一つ注意すべき点は、「人間が解釈する意味」なんていうものを情報の一形態と呼んでしまった場合には、客観性を失うことになり、科学の対象にはできないということです。
つまり、「意味情報が復元された」といっても、「どうやって完全かどうかを確認するのか?」という問いには答えようがありません。
ですが、日常的な意味で「言葉によって情報が伝わる」とか、「うまく情報が伝わらなかった」などと言った場合に、復元されたかどうかに着目する見かたは、それなりに辻褄が合うのではないかと思っています。

もっとも、客観的なもの(例えばコンピュータ上のデータ)に対して情報と呼べば、科学の対象にはなり得ます。
情報科学における「情報」も、失われていないことを主張するためには、完全な保存や復元をすることが求められます。
そういうわけで、情報というものが復元可能であるという見かたは、コンピュータの処理対象、人から人への意味の伝達、そして情報科学の対象として見た場合に、一貫性があるように思います。