最初、僕は一人暮らしだった。
一人暮らしにもある程度慣れて将来を約束した彼女も出来たある早春の頃、
僕の弟、妹だという緑混じりの青髪の少年と、桃髪の少女がやってきた。
実の兄妹なのにやたらイチャイチャしている。
弟の方は畑で野菜を作るのが趣味のようで僕もよく手伝った。
何故だかなつかしく感じる家族のぬくもりが嬉しかった。

それからまた月日が流れ新緑の季節の頃、
グランベル商社に勤めているという三十路近い男と、男だか女だかよく分からない少女少年がやってきた。
何故だか理由はよく分からないが、僕の兄と弟であることは認識出来た。
男は帰ってくるなりティルフィングを振りかざしアルムとセリカに襲いかかった。
どうやらKINSHINアレルギーのようだ。
少女少年の性別はとりあえずセリスとすることにした。

それからまた時は流れある秋の日の事。
庭先にボロ雑巾のような少年が寝ころがっていた。
そのまま放置しておくのも気味が悪いので、手元にあった特効薬で治療することにした。
ギャグなのかネタなのか知らないがシグルド兄さんに斬られては人でなしーと叫んでいる。
若いおねえさんが好きなのか道端でナンパしているがその度馬や竜に轢き殺されている。
こいつは幸運のパラメータがゼロ。つまりは多分モルフだ。

5人での家族暮らしにも慣れたある春先での事、
なんとなく僕に雰囲気が似た一家の末っ子を名乗る赤毛の少年がやってきた。
年齢の割には落ち着きがあって常識人。
頼みもしないのにツッコミ役を買ってでている。
ツッコミ役が我が家に来たことで我が家のカオス度は増していったのだった。

それから数週間後の桜が咲く頃、
ロイがそのまま成長したような赤髪の青年と、オールバックの口調がやたらきつい青髪の青年、
20代くらいの遊牧民族風の衣装を纏った緑髪の女性がやってきた。
赤髪の青年はいつものティルフィング制裁で壊れた壁を見るなり泡を吹いて倒れた。
青髪の青年が来てからはロイが腹黒な性格になった。
緑髪の女性は実はまだ10代で、後で僕は日本刀でメッタ斬りにされた。

そしてその年の秋、
無表情な青年と、どこぞの貴族みたいな雰囲気の少女がやってきた。
二人共僕の兄姉で、双子だという。
青年が来てからはヘクトル兄さんとよく喧嘩をし、そのせいでエリウッド兄さんが蝶サイコーと叫ぶことが多くなった。
少女はリン姉さんに嫉妬しているようだった。とても上品で頭もいいけど、胸のサイズが圧倒的に足りないのは一目瞭然だった。

それからまた時は流れある真冬の事、
子供子供した銀髪の少女と頭に鉢巻き巻いたガタイのいい男、リン姉さんみたくやたら老け顔の緑髪の女性がやってきた。
少女はこう見えて僕たち一家の最年長、長女にあたる姉さんで年齢は…歳らしい。
男は毎日のようにラグネルを振るい家のあちこちやリーフを斬り倒している。エリウッド兄さんの胃が休まる日は今後もうないだろう。
緑髪の女性は毎朝一番に起きて一家全員、15人分の朝食を用意してくれている。ガチムチな男が好みのようで今はブートキャンプに夢中だ。

そしてこの年の春、
大きな穴を空けたファルシオン片手に持つ男がやってきた。
エリウッド兄さんやロイのような常識人キャラをきどってはいるが、実はリーフ並みのむっつりスケベだ。
姉限定のシスコンでもあるようで、今日もシグルド兄さんがティルフィングを振り回している。

そして現在、僕はこの16人兄弟家族の一員として今日もこの世界の何処かにある紋章町で暮らしているんだよ。