ロリショタバトルロワイアル24
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0001創る名無しに見る名無し
2009/06/14(日) 18:17:16ID:lSvAgYo/衝動をぶち撒けろ!
欲望を解き放て!
情熱を、燃やせ!
ここは真性の漢共(女性可)が集まり、
ジャンルを問わないロリショタキャラでバトルロワイアルを行う、
あまりにもCOOLなスレです。
紳士淑女の心を忘れず冷静に逝きましょう。
前スレ
ロリショタバトルロワイアル23
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1230413656/
テンプレ、過去ログは>>2-5辺に
ロリショタロワ避難所(したらば)
ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/12693/
LSロワお絵描き掲示板
ttp://oekaki2.basso.to/user11/hisou/
LSロワお絵かき掲示板2
ttp://bbs2.oebit.jp/LoliSyotaRowa/
まとめwiki
ttp://www25.atwiki.jp/loli-syota-rowa
0286遺。(中編) 代理投下
2009/11/20(金) 01:55:22ID:TlKjQXDM何者も怖れないしっかりとした足取りで。
舞台から遠く離れた玄関口に、彼女は姿を現した。
舞台の床に這い蹲る蒼星石やニケには見えないだろう。
グレーテルが知る由も無い、ニケ達の仲間だったはずの少女。
「もう協定を破るのね、お姉さん。確かエヴァンジェリンっていったかしら」
七人の魔女の一人、エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルがそこに居た。
「そういうおまえは同盟の相棒殺しか。つくづく見下げ果てた奴だ」
「お姉さんもそうなんでしょう?」
「一緒にするな。私には最初から仲間など居なかった」
「あら、スケボーで逃げた女の子に呼ばれたんじゃないの?」
「さあな」
それはあの数秒にメロが成した事。
スケボーを引っ張り出し、ブルーと共に、力いっぱい放り投げた。
ニケと自分に手間取るグレーテルの頭上を越えて、破られた壁の向こう側へ。
動機は感情的だけれど、精密な判断で下された、ブルーを逃がす為の一手。
かくしてブルーは逃げ延びた。
「どちらにせよおまえには関係の無い事だ、小悪党。
今、おまえの目の前にいるのは不死の吸血鬼にして最強の悪の魔法使い様だ。
おまえはここでゴミ屑のように、死ね!」
無詠唱で放たれた闇の一矢が開幕を告げる。
厄種と吸血鬼の殺意が交錯した。
* * *
メロは暗闇の中で、密やかにほくそえんだ。
可能性は低かった。
半分は感情による選択だった事も否定できない。
だがあの場で取れる数少ない有効な選択肢だった事はこの結果が証明してくれた。
(完全に運試しだったな)
笑みには自嘲まで混じっている。
ブルーがあの場から逃げ延びられる可能性は低くなかった。
厄種の性格からして、戦力で圧倒的に劣る獲物はすぐに殺さず嬲り者にする可能性も高いと踏んでいた。
だがブルーが裏切らずに救援を呼んでくれる可能性は期待できなかったし、
迅速に救援が見つかり、それが少なくとも事態を掻き回す力を持つ可能性も低かった。
獲物として、神社で言葉を交わしたニケの方を優先してくれる可能性も五分五分だ。
執着する獲物を先に楽しむか、後に回して楽しむかは完全に気分次第だからだ。
むしろニケより先に惨殺され、舞台演出に使われる可能性も高かった。
殆ど奇跡の様な偶然が重なって、メロは僅かな生の可能性を得た。
(なのに……なんだ、この胸騒ぎは?)
0287創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 01:55:45ID:kOUQiWG50288創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 01:56:08ID:LoNp/PnP0289遺。(中編) 代理投下
2009/11/20(金) 01:56:27ID:TlKjQXDMエヴァンジェリン・A・K・マクダウェル。
夕方、ニケ達一行が神社に担いできたチャチャゼロの主人。
間違いなくニケの味方だろう。
そしてメロの相棒を務めていたチャチャゼロの主人でもある。
どうやら近くに転がってはいない──恐らく無言を貫いて体育倉庫に放置されたのだろう、
チャチャゼロに仲介を頼む事も出来るはずだ。
(チャチャゼロが厄種に寝返ってない事は感謝しておくか。勝ち組に付くのはおかしくないからな)
エヴァは味方。
あるいは取り入れる相手。そう考えて良い筈だ。
事は良い方向に転がっている。
生憎ニケはもうすぐ死ぬが、彼を一度助けた功績だってある──。
(不味い、自由を確保しないとヤバイ)
メロはその可能性に気がついた。
蓄えていた体力を開放していく。
拘束は鉄の楔で手首を舞台の床に挟み込んだだけ、手首自体を破壊されてはいない。
爪剥ぎ器で拷問するためには、指の感覚が生きていなければならないからだ。
おかげで監視さえ無ければ抜け出る隙がある。
ほんの少し。
ほんの少しだけ楔を浮かせる事が出来れば、腕を抜く事ができる。
しかし、びくともしない。
楔は強固に床板を噛み締めていて、片腕の、それも力の入りにくい体勢からではぴくりとも動かない。
(チッ。仕方がないか)
メロは覚悟を決めると、声を漏らさないように強く歯を噛み締めて。
「…………っ」
右手の親指の間接を、亜脱臼させた。
要するにポピュラーな縄抜けだ。
しかし一度外した間接は戻してもずっと痛み続けるし、外す時の痛みも強烈なものとなる。
数日の範囲で言えば親指の握力を捨てたようなものだ。
(左腕は感覚も鈍く指を二本失い、右腕も親指無しか。
まあ良い、握力は落ちるが物を握れないわけじゃない)
メロは痛みと不便をその一言で片付けた。
そして顔に掛かった布を首の振りでずらして、戦いへ目を向けた。
エヴァとグレーテルの戦いは、傍目からでも趨勢が見えていた
それは瞬時に決着するという物では無かったが、一方的な物には違いない。
優勢なのは……エヴァ。
広い体育館内で戦っている事が最大の要因だったのだろう。
グレーテルは遮蔽物を利用した撹乱しながらの戦いにおいてはプロフェッショナルでも、
開けた空間での正面対決を得意としているわけではない。
そもそも戦闘経験では数百年を生きたエヴァンジェリンに敵うはずもない。
天性の才覚と闘争本能でこの戦場に向いた武器である突撃槍を使いこなしつつはあったが、
それでもまだ、自在に飛び回り的確な魔法で戦機を支配するエヴァンジェリンには及ばない。
何より全身の負傷が体を引き摺り、その強みさえも殺している。
核鉄状態で行動した数時間はかなりの傷を癒してくれたが、それでも依然ハンデが残る。
グレーテルの攻撃がエヴァに届く様子は一切無い。
しかしそれでもメロは、エヴァンジェリンが歯噛みしているのを見た。
(なるほど、そういう事か)
0290創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 01:56:59ID:LoNp/PnP0291創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 01:59:52ID:LoNp/PnP0292創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 02:00:39ID:MMwqttt70293遺。(中編) 代理投下
2009/11/20(金) 02:01:34ID:TlKjQXDM当たれば氷結する魔法の矢は受け止めた突撃槍の武装錬金を一瞬だけ凍らせて、
次の瞬間にはエネルギーの飾り布で溶かされる。
戦場はエヴァにとって有利だったが、武器の相性はむしろ不利だ。
グレーテルが全力で戦えば、勝敗は覆らずともここまで一方的な趨勢を見せてはいない。
グレーテルは本気で戦っていなかった。
(あの厄種、既に退き際を捜していやがる)
勝てると見ればどこまでも高圧的に。
しかし勝てないと見れば即座に退く。
劣勢の側にとって模範解答だろう。
優勢の側にとっても退こうとするその瞬間を狙うのが一番効率的だ。
その判断自体は素早く、的確である。
(所詮は感覚だけに頼る相手だ、誘い込めば……いや、今は良い)
それ以前に距離を取らなければならない。
この戦いから離れなければならない。
あの二人の戦いが決着するその前──。
予想外に早くその瞬間が来た。
ウンデキム・スピリトゥス・グラキアーレス・コエウンテース・イニミクム・コンキダント・サギタ・マギカ・セリエス・グラキアーリス
「氷の精霊11頭、集い来たりて敵を切り裂け。魔法の射手・連弾・氷の11矢!」
エヴァが唄うような詠唱と共に十一の氷の矢を解き放つ。
囲い込むように放たれた氷の矢は、しかしただの布石。
これによりグレーテルの左右と後方は封じられ、残るは前方のみ。
だがエヴァは無策な突撃など容易く返り討ちにするだろう。
よってグレーテルは、突撃槍の武装錬金サンライトハートの推進力を使い。
上空へと飛んだ。
それだけなら戦いはエヴァの勝利で決着していただろう。
空中でもエネルギーの飾り布で推進力を得る事は出来るが、逆に言えばそれだけだ。
二本の足で地面を駆け回れる地上に比べればどうしても小回りが利かない。
だが、それだけではなかった。
メロの目と鼻の先に引き裂かれたボトルが落ちてきた。
(不味い!!)
