トヨタ、富士スピードウェイ買収を正式発表 F1誘致も

トヨタ自動車は1日、日本の代表的な自動車レース場、富士スピードウェイ(静岡県小山町)を買収すると正式に発表した。運営会社の株式の3分の2を約53億円で取得、社長もトヨタから派遣して経営権を取得する。2004年までにコースの改修などを実施。トヨタが2002年に参戦する計画の自動車レースの最高峰フォーミュラワン(F1)を、同サーキットに誘致したい意向だ。
トヨタは富士スピードウェイの8割の株式を保有する三菱地所から、25億円で49%分の株式を買収、その後28億円の第三者割当増資を引き受けて持ち株比率を67%に引き上げる。さらに、2004年までに約100億円を投じ、観客席の改築や大型映像装置を設置するほか、資本提携先のヤマハ発動機と協力してカートレース場を新設する計画も明らかにした。
会見で、張富士夫社長は「できるだけ早くF1を誘致したい」との意向を示した。開催権を巡って、三重県の鈴鹿サーキットを所有し、現在F1を開催している本田技研工業に対抗する可能性が出てくるが、「われわれは幕下のような存在。謙虚にやっていく」(加藤伸一副社長)と実現性に関しては慎重な発言にとどまった。
同スピードウェイは1965年にオープン、76年と77年にF1を開催するなど日本のモータースポーツ界の草分け的存在。だが入場者数の減少などで、ここ数年は赤字経営が続いており、経営のテコ入れを狙う三菱地所と、若年層を中心としたモータースポーツファンへのイメージアップを図りたいトヨタ側の思惑が一致した。(22:44)

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