☆☆☆ 法解釈ゼミ ver.7 ☆☆☆
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0201キンタ
2006/01/11(水) 22:30:16ID:KGAsKVRT>なんだ、パソコンでつくった答案がもうあるんじゃなかったのか。
もともとは手書きで書いているからね。
このスレの進行に合わせてパソに写そうと思っていたので、不本意ではないよ。
さて、去年は検討しなかった手形法なんかどうでしょうか。
(問題文)
【商法】 平成17年・第2問
Z株式会社の代表取締役Bは,X銀行から,Z社が融資を受ける条件として,信用
のある第三者が裏書した約束手形を差し入れることを要求された。そこで,Bは,高
校時代からの友人であるY株式会社甲支店の支店長Aに依頼し,Y社を受取人,手形
金額を1000万円,満期を平成17年7月15日とするZ社振出しの約束手形にY社甲支
店長Aとの裏書を得たが,Aは,手形の振出しや保証を行うことをY社の内規で禁じ
られていた。
Bは,この手形をX銀行に交付し,X銀行は,その手形金額から満期までの利息を
控除した金額をZ社に貸し付けたが,Z社は,当該借受金を返済することなく,平成
17年5月10日に破産手続開始の申立てをし,同月17日,Z社に対して破産手続開始の
決定がされた。
X銀行が同月18日にY社に対して手形金の支払を請求した場合,この請求は認め
られるか。
(答案)
1 X銀行は、Y社に対して、裏書人の担保責任(手77条1項1号)の追及としての遡求権
を行使して(43条)、手形金の支払を請求できるか。
2(1) まず、本件手形の「占有者」Xは、権利推定(77条1項1号・16条1項)が受けられ
るか。受取人が「Y社」、裏書人が「Y社甲支店長A」の記載に、「裏書ノ連続」があるか
が問題となる。
思うに、手形上の権利の内容はその手形の記載のみから判断すべきであるが、記載
の合理的解釈は許される。そして、受取人は振出人が記載し、裏書人は裏書人自身が
記載することが多いことからすると、後者を基準に前者との同一性を判断するべきで
ある。
本問で、「Y社甲支店長A」の記載は、Y社の支配人(会11条)が裏書したものとし
て、裏書の効力がY社に帰属するものと見ることができるので、「Y社」と同一であ
ると解釈するのが合理的である。従って、「裏書ノ連続」がある。
(2) また、被裏書人の記載がなされていないので、本件手形は「最後ノ裏書ガ白地式ナ
ル場合」に当たる。
よって、Xは権利推定が受けられる。
3 もっとも、振出人の記載が「Z社」であることから、振出が無効ではないか。機関方式
の手形行為の有効性が問題となるも、有効と考える。
なぜなら、代表権限ある者が本人を表示して手形行為をしたい以上、本人を免責する
べきでないからである。
本件手形は、Z株式会社の代表取締役Bが振出したものであるから、振出の効果は有
効にZ社に帰属する。
よって、振出は有効である。
(続く)
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