西の町で戦ったけど、逃げられたわ。思ったより狡猾で、純粋だった。
 ブルー。茶髪の少女。でも外見年齢を自在に変えられるみたい。
 それと一緒に居たのがイヴなんだけど……これはさっきの話で、とりあえずは良いわ」
シャナは矢継ぎ早に人物の解説をしていく。
朝までに北東の街へと着いておきたいシャナには時間が無いのだ。
そこを差し引いても不親切な所は多々あるが、こちらはシャナの性格による分が大きかった。
彼女は人に何かを教えたり伝えたりするのが大の苦手である。
これだけの説明で見た時に判るか、それどころか覚えておけるか怪しいものだが仕方が無い。
それから、トリエラとリルルの事は意図的に伏せていたし、
そうでなくとも高町なのはに頼まれたアリサなど話忘れが存在していた。
むしろ冷静に考えればシャナにこれほどの情報を提供する義理は無いのだが、
急いでいるからこそ逆にあまり考えず片っ端から話していた。

「あと学校に、私もアラストールも話でしか聞いてないけど、
 リンクや古手梨花の仲間だった小狼というのも居たみたいだけど神社とは別の方向に……」
「小狼くんが居たの!?」
大切な少年の名に木之本桜が喰らいつく。
「夕方の放送よりも前に聞いた事よ、何処に行ったかは…………判らないわ」
シャナは少し考え、学校に居た小狼は南へ向かったという話を伏せた。
ある可能性に気づいたからだ。

もしかすると、南の市街地から中央に続くトンネルの入り口に転がっていた、
まだ死んで間もない、あの死体こそが季小狼だったのではないだろうか?
生憎シャナもアラストールも小狼の姿を知らない。
もしそうであれば放送で呼ばれるし、そうでなければ無駄に不安がらせる必要も無い。

一方、ベルカナはシャナの話を聞いて少し考えていた。
彼女が出会った人物の数は結構なものだ。
しかし危険人物として伝わっていたのはヤミヤミことイヴだけ。
(案外、中央の森林部はかなりの壁になってくれたのかもしれませんわね。
 遭遇数が少ないアルルゥはともかく、レックスの情報も案外広がっていないのは僥倖です。
 それから……)
「吉永双葉は梨々の親友でしたわね。貴重な情報をありがとうございます。
 もう少しだけ良いですか? イエローやタバサという人物に心当たりは?
 両方とも金髪の少女、イエローは格好によっては少年に見えるかもしれません」
「金髪は……少し会ったり聞いたけど、全部名前は判ってるから違う」」
「そうですか。あとあなたがどの辺りで行動してきたか、教えてもらえますか?」
「私は島の西端を北から南、南西の市街地からここ。でも」
『我がインデックスと共に、島の西端から山岳地帯を経て神社、そこから西だ』
胸元のコキュートスからアラストールの声が響く。
その二つの情報から考えれば、島の西域は概ね網羅されている。
森林部に穴が有るものの、それ以外はほぼ全域を通っている。
(イエローとタバサは島の西域に出没していない──と見て良いのでしょうか)
吉永双葉は気になるが、島の西域を捜してもイエローやタバサは見つからないかもしれない。
0602優しい微笑みを浮かべて ◆S4WDIYQkX. 2010/02/26(金) 05:36:14ID:bXQHNs0H

「ふえ……わたし、そのイエローって子、知ってるかも……」
「本当ですか!?」
おずおずと上げられた桜の手にベルカナが反応する。

「う、うん。森で、雛ちゃんが襲ってきた時、緑の髪の人形と一緒に現れた子が、
 金髪でなんだか男の子みたいな見た目だったから。
 凄い爆発が有ってすぐに居なくなっちゃったから、どうなったのかは判らないよ」
「そう、ですか。何時頃、どう来たか分かりますか?」
「えっとね、時間は夕焼け空の頃で……」
木之本桜が語る内容にベルカナは内心で少しだけ、不安を抱いた。
謎の人形と戦場に現れたイエロー。
プレセアの治療に懸かっていた桜の視点からでは状況がよく判らなかったものの、
イエローとその人形が組んで行動していた事は確かだと思われた。

それ自体は別段悪い事ではない。
イエローも何か行動している事しか意味しない。
単に戦いを止めようと割って入ったのかもしれない。
だけど目の前に居る木之本桜からの連想で、ベルカナはこんな不安を抱いた。