メロは咄嗟に鼻を押さえ息を止める。
大きな動きは目覚めている事を発覚させるが、最早そんな事を言ってはいられない。
視界の端でそれを見たエヴァも理解する。
グレーテルが舞台に投げたボトルからは毒ガスが溢れ出していた。
塩素系洗剤と酸性洗剤を混ぜた為に生まれる塩素ガスだ。
メロは刺激臭を感じた瞬間に目を細め自由になっている右手で鼻を覆ったが、
完全に動きを封じられているニケはそうもいかない。
溢れ出した毒ガスは身動きの取れないニケを包み込もうとし。
ニウィス・カースス
「氷爆!」
エヴァの放った氷の爆発が天井近くで滞空するグレーテルに襲い掛かった。
同時に爆風が巻き起こり、毒ガスを吹き消す。
攻撃と救助を両立した最適の戦術。
では、ない。
防御を鑑みた攻撃はどうしても甘くなる。
爆風を舞台に届かせるため、氷の爆裂は僅かに低い位置へとズレていた。
恐らくエヴァはこの隙にグレーテルが逃げる事を、仕方なしとしたのだろう。
仲間だと気付かれれば人質に使われてしまう。
だからエヴァはこの戦いの間そんな様子をまるで見せなかったが、
ニケを見捨てたわけでも気付いていなかったわけでもなかったのだ。
0294創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 02:02:46ID:kOUQiWG50295遺。(中編) 代理投下
2009/11/20(金) 02:03:13ID:TlKjQXDM「馬鹿が!!」
エヴァが歯噛みする。
上空で起きた氷の爆発は高熱のエネルギーで吹き消されていた。
同時に閃光が降り注ぐ。
目が眩む。エヴァの視界が山吹色に塗り潰される。
グレーテルの狙いは逃亡などではなかった。
逃亡すると思わせた隙を突き、必殺の一撃を放つ事。逆境ですら殺害を選ぶ狂犬の選択だ。
空中に浮かぶ突撃槍の武装錬金に片手で掴まり、もう一方の手に拳銃を握り締めていた。
エヴァとの戦闘中には奇妙に思えるほど使っていなかったソードカトラス。
予想だにしない銃弾の引き金が、引かれた。
続けざまに、三回。
「ぐぁっ」
浅い。
ギリギリでメロの叫びが間に合ったのか、それとも狙い自体が逸れたのか。
三発の銃弾は一発が左肩を貫き、そこまでだった。
しかしグレーテルもそうなるかもしれない事を見越していたのだろう。
突撃槍サンライトハートを盾にしながら、飾り布のエネルギー出力を開放する。
そのまま天井を突き破り、この場から逃亡しようとする。
「逃、すかァッ」
絶叫と共にエヴァが手を伸ばす。
空へと逃げようとするグレーテルに向けて。
「リク・ラク・ラ・ラック・ライラック」
その手の先に渾身の魔力が集中し。
空気の凍てつくキンキンという耳障りな音を立てて。
伸ばした手から、白いビーム状の剣が発生していた。
いや、それはビームなどではない。
触れたものを強制的に気体へと相転移させ、全てを断ち切る必殺の魔法。
エンシス・エクセクエンス
「エクスキューショナーソード」
白き剣がサンライトハートを貫いた。
それでもエヴァの表情は歪む。
サンライトハートを貫いた切っ先はしかしグレーテルを僅かに外れ、その服を掠めていた。
直撃してはいなかったのだ。
だが何故か、グレーテルの表情も苦痛に歪む。
「ああああああああああああぁっ」
絶叫と共にサンライトハートのエネルギー放出が全開に達する。
槍の切っ先が体育館の天井に突き当たる。瞬時に槍が突き破る。
少女の姿は天井を突き破って遥か上空で方向を転換し、何処かへと飛び去った。
騒音を立てて天井の破片と共に、豪雨が体育館の床を叩き始めた。
厄種は、去った。
遠くへ。
0296創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 02:04:00ID:LoNp/PnP0297創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 02:04:05ID:kOUQiWG50298遺。(中編) 代理投下
2009/11/20(金) 02:04:22ID:TlKjQXDMエヴァは戸惑いを露にした。
エクスキューショナー・ソード。
極めて高度な魔法ではあるが、古典ギリシア語ではなくラテン語で構成されたこの魔法は、
今のエヴァが使える魔法の中で最強クラスの殺傷力を誇る。
直撃部分を蒸発させるビーム状の剣部分は一撃必殺の破壊力を持っているし、
直撃までしなくとも強制的に相転移された物質は急激に温度を奪われる。
グレーテルにも相応の冷気を至近距離から浴びせる事が出来たはずだ。
しかし強烈な苦痛を感じる程の冷気であれば、悲鳴の前にまず体が凍えるはずだ。
強烈なエネルギー噴射で冷気を緩和されたのだとすれば、それこそ悲鳴を上げる理由が無い。
エヴァの中に一抹の困惑が残り、それ以上に。
「うぐ……くそ、やってくれたな、小娘……っ」
湧き出す苦痛に表情を歪ませた。
グレーテルの持つソードカトラスから放たれたのは本来の9mmパラベラム弾ではなかった。
それより僅かに小さい.380ACP弾、所謂9mmショート弾だ。
9mmパラベラムとそれより僅かに大きい9mm×21弾を使えるソードカトラスとはいえ、
9mmショート弾は本来対応していない種類の弾丸だ。
同じ自動拳銃用同口径弾とはいえ、下手をすればジャム(弾詰まり)を起こしてもおかしくない。
本来の9mmパラベラム弾の弾数に余裕が有ったにも関わらず、9mmショート弾を使った理由は何か。
「う……ぐ…………ああああああっ!!」
鉤爪が伸びたエヴァの指先が肩の銃創を突き刺し、抉り、掴み取る。
引き抜いた。
その銃弾は、エヴァの指先で銀色に輝いていた。
メロが所持していた十四発の銀の銃弾。
魔に属する者を打ち破る必滅の弾丸である。
幾ら日光を克服したエヴァンジェリンといえども、この弾丸は通常の弾丸以上に痛手であった。
予想以上のダメージさえなければ処刑人の剣はグレーテルの体を貫いていたはずだ。
弱々しく左腕を握り締めようとする。
指が少し動いただけだった。
(左腕は、ダメか)
雨が降っているとはいえ、満月の夜だ。
この日のエヴァは吸血鬼の力を大幅に取り戻す。
その再生力により出血を心配する必要は無かったが、機能は殆ど死んでいた。
何日もすればともかく、一朝一夕で回復する事は無いだろう。
(近づけなければ良い話だ)
そう切って捨てる。
エヴァの主武器である魔法への影響は殆ど無い。
近寄られた時の危険は増大したが、どうにもできない程ではない。
エヴァは一切の問題なく、戦える。
それを確認した彼女は舞台を見た。
そこに在る、惨状を視た。
0299創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 02:05:36ID:kOUQiWG50300遺。(中編) 代理投下
2009/11/20(金) 02:05:56ID:TlKjQXDM両腕を負傷しているようだが、それでも彼は軽傷な方だ。
次に四肢を引き裂かれた人形、蒼星石が目に入る。
無惨だった。恐らくはもう、何も出来ないだろう。
それから掘り起こされた古手梨花の姿。
エヴァが殺してしまった。殺した少女の、遺体。
心を凍らして意識的に無視する。今は、立ち止まれない。
最後に、ニケの姿が目に入った。
エヴァは少しだけ、息を呑んだ。
どうしようもない。
そういう惨状だったから。
即死していないのは嬲り殺しを好むグレーテルが傷つけたからだ。
だから、まだ、死んでいない。
まだ。
意識が有るのかも判らない、惨状。
それが今のニケの概況だった。
エヴァの目が、舞台袖から立ち去ろうとするメロを捉えた。
二人の目が合う。
思考までも。
闇の世界に生きた二人は、それぞれの素振りを見ただけで、その意図を理解していた。
「チャチャゼロは多分倉庫の方に転がっているはずだ」
「……なに?」
しかしメロの言葉はエヴァにとって予想外のものだ。
メロは続ける。
「あいつはこの島に来てから俺の相棒だった。お互いに世話になった」
「そうか」
メロが思ったとおりの、乾いた答え。
メロは続ける。
「それからそこに転がっている人形のガキはさっきの厄種の仲間だった」
「知っている」
メロにとって少し予想外の、予想できなくもなかった答え。
メロは続ける。
「そこのニケも何度か俺が助けた。神社でおまえを背負ってきた奴らと会ってな。縁が有った」
「そうか」
予想通りの会話を経て。
「あんたはこれまでに何人殺した?」
「生憎、そこに転がっている娘だけだよ」
メロは脱兎の如く舞台袖から逃げ出した。
エヴァが、それを追った。
* * *
0301遺。(中編) 代理投下
2009/11/20(金) 02:06:52ID:TlKjQXDM「ブルーか」
飛び出したメロは学校裏の森まで逃げ込もうという所で、彼女に出会った。
ブルー。
雨の中、木々の陰に隠れて学校の様子を見ていた少女。
メロが逃がした、恐らくはエヴァを呼び込んだ、メロの仲間だと言えなくもない女。
「その分じゃあのエヴァって女はあなたを助けてくれたみたいだけど」
「ああ、だが逃げろ!」
「えっ」
魔法の矢が飛来した。
「な、なんで襲ってくるのよ! あいつは神社に来たお人よし共の仲間でしょう!?」
「その仲間が瀕死で、動けない瀕死の敵が一人居て、それから既に殺したのが一人!」
走りながらのメロの叫びで理解した。
追える速さで逃げたメロを殺し、戻って動けないもう一人を殺せば、ご褒美が貰える。
しかしまだ疑問が続く。
叫び問い、喚く答えが返ってくる。
「どうして! 正義の味方の味方なら、こんな事っ」
「そして奴は、自分を悪の魔法使いだと自称した!」
「っ!!」
エヴァは確かにニケの仲間だった。
だからエヴァは、攻撃を半ば防御に回してでもニケを毒ガスから助けた。
しかしエヴァは悪だった。
だから道徳や倫理に縛られる事は無い。
自らの悪の誇りにさえ折り合いを付けて、エヴァはメロに襲い来る。
そして戦いのプロフェッショナルではないメロが。
戦いの指揮のプロフェッショナルでしかないブルーが。
ダークエヴァンジェル
闇の福音 から逃れうるはずがない!
ウェニアント・スピリトゥス・グラキアーレス・エクステンダントゥル・アーエーリ・トゥンドラーム・エト・グラキエーム・ロキー・ノクティス・アルバエ……
「来たれ氷精、大気に満ちよ。白夜の国の凍土と氷河を……」
メロは響く詠唱にハッと振り返り、ブルーを横へと突き飛ばした。
泥と水飛沫が弾ける地面を踏みしめて、メロは闇に閉ざされた空を見上げた。
(来る)
逃れえぬ攻撃が。
クリュスタリザティオー・テルストリス
「こおる大地」
血飛沫が舞った。
叫びと苦悶が交錯した。
エヴァンジェリンは上空からメロの姿を目視する。
視界は二人の持つ明かりからも外れて闇に覆われていたが、吸血鬼の視界に問題は無い。
降りしきる豪雨と凍てつく氷霧さえも、視界を隠し切る程ではない。
メロの胸の中央は真紅に染まっていた。
真っ赤な血の華が咲いていた。
0302遺。(中編) 代理投下
2009/11/20(金) 02:08:23ID:TlKjQXDMまだ苦悶に蠢いてはいるが、とどめを刺すまでも無い。
メロの側に居るもう一人の仲間を殺す理由も。
別れの言葉を交わすなら交わせば良い。
その程度の情けと、理由がある。
「聞くがいい、地を這う無力な子供」
彼女の名を。
ダーク・エヴァンジェル マガ・ノスフェラトゥ
「私の名は『闇の福音』、『不死の魔法使い』、エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル!
最強の悪の魔法使いだ!
語り継ぐがいい、怖れるがいい、徒党を組み抗うが良い!
