当たり前の話ですが、高橋和之は国民内閣制を首相公選制とを
非親和的なものとして提出しています。

↓以下の高橋の『国民内閣制の理念と運用』(有斐閣)の記述を参照。

「諸政党が、相互間の競争と提携の中から、国民の多数の支持を受けうる
政策体系を提示することに成功するとき、初めて国民は選挙によって事実上
直接に内閣(その主張としての首相)を選出することが可能となり、「国民内閣制」
が成立する。」(42頁)

「ここでの提案の趣旨は、既存の議院内閣制を、選挙制度や政党制などとの
組み合わせの中から、国民内閣制的に機能させることを考えてみようということ
にある。決して首相公選制のような制度改正(憲法改正)をめざしているのでは
ない。首相公選論は、基本的には大統領制であり、議院内閣制の運用としての
国民内閣制とは異なった論理にたち、内閣中心構想とは別個の構想として独自の
検討を必要とする。」(43頁)