イエローも桜のように、人形に操られているのではないか。

とはいえ、ベルカナが知る危険な人形は真紅と雛苺だけだ。
二度ある事は三度あるかもしれないが、三度目の正直かもしれない。
(雛苺の一件で人形に対して過敏になりすぎているのかもしれませんわね。冷静にならないと)

ベルカナは、ジーニアスの仲間こそ正に友好的な人形であった事を知らない。
翠星石の名と首はベルカナの中で結びついていないのだ。

「それで、その人形も何処へ行ったのか判らないの?」
「うん。ものすごい爆発が起きて、みんなはぐれちゃったから。
 ベルフラウちゃんともはぐれて……そのまま……」
シャナの問いに応じた桜の答えに、ベルカナは一瞬視線を泳がせる。
ほんの一瞬、それだけの反応だ。
彼女はベルフラウが何処で死体になっていたかを知っている。
この城のバルコニーで、誰とも知らぬ別の少女と並んで死んでいたのだから。
「……あなたが助けようとしていた、プレセアともですね」
話を逸らすように問い返す。
今度は逆に、桜が顔を俯かす。
苦痛から。
「ううん。プレセアさんは………………雛ちゃんに、殺された」
「そう、ですか」

ベルカナはまたも少し、惑う。
雛苺に関わって失ったものが多すぎる。
それは彼女自身が赦す赦さないという問題ではない。
仲間の結束を保てるかどうか、それこそが問題だった。
だからベルカナは釘を刺しておいた。
「私の仲間にはプレセアの大切な仲間も居ます。その事はあまり話さないように。
 恨み憎しみなんて少ないに越した事はありません」
「え……う、うん。…………ごめんなさい」
戸惑いと罪悪感を満面に浮かべた桜の謝罪に、ベルカナは息を吐く。
ひとまずは、これで良い。
ひとまずは。
0603優しい微笑みを浮かべて ◆S4WDIYQkX. 2010/02/26(金) 05:39:07ID:bXQHNs0H
「それで? 結局、自動人形についての情報はそれだけなの?」
「ええ。申し訳ありません、シャナさん。一応、お聞かせ願えますか?
 あなたが自動人形を捜す理由は?」
「自動人形の破壊が私の使命だからよ」
ハッと息を呑む桜を、シャナは冷たい目で見つめた。
彼女が何か言い出すのを塞ぐように、宣言する。
「おまえは納得しないかもしれないけど、私には関係無い事だわ。
 おまえは理屈が通じる相手じゃないだろうし、それにもう片方は納得している。
 そうでしょう? ベルカナ」
「ええ。さくらが雛苺を御せて、且つ私の仲間が彼女を赦せるならば、
 私は私と仲間に無理が無い範囲であなたから雛苺を護る立場になるでしょう。
 それだけの事です」

それだけの事。
ベルカナ一行が雛苺を取り込んだ所で、シャナと再会しなければ関係の無い話。
この狭くも長生きできない島では、そんな事が十二分に有りえるのだ。
雛苺絡みの事も、雛苺が何処かで殺されれば桜以外にとってはめでたしめでたし。
そんな話なのだ。

『話しすぎではないか、シャナ?』
「別に隠すような事は無い。……けど、今度はこっちから話してばかりか」
シャナはアラストールの危惧に応えて、気づく。
ベルカナばかり話していると思ってこちらからも話したけれど、まともな情報を得られたわけでもない。
アラストールの警戒は、言外にあしらわれているのではないかと注意したものだ。

ベルカナは言葉通りに取って、答えた。
「では私も、せめて危険人物についてお話しましょう」

ベルカナは朝の森で見た銀髪の少年、レミリア、イヴと城を襲撃したロングコートの少女について語った。
中でもシャナにとって興味深かったのは銀髪の少年だ。
その存在はシャナに一つの確証を抱かせる。
少年というのは気になるが、やはり銀髪の子供は二人居たのだ。
あの少女は時折、戦いの最中、口調と雰囲気が少年のようなそれに変わっていた。
これは思い切った想像だが彼女が男装、あるいは女装をしているとすれば説明が付く。
「多分その銀髪の少年が、キルアに殺害された方ね」
『待て、シャナ』
そう思いきや、アラストールが疑問を呈した。
『学校において、襲撃を仕掛けてきてなのはが倒したというのも銀髪の少年だった。
 恐らくそれがベルカナの見た少年だろう。
 少年と少女が別に居たとしても、まだ説明はつかん』
「え? 二人で二度も死んだはずなのに?」
推理は更なる混乱へ迷い込む。