私は……悪だ!!」
悪として固められればそれで良い。
エヴァは踵を返し、学校の体育館に向けて飛び去った。
悪らしく、身勝手に、ただ自分の都合と理屈のためだけに。
あと一人を殺すために。
* * *
かくして舞台は再び、体育館の舞台へと舞い戻る。
そこはメロとエヴァが出て行った時のままだった。
グレーテルは天井を突き破って突撃槍で飛び去って、そのままだ。
あの絶叫がダメージによる物だとすれば、すぐには戻って来ないだろう。
古手梨花は死体として転がっているだけだった。
死体とは全てが終わった存在だ。
蒼星石は呆然と転がっているままだった。
もがれた四肢は彼女の選択肢を削ぎ落としていた。
ニケも楔に両手を括られたままだった。
まだ死んではいなかった。
違いが有るとすればただ。
目を見開き、粗い息を吐いて、意識を取り戻していた。
ただそれだけ。
だからエヴァは頓着する事も無く足を進める。
「待て、よ」
そこに居る少年を助けようとしている。だけどそれはエヴァの勝手だ。
少年の意思を尊重する理由なんてこれっぽっちも有りはしない。
「待てよ……エヴァ!!」
だけどニケはそれを理解していないようだから。
エヴァは立ち止まり、ニケの姿を見下ろした。
0303創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 02:08:26ID:LoNp/PnP0304遺。(中編) 代理投下
2009/11/20(金) 02:09:40ID:TlKjQXDM体は紅く染まり、血に濡れていない所を捜す方が難しい。
さっきのメロの何倍も、多く深く傷つけられた。
なのにニケは生きていた。
まだ、生きていた。
悲鳴を楽しめるように、すぐには死なないように。傷は場所を選んで穿たれた。
生き残る事のないように、ゆっくりと死ぬように、部位を選んで壊された。
エヴァはこの状態のニケを治す魔法なんて知らない。
元来不死であるエヴァは回復魔法に疎いのだ。
人を強化し操る力も制限されたし、元よりそれは傷を治す便利な術になりえない。
自分を治したらしいインデックスと会おうにも、移動させればそのまま死に果てる。
工場から彼女を攫って往復しても間に合わない。
エヴァにニケを救う手段は、一つしか無かった。
「思ったより元気そうだな。
しかし生憎だが、今のおまえに喋る権利は無い。恨み言なら後で聞いてやるぞ?
今、言葉を遺す権利が有るのはそっちの人形の娘だけだ」
蒼星石はビクッと震えた。それだけだ。
ニケは痛みを堪えて、囁くような声で精一杯、叫んだ。
「ご褒美でオレを回復するってのか!?」
エヴァは笑いもせず、ただ見下ろして。
頷いた。
「ああ、そうだ。だが高町なのはと一緒にするなよ。
私は正義の味方だなんて言うつもりは無い。
正しさに流されるつもりは無いし、勿論これが正しいなどとほざくつもりも無い。
私は私に都合が良いから、そこの人形を壊して、殺して、おまえを治す。
それだけだ」
高町なのはがそんな事をした、という事をニケは知らない。
だがそれはこの場に関係すらしていない。
「意味がわかんねー、よ」
「判らなくていいさ。これは私の勝手な願望にすぎん。
私はジェダを倒したい。だがその手段は私が選ぶ。
おまえの素っ頓狂な光魔法とやらはそれなりに有効そうだからな。
だからおまえを生かす、それだけの都合に過ぎないんだよ」
「こ、これはあれか。
『ア、アンタのためじゃないんだからね!』とか言うやつのヤバイバージョンその名もヤンデ」
「何事も茶化せば済むと思うなよ」
「うぐ……」
どうでもいい事だがツンとヤンは全く違う。
「私が気に食わないというなら正義の味方として私を倒しにくるがいい。
その時こそ私はおまえを迎え撃ってやろう」
ニケはじっと黙り。
エヴァもニケを見つめて。
ニケが、言った。
「……なんで、だよ」
エヴァが、応えた。
「おまえは勇者様で、私は悪の大魔法使いだ。
おまえは光の道、私は闇の道。ならば何時か道を違えるのは判りきっていた事だ」
また少しだけ、沈黙して。
血まみれのニケは、氷のような冷笑を浮かべているエヴァを見上げて。
「違うだろ」
「ほう? 何がだ」
ニケが、言った。
「おまえはオレ達の仲間だろ」
「………………」
沈黙を打ち落とした。
0305遺。(中編) 代理投下
2009/11/20(金) 02:11:08ID:TlKjQXDMすっげー似合ってるし正義の味方っていうよりラスボスみたいカッコただしツルペタで
ちんちくりんな事以外カッコ閉じるだけど」
「ッ………………」
一筋の青筋。ただそれだけで無視。
「でもさ!」
ニケが、言った。
「エヴァはオレ達の──オレとオレの仲間の、仲間じゃねーかっ」
「……勝手に決めるな」
あと今ので好感度落ちたぞと付け加えそうになった言葉を呑み込む。
エヴァはどこまでも冷たく、突き放す。
「大体、蒼星石はおまえの仲間ではないだろう?
仲間割れをしたようだが、そいつもおまえを襲った一人のはずだ。
私がそいつを殺そうとおまえには関係の無い事だろうよ」
「だけど」
「誰彼構わず助けるのが勇者様か? 立派だ。本当にご立派な事だな。
だがそんな事では結局のところ誰も助けられない。
そんな事では最初の頃の高町なのはの方がマシだったぞ!」
「だけどこいつは」
ニケが、言った。
「こいつは、オレを殺さなかった」
沈黙。
静寂にも喧騒にもなれない、中途半端なただの沈黙。
穴から響く雨音が、屋根を叩く雨音が響き続ける。
その中で。
「だが、おまえには何もできない」
正しさの確信にも至らぬまま、ただ決断が成される。
エヴァはニケの前を通り過ぎ、蒼星石の許へ向かおうとして。
ニケから視線を外そうとして。
ほんの僅かだけ、それよりも早く。
そんな事は無いと笑い。
勇者ニケが、叫んだ。
「光魔法『カッコいいポーズ』!!」
「なにぃ!?」
魔物など闇に属する存在を縛る聖光がニケの全身から放射されていた。
見ればニケを括る両手の楔拘束は横に伸ばした大の字型だ。
足を封じられてはいない。
それならば出来る。定められたあのポーズを作る事が。
両手と指を左右に伸ばし、片足の膝を曲げ、もう片方の足は伸ばす。
それだけで作れる、カッコいいポーズ。
そこから放たれる聖なる光に照らされれば、
真祖とはいえ闇に属する吸血鬼であるエヴァが動けるはずもない。
しかし同時に、そこまでだ。
鼻で笑うエヴァ。
「フン。それで? そこからどうするつもりだ」
ニケはこの魔法を使用している間、何もできない。
ただでさえ拘束され深手を負っているニケには、尚更何も出来ない。
エヴァに殺害させまいとした蒼星石にも。
「そこの人形はどうせここまでだ。
手足をもがれて、戦う事は愚か逃げる事もできはしない」
「………………」
「考えも無しか? おまえもどうせその傷では……いや、おまえまさか!?」
エヴァは、その結末に気がついた。
ニケが、不敵な笑みでそれに答えた。
「この、愚か者がぁっ!!」
0306創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 02:11:52ID:kOUQiWG50307遺。(中編) 代理投下
2009/11/20(金) 02:12:17ID:TlKjQXDM絶叫と共にエヴァは足掻く。光魔法から逃れようとする。
だが、できない。
カッコいいポーズはエヴァの自由を完全に奪っていた。
エヴァは怒りの言葉を叩きつけた。
「そのまま死ぬ気か、貴様!」
ゆっくりと死にゆくニケに。
ニケの傷は即死するものでこそないが、完全に致命傷だった。
例えばそれは、エヴァが空を飛んで工場とを往復しインデックスを連れてきて
それから回復の儀式を行っていてはまず間に合わない位に。
そこへ来て寝そべりながらとはいえ無理な体勢を作ってのカッコいいポーズを使えば、
ニケが死ぬまでにかかる時間は更に短くなる。
もし死の瞬間までカッコいいポーズを維持されれば。
いや、そうでなくとも死の直前まで維持されればご褒美を呼んでも間に合わない。
「そんな選択に何の意味がある!」
エヴァは言葉を尽くしてニケを説得しようとする。
ニケを思い止まらせなければならない。
この自滅を止めなければならない。
だけど。
「そこでおまえが死んだところで、その人形娘はもうどうにもならないのだぞ!
