一橋大(東京都国立市)の50代の米国人男性准教授が、授業時に朝鮮人へのヘイトスピーチ(差別扇動)を繰り返しているなどとして、同大に在籍する在日コリアンの大学院生が1日、国立市に対し、民族差別などを禁止した同市の条例に基づく人権救済を申し立てた。

 申し立てを行ったのは、同大学院博士課程の梁英聖さん(37)。申立書によると、この准教授は5月6日、授業開始時に学生に向かって「コリアンはばかどもだ。頭がおかしい」などと英語で話したほか、6月4日の授業開始時にもコリアンを中傷。ツイッターなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の自分のアカウントでも、梁さんに対する誹謗(ひぼう)中傷を行っているという。

 同市は、人種、民族、性別などを理由とするさまざまな差別を包括的に禁止する条例を今年4月に施行。差別解消と人権救済のために市が必要な措置を講じることを定めた。大学を含む市内の事業者にも「不当な差別の解消」の努力義務を課している。申し立てを受け、市は調査を行い必要な措置を答申する審議会に報告する。

 梁さんは「本人の発言撤回や謝罪を求めて大学当局にもたびたび要請してきたが対処してくれなかった。執拗(しつよう)な攻撃を受けて、恐怖と精神的な苦痛を感じている」と話した。

 一橋大広報室は「担当者がいないのでコメントできない」と話している。【井田純】