両方とも、桜など聞くだけで顔が青くなる程の死因から見て生き延びたとは考えにくい。
学校組か、あるいはキルアが嘘を吐いていたのだろうか。
あるいは二人どころか三人も居るのだろうか。
それともまさか、心臓を抜かれても上半身が消し飛んでも再生したのだろうか。
結局、二度殺された銀髪少年(?)の正体は判らなかった。

0604優しい微笑みを浮かべて ◆S4WDIYQkX. 2010/02/26(金) 05:46:55ID:bXQHNs0H

「……話が長くなったわね。私はそろそろ行くわ」
得られた収穫は半端な物だが、シャナも長居してはいられない。
シャナの目的地はあくまで北東の市街地だ。
双葉やインデックス達が居るかもしれない中央エリアを無視しながらも城に舞い降りたのは、
方向が完全に一致していた通り道で、灯りが見えて、少し寄り道しただけに過ぎない。
雨の中を飛び続けた事による疲労も一因だったが、これ以上ぐずぐずしてはいられない。
旅立つに良い時間というものは標的が移動してしまう時間でもあるのだから。

いつの間にか、空を覆う雨雲にも切れ目が見え始めていた。
もうそろそろ四時が近いのだろう。
今から城を発てば雨が止んだ頃には街に着けるはずだ。

「それじゃ、生きていたらまた会いましょう」

少女は炎の翼を広げると、冷たい雨の降り続ける夜空へ飛び立っていった。
その先にある戦いを見据えて。

朝は、まだ来ない。

【F-3/グランバニア城上空/一日目/黎明】
【シャナ@灼眼のシャナ】
[状態]:しろがね化、消耗(小)
[装備]:楼観剣(鞘なし)@東方Project、コキュートス@灼眼のシャナ、あるるかん@からくりサーカス
[道具]:支給品一式(水少量、パン一個消費)、包帯
[思考]:なに、もう一人いたの?
第一行動方針:ベルカナ達と情報交換。自動人形の情報を得る。
第二行動方針:北東の市街地に向かい居るはずの自動人形(トリエラ・リルル)を破壊する
第三行動方針:要件が済んだら、インデックスや双葉たちと合流。
基本行動方針:ジェダを討滅する。自動人形(と認識した相手)は、全て破壊する。
[備考]:義体のトリエラ、及びロボットのリルルを自動人形の一種だと認識しました。
[備考]:これまでのインデックスの行動の全てを知っています。
    神社を拠点にする計画も知っています。
    弥彦、キルア、アラストールと情報交換しました(どの程度かは次の書き手任せ)



そして、またも少女たちが残される。
雨の夜、身を寄せ合うようにして城に休む少女たちが。
ベルカナは木之本桜を振り返ると、言った。

「さくら。これを渡しておきます」
「え、これって……」
『水』と『風』のクロウカード。
ベルカナはその二枚を桜に手渡した。
「それから、これも」
更に金色の十字架を提示する。
桜は目を見開き驚いた。
「リインちゃん!?」

起動していなくても間違える事など無い。
リインフォースII。
デバイスにして意思を持った少女だ。
その桜の反応を見て、ベルカナはやはりそうかと再認識する。
別にそうである確証はなかったのだ。
0605優しい微笑みを浮かべて ◆S4WDIYQkX. 2010/02/26(金) 05:49:02ID:bXQHNs0H
「私が持っていてもこれらを使う余裕は有りませんから。
 ある程度は魔力を回復させたあなたの方が適任という物です」
「で、でも良いの?」
「もう一度だけ確認させてもらえれば十分です」
「確認?」
「ええ」
身構える桜に、ベルカナは重要なたった一言を問いかけた。

「あなたにとって、梨々=ハミルトンは友達でしたか?」

桜は予想外の問いに目をぱちくりさせて、それから。
俯いて。
息を吐いて。
息を吸いこんで。
顔を上げ、真っ向からベルカナを見つめて。
答えた。

「はい、そうです。ほんとうにたいせつな、友達です」

ほんの数時間だけを共にした友情を肯定した。
梨々=ハミルトンは木之本桜の親友だったのだと。
ベルカナはそれを確認しただけで、良しと頷いた。
「それなら十分です。あなたは、私達の仲間です」