そんな死に損ないを助けてどうする!」
「エヴァが、連れてってくれよ。ランドセルにでも入るだろ」
「どうしてそこまでして助ける!?」
ニケは、小さく息を吐く。
少し呆けたように、目を瞬かせた。
それから、言った。
「だって、エヴァが誰か殺すのもイヤだしさ」
答えに。
「もう遅いっ。おまえの横に転がる古手梨花は……私が、殺したんだ」
嘆き。
「……苦しそーじゃないか、エヴァ」
読みに。
「それに、さっきの奴も殺してきた。おまえの動機は全てが手遅れだ! 何もかもな」
怒り。
「一人殺したら、もうダメなのか。二人殺したら、戻れないのかよ」
訴えた。
「オレは、エヴァのことを嫌いになるなんてまっぴらだからな」
エヴァが息を呑んだ。
ニケは語る。
「オレは仲間を嫌いになんてなりたくないんだ。
仲間が仲間を殺すなんてイヤだね」
エヴァが食いつく。
「おまえを殺せなかった人形が仲間扱いなのは良いだろう。
だがおまえは見えているのか? おまえがしようとしている事が」
しかしその論理は。
「おまえがこのまま死ねばそれは厄種のガキの殺害数になるだけだ。
後には四肢をもがれた無力な人形が転がるだけ。それだけだ」
エヴァが本来信じている論理ですらない。
「なんの意味がある。全ては死に向かうだけだ」
ニケを封じようとしただけの声でしかなかった。
だからニケは振り払う。
「さっき正しいからは理由にならないって言ったのは、エヴァだろ」
吐き出す想いで、粘りつく泥沼を。
0308遺。(中編) 代理投下
2009/11/20(金) 02:13:45ID:TlKjQXDMもう助からないから殺すって、もっと違うだろ。
殺した奴は嫌われて、殺された奴の仲間は悲しむんだ。
戦わなきゃいけないのかもしれないけど。
殺さなきゃ生きられないのかもしれないけど。
仲間が仲間を殺すなんて、仲間が敵に殺される以上に最悪じゃないか。
誰かを嫌いになるなら、敵だけ嫌いになった方が、マシだっ」
ご褒美システムを、振り払う。
エヴァは気付いた。
ニケの視線が最早焦点を失っている事に。
恐らくはこの多弁ささえも、意識を保つ最後の綱。
呼吸器は傷つけられていないから言葉を紡ぐことはできるけど、それもあと少し。
叫びを最後にニケの体から力が抜けていく。
もう、死ぬ。
今更ご褒美を呼んだところで間に合いもせず。
それでもギリギリまで、カッコいいポーズを放ち続けて。
「だから……この方が、マシだっ」
訪れる死を前に。
遂にエヴァは、目の前の勇者の生存を諦めた。
「くそう、結構心残りが多いぜ。
なのはに酷い事言ったのを謝れなかったのと……
八神はやてが死んでヴィータがどうしてるのかと……
エヴァがこれからどうするのか結局わかんねーのと……
グレーテルって子がクソみてーな世界に居続けてるのと……
インデックスのシースルーな格好をもう一度拝めなかったのが心残りだ」
「…………フン。女の子ばかりだな、というか最後のを他と同列に語るなっ」
「あ、途中のグレーテルって子は女の子じゃなかったってゆーか男の娘だったってゆーか」
「なに!? 確かに戦闘中おかしかったが、しかし同じようなものだ!」
エヴァも、今度は律儀にツッコミを入れた。
なのはが過酷で無惨な様になっていた事も、ヴィータが魔女の連合に居た事も胸に仕舞って。
グレーテルについてどうしようもないと考えている事も、エヴァがこれからどうするかも話さずに。
そのツッコミはきっと、半分くらい優しさで出来ていたのだろう。
ニケはニッと笑って。
息を吐いて、吸って。
「……それ、から…………」
最後の心残りを吐いた。
一番たいせつなひとの名前を。
「ククリに会えなかったのが、心残りだ」
「ククリ?」
転がっていた、四肢をもがれた人形が。
呆然と話を聞いていただけの少女が。
蒼星石が、顔を上げて呟いた。
「まさか君は、ニケ君なのか?」
0309創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 02:14:57ID:kOUQiWG50310創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 02:17:48ID:kOUQiWG50311創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 02:19:57ID:LoNp/PnP0312創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 02:21:43ID:kOUQiWG50313創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 02:22:38ID:+UYrLeDu0314遺。(中編) 代理投下
2009/11/20(金) 02:23:16ID:TlKjQXDMニケは精一杯に頷く。
「あ、ああ……まさかおまえ、ククリに会ってたのか」
蒼星石は知っている。
トリエラ達との情報交換で、ククリという少女がニケという少年を捜していた事。
それからどんな経緯を辿りどんな“結末”を迎えたかも、知っている。
だから答えた。
「ククリさんは、何人もの仲間に守られて、北東の街の旅館に居たよ。
温泉なんかも有ったよ、あそこは」
「マジかよ、ずりぃ…………ちくしょう、覗きたかったぜ。
でも、ほんとうにぶじでよかった」
ホッと、息を吐いて。
気が抜けて。
力が抜けて
「ニケ!」
響き渡ったエヴァの叫びに。
最期に一言だけ、ニケは言葉を吐き出した。
「やっぱ勇者ってサイコーだぜ」
命と一緒に吐き出した。
そうやって。
勇者ニケは、死んだ。
【ニケ@魔法陣グルグル 死亡】
【D−4周辺/不明/2日目/黎明】
【グレーテル@BLACK LAGOON】
[状態]:疲労(中)、全身凍傷(軽)、左腕負傷(大)
喪われた心臓の代わりに核鉄(サンライトハート)が埋め込まれている。
核鉄に大ダメージを受けたため消耗大
[装備]:サンライトハート(相当な損傷を受けた)@武装錬金
ソードカトラス×2(1+15/15)(銀10/15)@BLACK LAGOON、ソードカトラス専用ホルダー
[道具]:基本支給品一式、塩酸の瓶×1本、毒ガスボトル×1個、ボロボロの傘
ソードカトラスの予備弾倉×3(各15発、一つだけ12発)、バット、
蝶ネクタイ型変声機@名探偵コナン、救急箱、エルルゥの薬箱の中身@うたわれるもの
(カプマゥの煎薬(残数3)、ネコンの香煙(残数1)、紅皇バチの蜜蝋(残数2))、100円ライター
スペクタルズ×8@テイルズオブシンフォニア、クロウカード『光』『剣』@CCさくら、
コエカタマリン(残3回分)@ドラえもん、
[服装]:いつも通りの喪服のような黒い服。胸の中央に大きな穴が空いている。雨に濡れて湿っている。
[思考]:不明
第一行動方針:不明(「南の方」に向かう、再襲撃する、隠れて休むなど)
第二行動方針:千秋との再会を楽しみにする。千秋が「完全に闇に堕ちた」姿を見届けたい。
第三行動方針:機会があればまた紫穂と会いたい。2人きりで楽しく殺し合いたい。
基本行動方針:効率よく「遊ぶ」。優勝後はジェダに「世界のルール」を適用する(=殺す)。
[備考]:キルアの名前は聞いていません。
シルバースキンの弱点(同じ場所をほぼ同時に攻撃されると防ぎきれない)に勘付きました。
「殺した分だけ命を増やせる」ことを確信しました。ただし痛みはあるので自ら傷つこうとはしません。
銀の銃弾は微妙に規格が違う為、動作不良を起こす危険が有ります。使用者も理解しています。
0315遺。(中編) ◇T4jDXqBeas
2009/11/20(金) 02:23:24ID:kOUQiWG5ニケは精一杯に頷く。
「あ、ああ……まさかおまえ、ククリに会ってたのか」
蒼星石は知っている。
トリエラ達との情報交換で、ククリという少女がニケという少年を捜していた事。
それからどんな経緯を辿りどんな“結末”を迎えたかも、知っている。
だから答えた。
「ククリさんは、何人もの仲間に守られて、北東の街の旅館に居たよ。
温泉なんかも有ったよ、あそこは」
「マジかよ、ずりぃ…………ちくしょう、覗きたかったぜ。
でも、ほんとうにぶじでよかった」
ホッと、息を吐いて。
気が抜けて。
力が抜けて
「ニケ!」
響き渡ったエヴァの叫びに。
最期に一言だけ、ニケは言葉を吐き出した。
「やっぱ勇者ってサイコーだぜ」
命と一緒に吐き出した。
そうやって。
勇者ニケは、死んだ。
【ニケ@魔法陣グルグル 死亡】
【D−4周辺/不明/2日目/黎明】
【グレーテル@BLACK LAGOON】
[状態]:疲労(中)、全身凍傷(軽)、左腕負傷(大)
喪われた心臓の代わりに核鉄(サンライトハート)が埋め込まれている。
核鉄に大ダメージを受けたため消耗大
[装備]:サンライトハート(相当な損傷を受けた)@武装錬金
ソードカトラス×2(1+15/15)(銀10/15)@BLACK LAGOON、ソードカトラス専用ホルダー
[道具]:基本支給品一式、塩酸の瓶×1本、毒ガスボトル×1個、ボロボロの傘
ソードカトラスの予備弾倉×3(各15発、一つだけ12発)、バット、
蝶ネクタイ型変声機@名探偵コナン、救急箱、エルルゥの薬箱の中身@うたわれるもの
(カプマゥの煎薬(残数3)、ネコンの香煙(残数1)、紅皇バチの蜜蝋(残数2))、100円ライター
スペクタルズ×8@テイルズオブシンフォニア、クロウカード『光』『剣』@CCさくら、
コエカタマリン(残3回分)@ドラえもん、
[服装]:いつも通りの喪服のような黒い服。胸の中央に大きな穴が空いている。雨に濡れて湿っている。
[思考]:不明
第一行動方針:不明(「南の方」に向かう、再襲撃する、隠れて休むなど)
第二行動方針:千秋との再会を楽しみにする。千秋が「完全に闇に堕ちた」姿を見届けたい。
第三行動方針:機会があればまた紫穂と会いたい。2人きりで楽しく殺し合いたい。
基本行動方針:効率よく「遊ぶ」。優勝後はジェダに「世界のルール」を適用する(=殺す)。
[備考]:キルアの名前は聞いていません。
シルバースキンの弱点(同じ場所をほぼ同時に攻撃されると防ぎきれない)に勘付きました。
「殺した分だけ命を増やせる」ことを確信しました。ただし痛みはあるので自ら傷つこうとはしません。
銀の銃弾は微妙に規格が違う為、動作不良を起こす危険が有ります。使用者も理解しています。
0316創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 02:26:32ID:kOUQiWG5どうしようか
規制大丈夫ですか?
