敵の動きの仕様が適当なのは、プランナーの能力がないというより
実際に動かしてみなければわからない部分が多すぎるから。
そもそもゲーム開発とはそういう予測が不可能なものであり、
トライ&エラー(試行錯誤)の回数が多ければ多いほど良いものができるのである。
従来の開発プロセスでは、
実際に動かして、パラメータを調整して、また動かして
というT&Eのプロセスの多くはプログラマにしか許されていなかった。
そのため「ゲームのおもしろさはプログラマで決まる」と言われてきたのだろう。

我々が目指すべきなのは、
プランナが指示をだしデザイナがデータを作りプラグラマが試行錯誤する。
ではなく、
プランナ、デザイナ、プログラマがそれぞれに試行錯誤を繰り返すことである。
そしてT&Eの間隔を短くし、それを円滑に統合するのが汎用化されたオーサリングツールなのである。

従来の開発プロセスでプログラマに負荷が集中するのは当然で、
またそうした環境に慣れたプログラマがプログラマ至上主義になるのもまた当然である。
しかし大規模化し高度化する昨今のゲーム開発において従来の方法が限界に来ているのもまた事実である。