1月は「睦月(むつき)」、5月は「皐月(さつき)」、8月は「葉月(はづき)」…。暦の各月には、和風月名がついている。もともとは旧暦での呼び方だが、新暦になっても引き継がれ、カレンダーにも使われている
▼2月は「如月(きさらぎ)」だ。「きさらぎ」の呼び名の由来は幾つかある。その一つとして、この時季は寒さが残り、
衣(きぬ)を更(さら)に重ね着するから「きぬさらにき月」といったのが短くなって「衣更着(きさらぎ)」になったとの説が比較的よく知られている
▼別の説では、草木の芽が張りだす月という意味の「くさきはりづき」から転じ「きはりづき」→「きさらづき」→「きさらぎ」となったとされる。
如月の字を当てるのは、「二月を如となす」とある中国の古書に由来しており、呼び名には関連がないという(岡田芳朗・阿久根末忠編著「現代こよみ読み解き事典」)
▼立春が過ぎ、暦の上では春だが、カーディガンやベスト、コートにマフラーと真冬の装いが手放せない。「衣更着」がしっくりくる今の時候である
▼2月には「梅見月」「初花月」の異称もある。家の近所にある梅の木は白い花を幾つも咲かせ、早春の到来を告げている。自然の営みは着実に歩を進めている
▼きさらぎの語源に戻れば、陽の「気」が更に来るからとの説もあるそうだ。太陽のぽかぽかとした日差しを、マフラーを巻いた首を長くして待つ。 

(2015年02月17日 07時23分 更新)
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