無理そうなら引き継ぎますが
0317創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 02:29:51ID:TlKjQXDMすみません、ちょっとちょくちょくお待たせするのもあれなので。
できる限り支援に回りますので、引き継ぎをお願いしてもいいでしょうか。
0318創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 02:30:44ID:kOUQiWG50319遺。(後編) ◇T4jDXqBeas
2009/11/20(金) 02:31:28ID:kOUQiWG5あれほどの戦闘経験者が追撃を掛けずに立ち去るのは──ブルーを見逃した事は不可解だが、
既に致命傷を与えているからに他ならない。
事実、近寄って見たメロの姿は致命傷を受けているようにしか見えなかった。
氷の刃は折れたのか貫通こそしていないものの、
丁度心臓の上の場所を正確に、真っ赤な血で染め上げていたのだから。
だからエヴァが飛び去った後でメロが不敵な笑みを浮かべても、理解できなかった。
「予想通り、焦っていやがる」
「え……?」
困惑の声を上げて、数瞬してから気付く。
エヴァがニケを助ける為にご褒美を求めているならば。
もう一人分の殺害予定を体育館に放置しているならば。
エヴァには“何か切り札が有るかもしれないブルーにまで戦いを挑む理由が無い”。
もちろんその可能性は低いが、何らかの支給品で足止めを喰らう可能性は否定できない。
それなら遠距離からメロに致命傷を与えただけで、近寄らずに退く事は、
一刻一秒を争う状況では妥当な判断だったと言えるだろう。
しかしメロのそれを見落とした事は明らかな失敗だった。
「ぐ……賭けに生き残った。それだけだ」
メロは胸元から、真っ赤に染まった布を取り去った。
梨花の死体を舞台装置として機能させるために、梨花と、メロの体には布が被せられていた。
その布を適度な大きさに千切り、ニケの血に浸した物がそれだった。
メロの胸元を染めた真紅の血は、ニケが使っていた血溜まりの一片だ。
それによりメロは偽りの致命傷を演出した。
それだけではエヴァの魔法を受けて生き残る理由になりえない。
「氷の攻撃なら、掠める位なら耐え切れるだろうと思ってな」
メロが着ているローブは賢者のローブ。
高熱と冷気と暴風から着用者を守る魔法のローブだ。
加えてメロに氷の刃は直撃していなかった。
左肩と左脇腹と右膝を掠めてはいたが、ローブに守られていた事もあって深い傷ではない。
メロは生き残った。
同時に、それでも不味い状況だと認識する。
命に別状は無くとも重なる傷は全身を消耗させている。
ようやく取れた睡眠も完全ではなく、疲労自体もかなりの物だ。
今も降り続く冷たく鋭い雨が傷に滲み込んで疲労を深くしている。
なにより手足に受けてきた傷が、不味い。
(左腕は殆ど動かず、指は三本だけ。左腕が動かないだけでも相当な痛手だ。
右手も縄抜けの際に抜いた親指が痛むな。握力はかなり下がっている。
物を掴んで運ぶ位は問題無いが、相手が一般人でも殴殺は厳しいだろう。
今受けた右足の傷も、深くは無いがさっさと応急処置をして逃げないとまずい。
右手でランドセルを掴んで来れたのは僥倖だが……クソ)
冷静に自分の状況を省みて、歯噛みする。
舞台に転がっていたメロのランドセルは、目ぼしい物を殆ど抜き取られていた。
恐らく舞台まで持ってきた所で中身を検分したのだろう。
残っているのはバカルディや食料などを含む基本支給品だけだ。
弾だけで無意味だったとはいえ弾丸は当然抜き取られたし、救急箱や薬品の類も無い。
チャチャゼロを失ったのも痛手だ。
恐らくは倉庫の方に転がったままなのだろう。
加えて、急いでここを離れる必要が有る。
エヴァをやり過ごす事が出来たとはいえ、彼女はご褒美を呼ぶはずなのだ。
数分もしない内にメロが生きている事が露呈してしまう。
0320創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 02:31:53ID:TlKjQXDM0321遺。(後編) ◇T4jDXqBeas
2009/11/20(金) 02:32:31ID:kOUQiWG5「判っている。肩を貸せ。手当てをすれば治る程度だが、足が痛む」
「え。ええ、判ったわ」
すぐさまブルーが近づき、メロの右肩を下から抱え込む。
メロはブルーの肩を借りて歩き出す。
泥水を跳ねながら、歩いていく。
この場から離れていく。
急ぎ、思考をめぐらせながら。
今すぐに、とても重要な事を決めなければならないのだ。
ブルーを殺すかどうかを決めなければならない。
(肩を貸してもらうのも賭けだったが、咄嗟に切り捨てられはしなかったか。
だろうな。
身を挺して自分を守ってくれる人間だと判断したなら、この状態でも俺はまだ有用だ。
ブルーには俺を切り捨てるかどうか、ゆっくりと考える時間が有る。
そして俺にとってもブルーは有用……そう、ただ有用なだけだ。
感情は、抑え込める。
抑え込めなければならない)
媚薬によるブルーへの慕情はまだ存続している。
なにせメロは、今回の危機に当たって二度もブルーを助けているのだ。
どちらも自分の為に繋がる行為であったが、それだけと断言する事はメロ自身にも出来ない。
だが。
それでも、どうしても必要ならば、メロはブルーを切り捨てられる。
ニアを出し抜いてLを超えるためならば。
メロは自分が決して理性的な人間ではない事を理解している。
メロが持つ殆どの動機の根幹は、ニアへの対抗心によるものだ。
ニアを超えなければ、メロはLに届かない。
羨望か、嫉妬か、嫌悪か。
向上心か、虚栄心か、名誉欲か。
何にせよそれは、メロの全てと言っても良い。
その為ならば、家族や恋人でも切り捨て“なければならない”と考える。
だからメロはじっくりと考えた末に必要であれば、慕情さえも押し込めて。
ブルーを、殺せる。
今ここで三人目の殺害によりご褒美を貰う必要が有ると考えたならば、ブルーを殺せる。
最初に殺した大柄な少年に火事の現場に放置し放送で呼ばれた江戸川コナンを含めれば、
次の殺害でご褒美がもらえるのだ。
殺害方法は容易い。
今メロが肩を借りている……つまりメロの腕の中に有るブルーの首を、抱き締めて。
絞めれば良い。
右手の握力は落ちているが、腕力への影響は無い。
ある程度は鍛え抜かれたメロの膂力なら、片腕でも女子供くらいは絞め落とせる。
風の剣を展開されると不味いが、絞めに入ってからなら勝算は十分に有る。
奇襲と呼吸困難による混乱から立ち直るのは難しいからだ。
それこそ絞めに入った時点で腕に握られてでもいなければ七割、いや八割方は殺せるだろう。
そうしてブルーを殺せば、ご褒美で傷を治す事が出来る。
全身の消耗を回復して両腕も万全にすれば、行動の選択肢はかなり広がる。
ブルーを殺すメリットは他にもある。
ここまで負傷が重なったメロは何時ブルーに切り捨てられてもおかしくない存在だ。
安全の確保という意味でも、メロにはブルーを殺すメリットが存在している。
リスクとリターン。
メリットとデメリット。
メロは考えに考えて。
ニアを超える為にどうするかを決めた。
0322創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 02:32:44ID:/HQcmm640323創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 02:33:32ID:kOUQiWG5さっきの場所からは十分に離れていた。
エヴァが追撃に出てきても、足跡が消え視界も悪い豪雨の中での捜索は困難だろう。
事を起こすなら、今だ。
だからメロは、言った。
「さっさとやれ。その手に握った風の剣でな」
「なっ!?」
ブルーの手には自らの首に巻きつくマフラーの一端が握られていた。
即ち風の剣の一端だ。
ブルーは既に、メロを殺す為の凶器を握り締めていた。
「ち、違うわよ、メロ、これは……」
メロを放り出してあとずさるブルー。
その瞳に浮かぶのは激しい迷いと、動乱。
ブルーはメロを殺すかどうか迷っている。
一方のメロは放り出されて泥水に膝を付く。
前のめりに倒れそうになり、辛うじて右手をついた。
親指が、痛んだ。
泥飛沫が舞った。
メロは仰向けに倒れ込む。
木々の枝を抜けてくる冷たい雨に顔を打たれながら、ブルーの姿を見上げる。
借りていた肩を避けられれば地に叩きつけられる程に、今のメロは弱かった。
「言い訳は不要だ」
それでも言い訳はせず、させない。
迷うブルーを説き伏せようともせず、逆に言葉で畳み掛けていく。
「俺を殺す気なんだろう? いいだろう、殺せ」
ブルーよりメロにとって有り得ないはずの選択肢へと追い込みを掛ける。
「おまえになら託せるからな」
「託す……?」
メロは断言する。
ブルーの心情を、自らの言葉で定義する。
ああと頷いて、宣言した。
「おまえは信頼できる女だ」
困惑。そして惑乱。
理解できない。
まるで意味の通じない言葉の連なり。
ブルーは問うた。
「それが、今から自分を殺そうとする女に向ける言葉?」
首肯が返る。
それが確かな事がと知っている、そんな頷きが。
「確かにおまえは信用できる女じゃない。きっぱりと悪女だろうよ」
「なら、どうして」
見つめる視線。返る視線。
内に秘められた、量れない意思。
ブルーにはメロが何を考えているかわからない。
同じように、メロにはブルーが信じられる人間かなんてわからないはずだった。
それなのに。
「おまえは人を裏切ることができる女だ。
親しい人間にさえ嘘を吐き、翻弄することができる女だ。
騙り、偽り、謀り、誤魔化し利用して陥れることができる女だ。
化かす女だ。
なのに、想いを裏切ることだけはできない」
メロは言い放つ。
ブルーの内に秘められた本質を。
「だからおまえは、信頼できる女だ」
0324創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 02:34:14ID:+UYrLeDu0325創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 02:34:16ID:LoNp/PnP0326創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 02:34:17ID:/HQcmm640327遺。(後編) ◇T4jDXqBeas
2009/11/20(金) 02:34:28ID:kOUQiWG5自らの想いを。
「俺の想いを託すに足る女だ」
わからない。
ブルーにはわからない。
風の剣を握る手が震えているのは寒いからだろうか。
それとも、怖いからだろうか。
(多分、怖いからだ)
そう理解する。
ブルーは彼の知恵を、洞察を、意思を恐れている。
刃を振り下ろす勇気さえも。
その後に再び歩き出す強ささえも危うく思えるほどに、圧倒されている。
「俺の目的は、俺の打った手がニアのそれよりも早くジェダの牙城を打ち崩すことだ。
だから俺はおまえに託すと言っている。
おまえに、俺のやったような事をやれとな」
だから、メロの言葉を返せない。
まるで染み入るように染み込んでいく。
ブルーを規定してしまうメロの言葉が入ってくる。
「足手まといは殺してもいい。もちろん邪魔な奴もだ。
親しい奴だろうと、自分を慕う奴だろうと関係無い。
手段は選ばず、だが俺の目的を継いでくれ。
俺を殺してな」
その言葉はこれから殺される人間とは思えないほどに力強くて。
思わず、ブルーは呟いた。
「……できないわよ、そんなの」
小さな弱音を吐いていた。
ブルーが自ら決意したのであれば別だったかもしれない。
自ら殺害を心に決めていたのであれば。
だけどメロから向けられた遺言で逆に、揺らいでしまった。
最初の出会いの時からメロに感じていた敗北感が、圧倒的な迫力を見せ始める。
意のままに操れば。あるいは殺せば、メロを乗り越えられると思っていた。
だが、大きな過ちだった。
実際にメロが、その慕情から命がけでブルーを守り、命すら差し出してきた時、思ったのだ。
メロを殺した後、自分はどうするのだろうか、と。
メロの遺言を無視して自分だけの為に生きることはできない。
それは解くことのできない呪いを生涯背負って生かされるようなものだ。
だが、メロの遺言に従い彼を継ぐ事などできるのだろうか?
