与党と野党の議席数が僅差で拮抗した場合など、敵方議員の
買収などが行われる可能性も排除できない。

国民が直接、首相選出を決めると言っても、実際に国民に約束
したとおり国会で首相を選出するかどうかは議員の道義的判断
に由来しており、約束を守る法的義務はない。
秘密投票の場合だと、約束を破ったことさえ分からないだろう。

結局のところ、議員の道義的判断が介在する以上、国民内閣制
における国民の「直接選出」というのは、実は直接ではありえない。
国会議員が有権者との約束を守るだろうという想定のもとに、本来の
直接民主制の機能的等価物として機能するだろうという意味で、
「直接」と言われているに過ぎないんだね。