国原譜

2015年1月8日 奈良新聞

 政財界のトップが語る新年の抱負。そこでキーワードとなっているのが地方創生。国から市町村まで、官民一体で活力ある地域
づくりを目指す。

 同課題が注目される背景には、民間調査機関が昨年公表した消滅可能性都市が与えた衝撃があり、地方の少子高齢化が深刻
に受け止められている。

 また東京一極集中による弊害も改めて指摘されており、国は企業の移転などで地方への新しい人の流れを生み出すとしている。
ただ中央主導の施策ばかりでは本当の地方創生はおぼつかない。

 だから地元リーダの言葉に耳を傾けたい。荒井知事は先日の年頭会見で国の発展はトリクルダウンではいけないと指摘、地方の
頑張りを鼓舞した。

 この外来語、したたり落ちるという意味の英語で、富裕層が豊かになれば貧困層にも富がしたたり落ちてくるという経済用語。政
治的には中央が発展すればやがて地方も良くなると聞くべき。

 それではだめだと知事は言う。そして年始で来社した各市町村長からも「それぞれの町づくりの形を見せていく」など受け身でな
い積極的な抱負が聞かれ、意を強くした。(松)

http://www.nara-np.co.jp/20150108100855.html