殺意すらもメロに握られたこの有様で。
ブルーは堂々巡りの迷路に嵌る。
そんなブルーに。
「殺せ」
「できない」
「やれ。何なら酒の勢いに頼ってでも、踏み出せ」
メロは一本のボトルを取り出していた。
バカルディ・ラム。
0328創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 02:35:01ID:TlKjQXDM0329遺。(後編) ◇T4jDXqBeas
2009/11/20(金) 02:35:26ID:kOUQiWG5ストレートで飲めば喉を焼くと共に理性をも焼くだろう。
メロはそれを軽く呷ってから、ブルーへと放った。
「飲め」
ブルーはそれを受け取り、戸惑い、躊躇いながらも。
それに、口を付けた。
初めて味わう高濃度のアルコールは、思ったより軽やかな味で喉を流れ落ちていった。
少し生っぽい泡を感じた気がして、だけどそれを気に留める暇もなく。
次の瞬間、腹にカッと火がついた。
「っ」
灼熱感とでもいうべき感覚。
戦いの中で炎に焼かれる痛みじみた熱さとは全く違う、なのに火に灼かれると表現すべき熱さ。
喉も胃も焼けるようだった。
ブルーは自分の支給品の水と噛み砕いた食料で喉を濯ぐ。
ストレートのバカルディは子供の体で飲みすぎれば酔い潰れてしまいかねない。
やがて少しずつ、酔いが回っていく。
気持ちが大胆になっていく。
「おさらいだ、ブルー。Q−Beeについての仮説は覚えているな?」
恐らく二人で考察を交わすのも最後なのだろう。
殺害と違ってこの行為に抵抗は無い。だから、素直に言葉が出てきた。
「ええ。あの復活劇は逆にQ−Beeの重要性を証明したって話でしょう。
次にすべき事は、Q−Beeを殺害した参加者を捜して情報を得ること」
「その通りだ。その参加者の居所についても考えてみたが、幾つか限定できる。
まずあの映像において、Q−Beeの死体は抉れた地面に転がっていたが、
あの地面にはアスファルトの破片が混じっていた」
流石、という感想が過ぎる。
つまりQ−Beeが殺されたのは、どこか道路が張り巡らされている場所だ。
「でもそれだけじゃ、殆ど島の全域よ? 何処を目指せばいいの?」
「砕けた地面について考えろ。
あの地面は元々砕けていた可能性も有るが、強力な攻撃で、
路面ごとQ−Beeの頭部から下を吹き飛ばした──そう考えても辻褄が合う」
「それがどういう……ああ、そういう事」
そういった攻撃は得てして轟音を伴う。
強力な爆弾を炸裂させたようなものだ。
ブルーの知識なら、マルマインの大爆発を一斉に炸裂させたようなものだろう。
「この近辺の奴じゃない。少なくともあの小坊主を殺した厄種の仕業じゃない。
それから、確率の話だが森の中や平地といった“移動中の道路”である可能性は低い」
これもブルーは理解した。
むしろブルーの得意とする領域の話だ。
戦場が開けた場所であれば、立ち回りによって狭い道路から外に移動する可能性は高い。
森の中ならば特に、遮蔽物を利用した戦いに持ち込むのは必然と言っても良い。
Q−Beeが殺されたのは恐らく市街地。
北東か、南西か、南東の廃墟か。
「八度目の使いという所からして、時間的には遅い時間帯のはずだがな。
夕方の六時時点でご褒美は四度だと言った。
その時点で一人〜二人の殺害分が残っているとはいえ、半分よりは後だろう。
九時以降というところか。
夜遅く、轟音の響く戦いが起きた街で、誰かが、Q−Beeを殺した」
確信を持ったメロの言葉。
ブルーは何度も流石だと身につまされる。
情報収集力と相手の裏をかく力には自信が有ったブルーだが、
その二つはともかく情報分析力においてはメロが圧倒的に上回る。
メロとブルーはしばらく言葉を交わす。
情報を纏めていく。
0330遺。(後編) ◇T4jDXqBeas
2009/11/20(金) 02:36:28ID:kOUQiWG5それがどちらであったにせよ、メロにとっての問題にはなりえない。
何故ならブルーの選択の如何に関わらず、メロの意思は続くからだ。
ブルーがメロを殺せなかった場合の理由は言うまでも無い。
数時間後にブルーの中で膨れ上がる『メロへの慕情』が掻き消えたとしても、
その頃にはメロの広く浅い傷と消耗もマシになり、切り捨てられる理由はなくなる。
メロからブルーへの想いも醒めているだろう。
メロは再び優位に立つ。
何よりそれまでの間、彼女の愛を受けられるというのは好ましい。
今、この瞬間のメロは、ブルーを愛し、穢し、貪り尽くしたいとすら想っているのだから。
メロにとってこちらの結果が最良である事は語るまでも無かった。
だがしかし、それが叶わなかったとしても。
メロを殺せばブルーはその死に呪縛される。
例えしばらくして『膨れ上がるメロへの慕情』が掻き消えたとしても、
それまでにブルーは行動方針を確たる物にしているだろう。
ちょっとしたきっかけの一つが失われても既に歩き出しているはずだ。
死者への問いが解決する事は無い。
メロの意思は託される。
その成果を自分で確認できない事は悔しいが、ブルーが上手くやる確率はまあまあだろう。
既に武器を握り締めていたブルー相手にこれならば、上々と言っても良かった。
切った札は媚薬入りのバカルディ・ラム。
メロが口を付けた水と同じ、最初から封を開けられていた飲料。
メロはそれがそうであるという確証さえなかった。
ただ、ブルーが既に武器を握り締めていた以上ブルーの殺害はありえなかった。
ブルーに殺されない手段としても追い込む方が確率としては高かったし、
ブルーに託して現状の散々なメロより上手くやってくれる見込みはそれなりに有った。
メロは既に、ブルーに対して勝利していた。
メロとブルーの視線は絡み合い、そして。
* * *
0331創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 02:36:35ID:U2pFQtKI0332遺。(後編) ◇T4jDXqBeas
2009/11/20(金) 02:37:10ID:kOUQiWG5感情を押し殺した吸血鬼エヴァンジェリンの言葉が、淡々と闇に響いた。
それはニケの死も、想いも、全てを踏み躙る言葉に思えた。
とても残酷な答えだと。
だから蒼星石は抗った。
「──それで、いいの?」
手も。
足も。
仮初めの仲間も。
生きうる見込みも。
全てを奪われたって、それでも。
「彼は、それじゃダメって言ったじゃないか」
ニケは怯まなかった。
身動きも取れず死にゆく身でさえ、己の意思を貫き通した。
蒼星石は思う。
勇気ある者とは彼のようなものを言うのだろう。
だから想う。
自分のためではなく彼のために、何かをしてやりたいと。
蒼星石は元より、自分の為に動くのは性に合わない。
善い事の為でも、悪い事の為でもなくて、誰かを進ませる為に何かを為したかった。
エヴァはそんな蒼星石を見下ろして。
蔑むように、哀れむように、嗤った。
「蒼星石。ククリの話にはまだ続きが有るのだろう?」
「………………」
見抜かれていた。
蒼星石は仕方なく、しかし構わない事だと受け入れて頷く。
ニケに隠し通せたのだから、隠し続ける理由はもう無い。
「彼に告げた通りだよ。
ククリさんは何人もの仲間に守られて、北東の街の旅館に居た。
温泉も有るところだった──だけど。
僕が見た時、旅館は既に破壊されて、ククリさんは僕の姉妹に殺されていたんだ」
沈痛な結末にエヴァはやはりかと頷いた。
全てではなくとも、その死は予想の内に有ったのだろう。
「おまえの姉妹は人殺しで、おまえも人を殺す生き方に手を貸した。
相方に裏切られてそうなっているのはおまえの正しさではない。
ただの弱さだ。
おまえが悪としても半端だったという、それだけの結果にすぎん」
辛辣な言葉に、蒼星石は頷く。
けれど食い下がった。
「そうだ。僕はもう、何にもならないものになってしまった。
だからこんな話を僕がするのは幾らでも笑ってくれていい。
全てが、自業自得なんだから。
でも君はそうじゃない、エヴァンジェリン」
返るのはせせら笑いだけ。
それでも蒼星石には懸命に言葉を重ねることしかできない。
「ニケ君は君に、帰ってこいって言ったじゃないか。
それなら君は帰ることができるはずだ。
例え彼が死んでしまっても、彼は帰る道を示したんじゃないか」
0333創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 02:37:12ID:TlKjQXDM0334遺。(後編) ◇T4jDXqBeas
2009/11/20(金) 02:37:58ID:kOUQiWG5エヴァは蒼星石に問いかけた。
「おまえは何のために殺し合いに乗ったのだ」
「優勝者に与えられる願い事でみんなを生き返らせて、全て無かった事にするために」
エヴァはそれが可能であるか不可能であるかを問おうとは思わなかった。
優勝の見込みも、ジェダがそこまでの願いを叶えるどうかも問おうとはしなかった。
「復活が存在する事は間違いない。僕は修復された体に呼び戻されてここに在る。
他にも復活の魔法が存在する世界から連れて来られた人は居る」
「そうか。それで?」
ただ、問うた。
蒼星石は答えた。
「だけど、殺して、殺しあって、殺されて。
嫉み、怨み、憎み、怒り、嘆いて。
そんな想いを抱いたまま、全てを無かった事にする事なんてできないんだ。
例え蘇ったとしても、その死が呼ぶ妄執は心の樹に絡みつく。
どうしようもなくなった後で、ようやく気付いた。
例えどんな理由で、何をして戦うにしたって。
歪んだ想いを、歪んだまま果たしちゃいけなかったんだ」
「そうか」
エヴァはその言葉をただ、聴き。
そして、
「だが」
言った。
「正しさの結末が奴の死だ!!」
まるで全ての想いを吐き出すように。
「正義は、弱い」
煮え滾る言葉。
その怒りの言葉は何故か、敗北者の如き苦渋に満ちた声で紡がれていた。
「手を汚さず、足を泥に沈めずに何が出来る。
汚れる事を怖れず襲ってくる相手にどう抗う!?