仲間の友人というだけ、本当なら信じるには根拠が薄い。
仲間が信用できても、仲間が騙されていなかった証拠など無い。
この程度で騙されたら騙した奴が狡猾なのではなく、騙された奴が馬鹿だっただけである。
だけどもしそうなら、ベルカナが警戒しておけば良いだけだ。

ベルカナは心の底では、桜への警戒を緩めていなかった。

木之本桜が純粋な少女である事には半ば確信を持てている。
ただし、危険人物にさえ手を差し伸べてしまう別の意味の危険人物だとも認識しているし、
表層に出ていないだけのなんらかの精神病理を患っている危険や、特殊な思想を持つ可能性も有ると考えていた。
“あの”雛苺──
同族の生首をお化け人形の首に吊るし、桜に梨々を殺そうとさせ、自分でも積極的に襲い来る怪物を、愛せる事。

(そんなモノに優しくできるのは、心の何処かがおかしな者だけです)
ベルカナは心中でそう断言する。
心の奥が病んでしまったのか。
あるいは。

おかしなまでに純粋で心優しく、慈悲深いのか。

ベルカナは、後者であればそれで良いと考えている。
だけど自分は彼女を警戒し続けることにした。
信用するのは、アルルゥ達に任せる事にした。

信じることをベルカナの信じる仲間達に任せ、自らは信じるふりをして警戒を維持しよう。
そういう役割分担である。
アルルゥもレックスも純粋で、ヤミヤミが記憶を失い経験を持たない以上、
自分には外部の者を疑い、勘ぐり、利用し、あるいは関係を調整する役目があるという結論に至ったのだ。
0606優しい微笑みを浮かべて ◆S4WDIYQkX. 2010/02/26(金) 05:52:18ID:bXQHNs0H
「共に生き抜きましょう、さくら。私の仲間達と共に」
「仲間……? そういえばベルカナさんの仲間ってどんな子達なの?」
その問いに、ベルカナは少し声を潜めた。
「それですが、良いですか。驚くのは構いませんが、焦って逃げたりしてはいけませんよ。
 そのリインフォースの意思とやらにも後で顔合わせしてもらいますが、同じく過敏な反応はなさらないように」
「驚いても、焦るな?」
困惑する桜へ、ベルカナが返答する。
「言ったでしょう。梨々=ハミルトンはかつて敵対した者を仲間にして、あなたを助けようとしたのです」

しばらくして戻ってきたレックス達に、果たして桜は動揺した。
霧の中、梨々に襲いかかってきたというレックス。
更には森で戦いになり、梨々に押さえ込まれていたアルルゥ。
二人とも、目にした桜が驚くのは当然のことだ。

とはいえ事前の注意もあり、桜は二人を疑う様子もなくすぐに沈静化した。
一時的に起動し顔合わせをさせたリインフォースIIも、同じような経緯を辿る。
レックスの謝罪を受け入れて落ち着くまで、全ては拍子抜けするほどスムーズに進んだ。

もちろんこの和解は彼女達の純粋さと、梨々の存在が成した事である。
木之本桜もリインフォースIIも、レックスもアルルゥも、四人全てにとって梨々は仲間だった。
だから梨々の仲間であるお互いに対して、思いのほか容易く心を開き始めたのだ。
まだすれ違いは起きるかもしれない、もしかしたら落ち着いたのは表面上だけかもしれない。
だけど今のところ、そう警戒すべき様子には見えなかった。
ベルカナの警戒は今のところ取り越し苦労だと言える。
そして、これこそベルカナが自らに課した役割でもあった。

取り越し苦労をする係。

外部と外部から入ってくる者達を最大限警戒して、何かあったら対応し、何もなければ良かったね。
そんな係である。
(まったく、ずいぶんと損な役を引いた気がしますわ)
徐々に打ち解けていく様子の桜達を少し外から見守りながら、ベルカナは疲れた溜息を吐いた。
実際にも大変疲れている。
今から放送直前まで寝たところで、精神力は全快時の半分も回復するか怪しいものだ。
たっぷりと睡眠時間を取るつもりだったのに気づけばこの有様、ちぐはぐである。
それでも睡眠を取るに越したことはない。
ベルカナは深い溜息を吐き、

「私はもう少し睡眠をとりますわ。さくらも熱があるのですから無理はしないように。
 それでは、おやすみなさい」

浅い眠りに就いた。


【F-3/グランバニア城一階・宿屋/一日目/黎明】
【ベルカナ=ライザナーザ@新ソードワールドリプレイ集NEXT】
[状態]:精神力消耗大、ツーカー(→イヴ)
[装備]:ネギの杖、果物ナイフ@DQ5、ゴロンの服@ゼルダの伝説、レースのビスチェ@DQ5、
[道具]:支給品一式×4、懐中時計型航時機『カシオペア』@魔法先生ネギま!、黙陣の戦弓@サモンナイト3
    テーザー銃@ひぐらしのなく頃に、爆弾石×2@ドラゴンクエスト5、魔晶石(15点分)@ソードワールド、
    消毒薬や包帯等、ツーカー錠x3@ドラえもん、マジカントバット@MOTHER2、パワフルグラブ@ゼルダの伝説
[服装]:ゴロンの服。その下にレースのビスチェ
[思考]:少しでも寝なければ……
第一行動方針: 放送直前まで眠り、少しでも精神力を回復させたい。
第二行動方針: 朝の放送でイエローが無事だった場合、『交信』でイエローと連絡したい。
第三行動方針:イエローと合流し、丈からの依頼を果たせるよう努力はする(無理はしない)
第四行動方針:仲間を集めたい(イエローの友人の捜索。簡単には信用はしない)
基本行動方針:ジェダを倒してミッションクリア
[備考]:葵が死んだことを知りません。
    レベッカ宮本を『フォーセリアのレッサー・バンパイア』だと考えている?
0607創る名無しに見る名無し2010/02/26(金) 08:26:40ID:akB3YPLW
お、投下きてた
0608代理2010/02/26(金) 10:13:18ID:ijYeH1uy
【木之本桜@カードキャプターさくら】
[状態]:魔力消費(中)、疲労(中)、発熱、核鉄二つで回復中
[装備]:核鉄『シルバースキン・アナザータイプ』@武装錬金、核鉄LXX70(アリス・イン・ワンダーランド)@武装練金、
    クロウカード『水』『風』、リインフォースII@魔法少女リリカルなのはA's
[道具]:基本支給品×2、梨々の普段着(近くに干されている)、
[服装]:裸シーツ
[思考]:色々有って少し混乱中?
第一行動方針:状況を把握する?
第二行動方針:雛苺を止めたい、約束を守りたい、彼女にこれ以上殺人を起こさせないようにしたい
基本行動方針:状況を把握する。雛苺のそばにいてあげたい。
[リインフォースIIの思考・状態]:???、梨々の知り合いの情報を聞いている

【レックス@ドラゴンクエスト5】
[状態]:魔力中消費
[装備]:ドラゴンの杖@DQ5(ドラゴラム使用回数残り2回)、勇気ある者の盾@ソードワールド
[道具]:基本支給品×2、GIのスペルカード『磁力』@HUNTER×HUNTER、飛翔の蝙也の爆薬(残十発)@るろうに剣心
    ドラゴンころし@ベルセルク、バトルピック@テイルズオブシンフォニア、
    爆弾石×2@ドラゴンクエスト5、魔力の尽きた凛のペンダント、小さなメダル@DQ5
[服装]:普段着
[思考]:あれ、シャナもう行っちゃったの?
第一行動方針:仲間を守りつつ、レミリアとタバサを捜す。
第二行動方針:魔力が回復して余裕が出来たら、不明アイテムや水中の調査
基本行動方針:勇者としてタバサの兄として誇れるよう生きる。でも敵には容赦しない。
[備考]:エンディング後なので、呪文は一通り習得済み
    アルルゥや真紅はモンスターの一種だと思っています。
    ベッキーは死亡したと考えています。
    お城の地下に迷宮があるのを確認しましたが、重要なことだと思っていません

【アルルゥ@うたわれるもの】
[状態]:魔力消費(中)、右腕の手首から先が動かない。眠たい。寝よう。
[装備]:タマヒポ(サモナイト石・獣)、ワイヴァーン(サモナイト石・獣)@サモンナイト3
[道具]:基本支給品×2、クロウカード『泡』『駆』@カードキャプターさくら、
    海底探検セット(深海クリーム、エア・チューブ、ヘッドランプ、ま水ストロー、深海クリームの残り、快速シューズ)@ドラえもん
    スタンガン@ひぐらしのなく頃に、アタッシュ・ウェポン・ケース@BLACK CAT
[服装]:普段着である民族衣装風の着物(背中の部分が破れ、血で濡れている)
[思考]:眠たい。
第一行動方針:眠たい。寝よう。
第二行動方針:レックスについていく。
第三行動方針:レミリアやイエローを捜したい。
基本行動方針:優勝以外の脱出の手段を捜す。敵は容赦しない。
参戦時期:ナ・トゥンク攻略直後
[備考]:アルルゥは獣属性の召喚術に限りAランクまで使用できます。
    ゲームに乗らなくてもみんなで協力すれば脱出可能だと信じました。
    サモナイト石で召喚された魔獣は、必ず攻撃動作を一回行ってから消えます。攻撃を止めることは不可能。
    アリス・イン・ワンダーランドに対して嫌悪を覚えています。
    ベッキーは死亡したと考えています。

【ヤミヤミ(イヴ)@BLACK CAT】
[状態]:疲労(大)、10歳前後の容姿、ツーカー(→ベルカナ)
[装備]:レミリアの服、エッチな下着@DQ5、返響器@ヴァンパイアセイヴァー
[道具]:基本支給品×2、光子朗のノートパソコン@デジモンアドベンチャー、
    フック付きロープ@DQ5、神楽の傘(弾0)@銀魂、エーテライト×1@MELTY BLOOD、
    胡蝶夢丸セット@東方Project、ラグーン号操船マニュアル、病院服、ただの布切れ
[服装]:レミリアの服、その下はエッチな下着
[思考]:さくら、起きたんだ
第一行動方針:桜の世話をする。
第二行動方針:自分の過去を知りたい。そのために、ブルーや千秋から話を聞きたい。
基本行動方針:自分の過去を知りたい。そして罪と向き合いたい。ベルカナ達に付いて行く。
[備考]:記憶をすべて消し去りました。元世界の記憶、この島での記憶、共にありません。
    ヤムィヤムィと名づけられました。ヤミヤミという呼称が使われます。
0609創る名無しに見る名無し2010/02/26(金) 10:18:03ID:ijYeH1uy
代理投下完了。
そろそろ次スレの季節ですが…こちらもよく規制に巻き込まれるので、すみませんがお願いできますでしょうか。
0610創る名無しに見る名無し2010/02/26(金) 12:09:31ID:S1CkY+hY
投下乙〜
梨々の存在はやっぱでかかったんだなあ
チーム組みだしてからベルカナ輝いてる
0611創る名無しに見る名無し2010/02/26(金) 23:23:34ID:q7SaJhpp
次スレ立てました。
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1267193874/
0612創る名無しに見る名無し2010/02/26(金) 23:56:46ID:ijYeH1uy
>>611
スレ建て乙です。
0613創る名無しに見る名無し2010/02/27(土) 00:59:30ID:RXJ+QNbc
投下とスレ立て乙!

梨々の存在感とベルカナの思考がいいなー。
放送前はさえなかったけどこういう参謀タイプは人が増えると本領発揮だよな。
0614創る名無しに見る名無し2010/02/27(土) 01:18:13ID:Kf9oZ+GK
投下GJ! みんな言っているけど死んでしまった梨々に対しての描写がうまかったです。
ベルカナの語りのうまさもあって静かな臨場感がありました。
シャナとのドライなやりとりも面白かったです。
……しかし雛苺を保護することがもうかなわないのは良かったのか悪かったのか。
それにしても不安要素がないわけじゃないけどこのパーティーは強いな。
集団戦力としては島で最大級か。

>>611
スレ立て乙です。
0615創る名無しに見る名無し2010/02/27(土) 05:58:02ID:pRBPjqOw
スレ立て乙
じゃあこっちは埋めるか?
0616 ◆PJfYA6p9PE 2010/02/27(土) 11:38:14ID:syfWWLk0
パタリロ、明神弥彦を投下します。
ただ、このスレを使うと容量的に入りきらないので、次スレに投下します。