抗えはしない! ならばっ」
いや、きっとそうなのだろう。
彼女は。
エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルは。
「誰かが全ての罪を背負って往かねばならんのだっ」
死という終着に向けて歩いていたのだから。
沈黙が横たわる。
雨の音がただただ響き続けている。
「君は……まさか……」
エヴァの言葉を噛み締めると共に、蒼星石は理解しつつあった。
彼女が何に対して怒っていたのか。
ニケが言ったように、どんな理由であれ。
それが他の殺害者を減らしたり誰かを助けるためであれ、人を傷つければ怨み憎しみが生まれる。
傷つけられた者が苦しみ、被害者とその仲間が加害者を怨むだけに留まらず、
加害者も苦しみ、その仲間と加害者の絆さえも危うくなる。
それこそが負の連鎖だ。
断ち切れない悪夢の侵蝕だ。
「正しさを拠り所にすれば罪は皆に降り注ぐ。
それを悪いとは思わんが、勝手な都合を押し付けるつもりも無い。
ならば私は、悪を往こう」
0335創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 02:38:46ID:/HQcmm640336遺。(後編) ◇T4jDXqBeas
2009/11/20(金) 02:38:51ID:kOUQiWG5例えば高町なのはなどは、そうやって孤立した末に迷走したのだろう。
ヴィータを殺さずに止めた時は賞賛したが、やはりあれは、
(あの娘は罪を背負うべきではなかったのだ)
叶うならば、エヴァが行いたかった。
あの時のエヴァにはその余力が無くて、ヴィータを殺すことが出来なかった。
だからそれを殺さずにしてのけた高町なのはを賞賛すらした。
彼女は悪を背負えるのだと信じて。
もしもエヴァが行えていれば、高町なのはがあんな姿になる事はなかっただろう。
そう思うと、胸が痛んだ。
古手梨花の殺害から、エヴァは悪に生きて散る事を決めた。
これまで歩いてきた道を、命尽きるまで走り果てる事を選んだ。
光に住まう者達が愛しいから、護りたい。
もう、誰もこちら側──闇側に堕ちる必要など無い。
あらゆる罪は一切合切エヴァが背負い、悪の代表として正義の前に果てるのだ。
たった一人、誰も道連れにすること無く。
それがエヴァの胸に燈る最期の望みだ。
エヴァは哀切と共に床に横たわるニケの遺骸へと視線を下ろす。
(おまえが死んでどうするのだ、ニケ)
正義の味方は他にも居る。
あの工場に居た、リンクやインデックス達は皆そうだと思えた。
だけど叶うならば、この勇者に。
世界に存在する理不尽にツッコミを入れ茶々を入れ、悲劇を台無しにしてくれる、
この喜劇舞台の勇者に倒されるならば、どんな結末も笑って赦せそうな気が、少しだけしたのだ。
ほんの少しだけ、他よりも小さじ一杯程度には強く期待していたのだ。
万感を込めた視線は、一瞥だけで離れた。
「私は光を知らしめる影となる。おまえはそれを手伝え」
「僕が……?」
蒼星石は困惑と共にエヴァを見上げた。
「あれだけの事があり、あれだけの事を言って、何もしないとは言わせん。
おまえには私を手伝ってもらう。
別に罪を背負えとは言わん。私に付いてくる必要も無い。
悪を映えさせる者として正義に味方してもかまわん。
ただ私の在り方を手伝え。それすらしないというなら死ね」
あまりにも身勝手な言い分だった。
だけど蒼星石が何もすまいと、エヴァはそう生きて、死ぬのだ。
彼女に従うにせよ抗うにせよ、少なくとも放っておけるはずはなかった。
一つの、致命的な問題を除いては。
「今の僕に何が出来るっていうんだ」
彼女の両手足はニケの咄嗟の反撃と、グレーテルの悪意によって破壊されている。
両腕が有ればふわふわと浮かびながら金糸雀のバイオリンで戦えなくもない。
片腕と両足が有れば、機敏に駆け回り庭師の鋏で戦えなくもない。
しかし全てが破壊されれば、浮かび移動する事は出来てもその先が何も無い。
まだこの肉体を『自らが在るべき体』として認識し“生きて”いられる事さえ驚きなのだ。
破損部は残っているものの、繋げられるのは稀有な人形師だけで、完全に八方塞──。
0337遺。(後編) ◇T4jDXqBeas
2009/11/20(金) 02:39:37ID:kOUQiWG5何時の間にか、エヴァの手には人形が抱かれていた。
いかにも口の悪そうなカクカクとした口の人形だ。
エヴァは人形を見下ろして、旧知の仲の様子で話し始めた。
「本当に倉庫に転がっていたか。久しぶりだな、チャチャゼロ」
「オウ。オレハ御主人ガブッ倒レテル時ニ会ッテルケドナ」
「神社の時か。やはりあの男の言っていた事は本当だったのだな」
「めろノ事カ? アイツハナカナカノ悪党ダッタゼ。ソーイエバドコイッタ?」
「私が殺した」
「エッ」
「なんだその驚き様は。いつもの事だろうが。」
「ダッテアイツ、御主人ガ気ニ入リソーナ気合ノ入ッタ悪党ダッタゼ。
ソレニ御主人、最近ツマンネー程マルクナッチマッテタジャネーカ」
「………………」
「昔ノ筋金入リダッタ頃ノ御主人ミテーダゼ」
変わった。
いや、戻った。そうなのだろう。
エヴァは自分が少し前とは違い、ずっと前のようになっている事を自覚していた。
闇の底を這いずるように生きていた、あの頃のように。
「イヨイヨヤル気ニナッタッテーナラオレハ楽シインダケドヨ」
「なら口を挟むな、チャチャゼロ」
「御主人、ヤケニナッテネーカ?」
自棄。
そう、それも間違いなく今のエヴァを駆り立てる理由の一つなのだろう。
悪であろうという決意はあっても。
光に寄り添うことすらせず、闇として討たれようなど、少し前のエヴァならば考えなかった。
「ソコニ転ガッテル吸血痕付キノガキト関係」
「もういい、黙れ」
「オウ」
疑問の言葉は封殺された。チャチャゼロは黙った。
矢継ぎ早に命じた。
0338創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 02:39:52ID:TlKjQXDM0339遺。(後編) ◇T4jDXqBeas
2009/11/20(金) 02:40:22ID:kOUQiWG5おまえの体を部品に使って、仮の人形契約も結べば、私が送る魔力で動かせる物にできるだろう」
側に転がっていた蒼星石が、息を呑んだ。
「まさか君は、僕の修復の為に従者を壊すつもりなのか!?」
エヴァはチャチャゼロを見つめたまま、答えなかった。
沈黙は肯定だった。
治される身である蒼星石当人が、誰よりも驚愕した。
「その子は長年連れ添った君の従者なんだろう!? それを、そんな理由で……!」
「アァ。オレハ御主人ニ従ウゼ」
「な……っ!!」
別に大した事でもない。
チャチャゼロはそんな口ぶりで終わりを受け入れた。
エヴァは自らの従者に告げる。
「中枢部は使わないが、私は生きて帰るつもりが無い。永い眠りになるだろう」
「ソーカ。オワカレダナ、御主人」
起こす者は居なくなるだろう、と。
チャチャゼロを宿した人形の中枢は、誰にも省みられる事無く徐々に朽ちて逝くだろう。
何十、何百年という時間の果てに。
チャチャゼロは茶化すように、言った。
「マ、ドーセ御主人ガ学園ニ囚ワレテカラハ別荘デ暇シテタンダ」
「うっ」
エヴァは思わず言葉に詰まる。
エヴァが学園結界に囚われ、チャチャゼロを動かす魔力が無い頃、
チャチャゼロが動ける唯一の場所でも有る“別荘”の管理を任せていた。
ただでさえ退屈で冗長な学園生活に鬱屈したエヴァが使わなくなっていた、
外の一時間で中の一日が過ぎ去る異空間の別荘だ。
「ナニ気ニシテンダ、御主人」
チャチャゼロの表情はいつも通り、カクカクと喜劇めいた人形の顔。
そこに苦しみや辛さは見受けられなかった。
人形であるチャチャゼロの時間感覚は人間のそれとは違う。
「オ人好シニ悪党ハデキネーゼ?」
「判っている。だが」
「ダガ?」
それでもエヴァは言わずに居られなかった。
エヴァの都合で使えなくなり一時期遠くに置いても、代わりを作っても。
それでも最後の最期まで忠実であった、この従者に、ただ一言。
「すまなかった」
詫びを送りたかった。
チャチャゼロが、ケタケタと笑った。
「ジャーナ。ドーセナラ派手ニ散レヨ、御主人」
「フ……フフ……分かっている、私を誰だと思っている?」
「最強ノ悪ノ魔法使イ、えヴぁんじぇりん様ダロ? オレノ自慢ノ御主人ダ」
「ああ、そうさ。そうだとも。じゃあな。……眠れ、チャチャゼロ」
短い会話の末に、チャチャゼロは眠りに就いた。
きっと、目覚めることの無い眠りに。
0340創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 02:40:26ID:/HQcmm640341遺。(後編) ◇T4jDXqBeas
2009/11/20(金) 02:41:04ID:kOUQiWG5その右腕から抜き出された素材は蒼星石の右腕を縫う為に使われた。
その左足から抜き出された素材は蒼星石の左足を直す為に使われた。
その右足から抜き出された素材は蒼星石の右足を継ぐ為に使われた。
エヴァは蒼星石と契約を結ぶ。
人形契約。
人形を人形の従者に変える為の契約を。
意思無き者に意思を与える物でもあるが、既に意思が入っている相手にその効果は無い。
これは単に、蒼星石の新たな手足を動かすためだけの物だ。
新たな手足を魔力で繋げ、動かす為だけの物だ。
魔力を篭められた手足は蒼星石と接合され、蒼星石の意思で動き出す。
そしてエヴァは繰り返し告げた。
「もう一度、言っておく。おまえが手伝うのは私の往き方だ」
私が悪で在る事だけを手伝ってくれればそれでいい。
それだけがこの手足の条件だとエヴァは告げた。
悪として生き、立ちはだかる全てを薙ぎ払うエヴァの生き方を、蒼星石に真似できるとは思えない。
彼女は結局、心の芯から善良な選択をしたのだから。
何よりもして欲しくなかった。
エヴァは誰も道連れにする事無く、ただ一人闇に沈み果てるつもりだった。
だが悪を手伝うだけなら出来るだろう。
それを打ち倒す為、正義を助けても良いのだ。
というよりも、むしろ。
エヴァは、蒼星石が何をどう選ぼうと構わなかったのだ。
だってエヴァのほんとうの願いは、ニケの想いを汲んだ蒼星石が生き延びることなのだから。
ただそれだけの想いを篭めて、エヴァは蒼星石を救った。
【D−3/森/2日目/黎明】
【メロ@DEATH NOTE】
[状態]:全身に無数の負傷。左手の小指と薬指欠損。右手親指亜脱臼後の痛みによる握力低下。
左肩に刺傷(殆ど感覚がないが無茶をすれば何とか動く程度)(以上は全て応急処置済)
左肩、左脇腹、右膝に切り傷。負傷+冷気+雨による体温低下。
弱い催淫効果の影響で、ブルーのことが理屈抜きで気になっている。
[装備]:賢者のローブ@ドラクエX(上半身裸)
[道具]:なし
[思考]:どちらにせよおまえは俺のものだ、ブルー。
第一行動方針:ブルーの選択を待つ。
第二行動方針:『ご褒美』で情報を得たい。QBを殺した奴が誰か知りたい。
第三行動方針:どうでもいいが板チョコが食べたい。どこかで手に入れたい。
基本行動方針:ニアよりも先にジェダを倒す。あるいはジェダを出し抜く。
[備考]:ブルーが絡むことについて、理屈でなく衝動で行動してしまう恐れがあります。本人も自覚しています。
ブルーを通して、「ブルーが聞いた光子朗の考察」の一部を知りました。
0342創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 02:41:17ID:U2pFQtKI0343遺。(後編) ◇T4jDXqBeas
2009/11/20(金) 02:41:46ID:kOUQiWG5[状態]:全身に骨折、打撲、擦過傷等多数(以上応急処置済み)、精神疲労(中)、激しく動揺
メロに惚れつつある。マフラー状態の風の剣を握っている。びしょ濡れ。
[服装]:新体操で使うレオタードに、ジャージの上だけを羽織った格好
[装備]:風の剣(マフラー状態)@魔法陣グルグル、シルフスコープ@ポケットモンスターSPECIAL
[道具]:支給品一式×3(食料、水分少し減)、
ターボエンジン付きスケボー@名探偵コナン(やや不調)
年齢詐称薬(赤×3、青×3)、G・Iカード(『聖水』)@H×H、チョークぎっしりの薬箱、
Lのお面@DEATH NOTE、マジックバタフライ@MOTHER2、
シャインセイバー(サモナイト石・無)@サモンナイト3、モンスターボール@ポケットモンスターSPECIAL
[思考]:殺せって、そんな……
第一行動方針:メロを殺す? 殺さない?