……できれば、昔のスレであったような埋めネタが見たいなぁという期待も込めつつw
0617創る名無しに見る名無し2010/03/01(月) 02:53:27ID:dMi+xwKq
さてこのスレはもう用済みだし、適当に生存者のAAでも貼って埋めるか
容量的に数人分くらいしか無理そうだけど

                          __
                   ヽ,,,_,,,- '''  ̄    ̄'''''  -.,.ヽ、; __
                  ,,..-"               'i r''"
                /                   ,;;ー-
                /                     ヽ
               イ   イ丿ソ^ii^i iヽヽ、          i
               l λ/  ノ|| || ヽ ヽヽ .,_          l
               !ll i i    ヽ ヽ      ' ;,          l
                ヽム       `   ,,、 <,,  ,,.- .,   l
                人スミ=;;,  、,;;;;;;;ニソ"'ヽ 丶 ii 入 i   l
                  i`'テ〒`,  '^彳〒';=-  .i i ii ヽ i   l
                    l ^'''^ !    `''''''"   i i ii,,,.//   ll
                  l   /          i i i ,/     ll
                  ll  ゝ-''         .リ>!!レi,     !
                   i   ー----      ''" ,,,;!,    !,
                     リヽ  ー-       _,,-'", ; i,    '!,
                    ヽ   ,     _,,.-''ヽ ヽ ; ; i,    '!,
                     i\,l___,,..-i;;" i  i  i .i  ; i,    '!,
                         i i ヽ;;;;;;::"i   i  !  ! '   i,,     '!,
                    __i !   i   '   '         >-;;...,,,!,_
              __,,,.. -''フフ                 ,,.-',,-''"   "'''''''=
           ,.-−フ   / /               ,/,/
         /  /   ;' ;'              ,./,/
        /   /     i i           ,,. / /

                          アリサ
0618創る名無しに見る名無し2010/03/01(月) 02:54:10ID:dMi+xwKq
              ,-ー─ 、
            _ ノ _ィ==ュ
          /__ ン´     ` ヽ 、
         ///  ィ〜、  ィ〜ー 、 ヽ
         / / ./´/ / /|. | ヽヽ ヾ 、 |
          |  /|ヽ|/_トレ'||ンヽ_\ ヽ)ヘ
         ノ  /「| /rァy    r=:、ヽ7、. ヽ  rv'7、
        //| /l弋| に:ソ .  に:ソ / ノ\ |  |、V /ユ,
     r777ュ/ .l / |. |ヘ   「 7   /ィ. /| )) 〉_ `ー/
     L_  ヽ、`⌒`ー_、_`7ュ `´ ィ ンー‐:.、ノ/ ノ::::::::7
      >、/::} k´:::::| \::ー--__>、::_::_:ノ)ー‐'`ヽ::/
       }:::::/Y \ノ   rィ´:::::::ヽヘ/__/
       ` ヽ   //    y、::::::::ノ∧'´
         `ー ´ /   /ノ` ー'"  ヽ
            `ヽ_//     _,ム
             /:: ̄ ̄::::: ̄::\
           /::::: : : .::::::::::::. : : .::\
          /:::::::: : : : .:::::::::::: : : : .:::::::\
          `ヽ::_:_: : : .:::::::::. : :_: :_:::::::::ノ
            | ヽ、_:::::::::/   l ̄
            |    | ̄ ',     |
             ,'     l   ',   |
           /   ./         ヽ
          /\__/      ヽ_ノヘ
         /:::::::::::::/       マ::::::::::ヽ
           /:::::::::::::/         ',::::::::::::::
        /:::::::::::::/             ;::::::::::::ヘ  
      r:´:-、::::::/            ∨:::::::::::\
     /:::::::::ヽ_l´             |::l::::r'::`::ヽ
     l、___/               ヽ、l::::::::::ノi
                          `ー─'

            アルルゥ
0619創る名無しに見る名無し2010/03/01(月) 02:54:51ID:dMi+xwKq
                          . . ....-‐…‐-. . .. .
                        /.:.:.:::::゚.::::::::::::/.:::::::::::`: . .、
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                     ,⊥/   /::::::::::::::::::::::: ゝ∠二Z,ノ-‐‐}
                        j/    /___::::::::::::::::::::::::::` <..イ.:::::::::::|
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                 /´     ̄ ̄`ヽ}′   `::ー-ニ二三三三三二ニ丶、
.                /     )ーく  }    `ヾテヽ`ヾ'' . : ::;;;;{`ヽ三三::ヽ
               /     厂  ゝ {、         ̄`  .ィテ>''   `ーニ彡′
               ,.ヘ/     /`ヽィ八 ノノ         {  ,′
               /::::::\   /     /         ,    |/
           ,../.:::::::::::::::::\     /;;.,   ,.::、  `ヽ ノ/
        ,.く::::\:::::::::::::::::::::::\ ...イ::.、\; .     ゝ ー- フ´
       /.:::::\.:::\.::::::::::::::::::::::>'\\:`::::ヽ:.;.     ¬'′
      /.::::::::::::::::ヽ.:::::ヽ.:::::::::::/ヽ.\\\:::::::`ト ;;.:;.:.,.ノ
    /.:::::::::::::::::::::::::::\.:::\ノ.::::::::::::ヽ.\\\{:川::::\`ヽ

                        イエロー
0620創る名無しに見る名無し2010/03/01(月) 02:55:34ID:dMi+xwKq
  「\        
  丶 )   /~)  
  / /   ( /  
  / /    || 
 ( \   || 
  \ \  / |  
   \ 丶/ /  
  _|   /__  
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄      
    小太郎
0621創る名無しに見る名無し2010/03/01(月) 02:56:25ID:dMi+xwKq
                         ___
               ,  ´ ̄    `ヽ/
              /,r-────-.....、| ゲ.素 生
             , '/:::::::::,、::::::::::::,、:::,:、::| ソ 晴 き
               〈/:::::--|/--\/-∨├| : ら て
                |ハ:::::::/'ィ=ミ    .ィ=ミ、|::|  .し る
                 \/{ 弋リ    弋リ リハ   い っ
                ___ |(l  ‐ __'__ ‐ l):::|) .で て /
              /´/,\)::\  !、  ノ , 'l , 'ィ⌒ー─'
          〈    /^):::{::`ト、 __ イ::::l|::::|:',
.            〉、   ト、:::i\_} _.   l、_:l|::::|:::\
          {:::::\_|::::}!  \`  ´ l|::::|!\::\
          ',::::::::::::::::::イ:l i  \ _ノ! ::|`ヽ.ヽ::',
            ∧_::::::://l::|    \.   |::::|\ ゛|::::|
            /   ̄| /:::l::|     ヽ |::::|  ヽ.!:::l
         {    .ノ'::::::j:ノ 丶、    .ノ:ノ  ノ.!:/
             インデックス
0622創る名無しに見る名無し2010/03/01(月) 02:58:42ID:dMi+xwKq
     __ ___      / /―- 、__
   _!:::´::::/`ヽ''´  ̄  -‐ 、 ―-<
 ,ィ´_j:i:;イ´ ,           ヽ  、 `ヽ
/ <´::::::::/  / , , / ハ i  ヽ.!  、\ハ
  〉/:i :i '.: _:!:」!-|トN  !}イ:-、! ハ:.、 ヽ ヽl
 ∠、:::::| l:i:!: f,ィ:Tハ     fT:トル':i l:、:ヽ }、!
/   :「`i :ハ:ト.、! 辷リ  , 辷リi} ノノ: ,! ハ: !
    ' :! :i:{」:.ヽ.        彳 ト、 !イ レ'
     |:! ハ:. ヽ   ´`  ,.イ l i` ! |
  ,  :! .: __ハ:. ',  __..イ: i:.  l | l l
 :/   , .; ヽ::::l:. ',   ├―‐!:  l l: ! !
.:/ .::/ /,.ィ'´::::l::. ! `U´ヾ::ハ:. V:!: l !
'  .:/ ,イ:ヽ::::::::::|:: l ̄` '´ }::ハ:  l:|:  ! |
 .:/ .:l::::::::::\:::l:. {≧、___」/::!: .:lハ:. l: !
..:/   :l::::::::::::::::`ヘ :ハ::_ハ  ̄ i:;イ :ノ::::';. N
/  /:l::::::::::::::::::、::トゝ:::::::l   !:::´::::i:::::i:. |!
  / l:::::::::::::::::::::ヾ:::::::::::_!   !o:::::::!:::::!: l!
        イヴ
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