第二行動方針:イヴと合流できてまだ利用価値があるようなら、上手く利用する
第三行動方針:第五行動方針:グリーン、イエローのことが(上の行動方針に矛盾しない程度に)心配
[備考]:
イヴの心変わりに気付いていません。イヴがGIのカードを使って脱出した可能性に思い至りました。
頑張って光子朗の考察内容を思い出しました。どの程度思い出したのかは未定。
メロの考察を知りました。メロが自分に「惚れかけて」いることに勘付いています。
ターボエンジン付きスケボーは、どこか壊れたのか、たまに調子が悪くなることがあります。
【D−4/体育館内/2日目/黎明】
【エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル@魔法先生ネギま! 】
[状態]:全身に痛み、左腕が殆ど動かない、魔力消費(大)
[装備]:フェアリィリング@テイルズオブシンフォニア
[道具]:支給品一式、手足の無いチャチャゼロ(半永眠)@魔法先生ネギま!
[思考]:…………次は、どうするか。
第一行動方針:休憩するか、それともすぐに動くか。
第二行動方針:リリスと遭遇することがあったら、リリスを倒し身柄を押さえ、情報を得る。
第三行動方針:ジェダの居場所に至る道を突き止め、露払いをする。
第四行動方針:ジェダを倒そうと挑む者たちの前に立ち塞がり、討たれる。
基本行動方針:ジェダ打倒のために暗躍。ただし仲間は作らない。誇り高き悪として、正義の前に散る。
[備考]
梨花の血を大量に吸いました。雛見沢症候群、及び女王感染者との関連は不明です。
ジェダ打倒を目指している者として、ニアの名前をグリーンから聞いています。
パタリロを魔族だと思っています。名前は知りません
紫穂の『能力』が、触れることで発動することを見抜きました。詳細までは把握していません。
雲に隠れていても満月による補正は有るようです。
【蒼星石@ローゼンメイデン】
[状態]:金糸雀のローザミスティカ継承、雨で服が湿っている。
殺人には激しい抵抗有り、チャチャゼロの部品と人形契約により四肢を維持
[装備]:庭師の鋏@ローゼンメイデン、金糸雀のバイオリンと弓@ローゼンメイデン
[道具]:基本支給品×2、ジッポ、板チョコ@DEATH NOTE、 戦輪×4@忍たま乱太郎
素昆布@銀魂、旅行用救急セット(消毒薬と針と糸)@デジモンアドベンチャー
トンネル南側入り口の鍵
[思考]:僕は……
第一行動方針:エヴァに付いて行き手伝うか、あるいは。
基本行動方針:優勝のお願いで全てを無かった事にしたかった。
[備考]:現在蒼星石の四肢はエヴァとの人形契約により動いています。
蒼星石の自由に動き、エヴァにとっての負担もほぼ有りませんが、
昼間のエヴァの魔力の減衰や、死亡によって影響を受ける可能性は有ります。
0344創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 02:42:30ID:kOUQiWG50345創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 02:43:34ID:TlKjQXDMお手数掛けました。ありがとうございます。
0346創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 02:46:13ID:U2pFQtKIうわああああニケェェェ!!
ここでニケが死ぬとは、まぁマーダーに囲まれてた生活だし
いつかはと思っていたが。
だが、ヒーローとしての生きざまを貫いたから良かったのかなあ
マーダー同盟早くも崩壊。偽悪コンビ結成か。
そして、メロとブルー。
こいつらの動きも気になるぜ
0347創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 02:50:36ID:kOUQiWG5原作ではあまりないシリアスなニケなのに、最後までらしいと思えた
で、生き残った奴らの動向も気になるな
エヴァはこのまま悪を貫くのか
ブルーはメロを殺すのか生かすのか
そしてグレーテルはどこに行くのか…
0348創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 03:02:35ID:TlKjQXDM最期までニケらしく勇者らしく頑張っただけに、余計に衝撃でかいです
揺れてるブルーや蒼星石がどうするのか気になります
それにしてもグレーテルはほんとに楽しそうだ……
0349創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 17:51:14ID:VX5i0+ie三勇者合流叶わず……!
だけどニケの最後の言葉は蒼星石に届いたようで、これからどうなるやら。
エヴァも救われてほしいな。
ブルーもどうなるかな。
周りの対主催は全員こいつ警戒してるしw
0350創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 18:40:15ID:Mp5KIxtr0351創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 18:42:34ID:c6qKem4N0352創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 18:43:28ID:bWIwgYq0というかマーダー勢が装備充実してたりして強すぎるw
0353創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 19:35:41ID:yXzPqOBIうっわあああ、なにこの無常感…読み終えた後のこのなんともいえない感じは凄いな。
ニケは死んだけど確実に何かを残して逝ったって感じだ。
GJ、これはいい作品だ。
0354創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 19:42:44ID:zjLNamnsこれでグルグル勢も全滅か。
終盤ぽくなってきたな。
0355創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 19:49:02ID:Mp5KIxtrでも貴重な鬱ブレイカーがここでリタイアして個人的にかなり堪えた・・・
後は頑張ってくれ、エヴァ、蒼星石。
0356創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 19:55:36ID:vSboi+MQ0357創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 19:58:15ID:bWIwgYq0号泣したw
今からグルグル全巻買って来るぜ
蒼星石は一時はどうなることかと思ったが、なんとか立ち直れたみたいでよかった…
既に逝ってしまった姉妹達のためにも頑張ってほしいな
ニケの死を無駄にしないためにも
てか感想がこんなにw
まだ人がたくさんいることが分かって良かった
このロワはまだまだやっていけるな
0358創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 21:37:54ID:VX5i0+ie読み返してたら展開が変わりかねない問題に気付いた……
ニケが自分の剣だしたら抵抗出来たんじゃね…?
痛みやらで忘れてたで行けるだろうか。
0359創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 22:17:03ID:BE+0i4fO確かに言われればグレーテルにあれだけ啖呵切ってたから意地でも抵抗はしそう。
0360創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 22:25:52ID:VX5i0+ie今回の話通したいのに変な事に気付いちゃった的な意味で。
0361創る名無しに見る名無し
2009/11/20(金) 23:30:47ID:bWIwgYq00362創る名無しに見る名無し
2009/11/21(土) 00:04:11ID:aYblQP7P少なくとも修正必須な程とは思わない
どっちでも作者さん次第で
0363創る名無しに見る名無し
2009/11/21(土) 02:37:04ID:dQl5Embhニケが最後の力でカッコイイポーズやっているとことか最高だった。
生死に関わらず先の展開に深みが増すやり取りだなと思いつつハラハラしながら読んでました。
チャチャゼロの役回りも良かったなー。メロが相棒だったと説明しているとこと
エヴァとの別れのところに何ともいえない物悲しさを感じた。
やっぱりニケは勇者だったな。こいつの明るさがあるかぎり対主催いけるんじゃねという根拠のない
安心感を持っていただけにショックが大きいや。
キルアとか雛苺とか最近(といっても数ヶ月前か)の死亡話はホント読んでて面白いな。
ニケは前の話で魔力消耗も激しい上に怪我もしているんだから、
自分の剣すら出せないほどに疲弊していたのでいいのでは。
0364創る名無しに見る名無し
2009/11/21(土) 09:34:25ID:sFUjnd25そして残るショタはたった7人…
0365創る名無しに見る名無し
2009/11/21(土) 12:32:43ID:Es8YmZE3このスレが終わりなのは見えてるのに期待してします
ロワで絶望していても何故か諦めない参加者みたいに諦めたくないみたいな気分がする
0366創る名無しに見る名無し
2009/11/21(土) 12:37:01ID:IHLyuNBW0367創る名無しに見る名無し
2009/11/21(土) 13:16:37ID:YzBJFC9J放送後に全員動いたということでマップ更新だよー!
ttp://www25.atwiki.jp/loli-syota-rowa?cmd=upload&act=open&pageid=8&file=romap+263.gif
動くはマーダーばかり、対主催は待機ばかりで拠点を攻められてばかりの対主催。
本当に大丈夫かー!?
トップレベルの能力者のキルアやロワの清涼剤エロ勇者が死に、
ショタ不足が深刻化してきました。
このままでは
「ロリショタロワ終了のお知らせ。次回からはロリバトルロワイヤルが始まります」
なんてことになりかねません。
書き手の皆様方、ショタに愛の手をー!
0368創る名無しに見る名無し
2009/11/21(土) 14:48:58ID:sbYJxIVjエヴァじゃないけどこいつになら倒されてもいいって思えるすごいやつだった。
勇者ってほんとああいう奴のことをいうのかもしれん。
エヴァはほんとせつねえことになってるな。
青い子との偽悪コンビがどうなるかも期待
そしてチャチャゼロ。
俺はあんたのことも好きだったぜ。
メロがどこまでもニアに勝つことを求めてるのがよかった。
しかし惚れ薬系が最初から後半まで猛威ふるってるな、このロワw
0369創る名無しに見る名無し
2009/11/21(土) 16:17:28ID:sFUjnd25生存率は約45%
ショタは35人中7人生き残ってる
生存率は20%
ショタ頑張れw
0370創る名無しに見る名無し
2009/11/21(土) 17:01:19ID:+9lTQEi10371創る名無しに見る名無し
2009/11/21(土) 19:52:48ID:YzBJFC9J0372創る名無しに見る名無し
2009/11/21(土) 20:43:17ID:NP5BkT5h0373創る名無しに見る名無し
2009/11/21(土) 21:44:31ID:7r2lK495まあ、読んで色々いう俺らも十分おっかないが。
0374創る名無しに見る名無し
2009/11/22(日) 10:01:12ID:IXOTJcm6LSは元より頭数の少ないショタが優先的に退場させられてるから尚更
0375創る名無しに見る名無し
2009/11/22(日) 10:13:00ID:cS+2Wexg死亡数は同じなんだし
てかもうこの話やめよう
何か不穏な感じになってきた
0376創る名無しに見る名無し
2009/11/22(日) 13:30:23ID:GA/15N/40377創る名無しに見る名無し
2009/11/22(日) 14:44:52ID:OmKlAsH5文句言ってる奴は当然率先して書いてくれるんだよな?
0378創る名無しに見る名無し
2009/11/22(日) 15:22:39ID:nJsAK0I20379創る名無しに見る名無し
2009/11/22(日) 15:51:11ID:z7xuB4+N書く人はあまり差別なく書いたほうがいいよ。
0380創る名無しに見る名無し
2009/11/22(日) 19:07:46ID:cS+2Wexg構って損した
0381創る名無しに見る名無し
2009/11/24(火) 19:29:48ID:H3dpFDRx0382創る名無しに見る名無し
2009/11/24(火) 20:54:19ID:DH72vOUc0383創る名無しに見る名無し
2009/11/25(水) 18:28:11ID:H7Ar4adP同じくらいにして欲しいかな。
0384創る名無しに見る名無し
2009/11/25(水) 19:36:29ID:pV40b0TW完結させずに2を始めても前のが終わってないのに云々となるし。
0385創る名無しに見る名無し
2009/11/25(水) 20:01:30ID:3o+obT3A■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています